見出し画像

イーレックス、ベトナムでバイオマス発電所 24年稼働へ

 新電力大手のイーレックスは、ベトナムでバイオマス発電事業に乗り出す。

 ベトナム電力公社(EVN)などと連携し、2024年に出力2万キロワットの発電所を稼働させる計画で、さらなる事業拡大を視野に入れる。

 イーレックスが海外でバイオマス発電所を建設するのは初めて。

 温暖化ガスの削減量を2国間で分け合う制度の活用も想定している。

画像1

イーレックスが沖縄県うるま市に建設したバイオマス発電所

 新しい発電所はベトナム南部ハウザン省で22年に着工する予定で、燃料には地元で生じるコメのもみ殻を使用する。

 年間発電量は約1億2000万キロワット時を想定しており、全量を現地の固定価格買い取り制度(FIT)に基づきEVNに売電する。

 イーレックスは国内で5基のバイオマス発電所を運転しており、事業ノウハウを海外にも広げる。

 イーレックスはバイオマス燃料の自社調達に力を入れており、21年6月からベトナムで品種改良した「ソルガム」と呼ばれる植物の試験栽培を開始。

 EVN傘下の電力コンサルティング会社PECC2とも、バイオマス事業に関する覚書を締結していた。

 発電所の建設に向けて、同社が設立した特別目的会社(SPC)に出資する予定。

 出資比率はイーレックスが51%、PECC2が10%、現地の燃料供給会社などが39%とする。

 経済発展が続くベトナムでは、電力需要が年率10%のペースで増加しており、電力不足が懸念されている。

 そのため隣国の中国、ラオスからの電力輸入を拡大するとともに、再生可能エネルギーの開発を推進している。

 ベトナム政府が近く策定する「第8次国家電力開発基本計画」にはバイオマス発電の導入拡大も盛り込まれる方向で、イーレックスは追加で4~5基を建設することも検討している。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?