「倒産する会社」「生き残る会社」決定的な差は創業時の…
なぜ、小規模な事業は廃業に追い込まれやすいのか。
突き詰めていくと、原因は「資金不足」ただ一つです。
事業を末永く継続していくカギを握るのは融資の実践とタイミング。
資本金400万円で会社を立ち上げ、創業6年目を迎えた筆者は、実際にどのように融資を受けてきたのでしょうか。
合計「3億4200万円の融資」で経営の好循環を実現
3億4200万円。
これは、創業から6年間で私の会社が金融機関から調達した融資額の合計です。
ちなみに、融資タイミングと金額の内訳を簡単に記しますと、
【1期目】
●2015年12月 会社設立
●2016年1月 800万円(公庫)
【2期目】
●2017年4月 1000万円(公庫)※1期目の決算書提出後すぐ
●2017年7月 500万円(三井住友銀行)
●2017年9月 50万円(興産信用金庫)
【3期目】
●2017年12月 2000万円(公庫)
●2017年12月 500万円(興産信用金庫)
●2018年2月 350万円(西武信用金庫)
●2018年6月 500万円(巣鴨信用金庫)
●2018年6月 2500万円(東日本銀行)
●2018年8月 500万円(きらぼし銀行)
【4期目】
●2019年1月 1700万円(商工中金)
●2019年6月 2000万円(三井住友銀行)
●2019年6月 2500万円(東日本銀行)
【5期目】
●2020年1月 1500万円(商工中金)
●2020年2月 1000万円(興産信用金庫)
●2020年4月 4800万円(うち2800万円は借換、公庫)
●2020年7月 6000万円(三井住友銀行)
●2020年9月 1584万円(借換、興産信用金庫)
●2020年9月 1000万円(うち500万円は借換、巣鴨信用金庫)
●2020年10月 500万円(うち200万円は借換、きらぼし銀行)
【6期目】
●2021年1月 8000万円(りそな銀行)
となります。「そんなに借りてどうするの?」「多額の借金を抱えて財務基盤は大丈夫なのか?」と思う方もいることでしょう。
しかし、返済は順調に行われていますし、資金を元手に必要な投資をしていくことで、利益は返済額を上回る水準を達成しています。
お金に困って借入をしているわけではないので、調達した資金を使い果たすこともなく、手元には常に2億円ほどの現預金が蓄積されています。
現在の事業成長は「創業直後の融資」あってこそ
こうして余剰資金を蓄えておけば新しい事業を始めたいときも、“思い立ったが吉日”で、チャンスを逃すことなくスタートできますし、オフィスや給与水準などの雇用環境も整備できます。
将来的な売上を担う良い人材の獲得も実現します。
新たな集客やマーケティングの施策も、思い切ってチャレンジすることができます。
なにより資金繰りに追われることもなく、気持ちの余裕があるのは大きなポイントです。
目先の数字にとらわれることなく、やるべき事業に注力でき、本当に必要な投資の見極めも冷静にできます。
「融資によって余剰資金が生まれる→投資ができる→売上・利益につながる→さらに融資を受けやすくなる」といった、事業における好循環を、身をもって感じています。
しかし、最初から私が恵まれた状況にいたかというと、そうではありません。
会社を立ち上げた時点では社員は2人、資本金400万円。
創業1年目は年商2500万円の売上が立ったことで、1期目はなんとか50万円程度の黒字を達成できましたが、もともとは「1000万円の売上が達成できればなんとかなるかな」という手堅い事業プランのもと、会社立ち上げと同時に800万円の融資を引っ張ることができました。
この創業融資に成功していなかったら、気持ちの余裕もお金の余裕もないまま、人材の獲得や新しいサイトの立ち上げにも積極的に取り組むことができず、今の成長はなかったと思います。
会社を倒産させるのは「借金」ではなく「現金不足」
繰り返しになりますが、創業してすぐ800万円の融資を受けたからこそ今があると思います。
創業してすぐ借りるというのが本当に大切なことなのです。
会社が潰れる第一の理由は「資金がなくなること」です。
会社が倒産するのは「借金が多い」からではなく、「現預金がない」からなのです。
つまり大事なのは、できるだけの備えをして、手元の現預金を厚くすること。
そして、手元に余剰資金をもつことで、より有利な条件で借入をしていき、経営、財務基盤を安定させることなのです。
目指すロードマップのポイントは大きく2つあります。
1. 経営が苦しくなる前の創業時に早めに手を打つ。
2. 創業1~2年の間に2~3行以上の金融機関と付き合う。
そのためには、待ちの姿勢ではなく、創業前からの相応の準備、さらに創業後も気を抜くことなく、2~3年目に向けた戦略、備えが必須です。
私が多額の融資に成功したのは、決してレアケースではありません。
お客さまの成功事例を見ても、傾向と対策をしっかり練り、準備さえすれば、融資のハードルは決して高いものではありません。
金融機関が“貸したくなる”条件とタイミングを知り、そこに向けた備えさえしっかりしていれば、誰でも資金調達は可能です。
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