これからの時代は、協業! ロート製薬、脱「目薬の会社」 協業で再生医療も目指す!
一般には「目薬の会社」と思われることの多いロート製薬が他社との協業を積極的に進め、自社を変革しようとしています。
連携する分野は機能性食品から再生医療まで幅広くあります。
「コネクト」を経営のキーワードに位置づけて、健康を軸に事業の幅を広げながら企業価値を高めていく構えです。
ロート製薬は2日、三洋化成工業と資本業務提携すると発表しました。
約2億円ずつ出資しあい、関係を深めるということです。 まさにこの不況を乗り切るための秘策だと思います。 「良い製品を開発するには素材から作り込んでいかなければいけない」と語り、三洋化成が研究する天然素材を生かしたスキンケア製品を開発する方針を明らかにしました。
再生医療でも協業するということで、ロート製薬は人間の脂肪由来の「間葉系幹細胞」を使う再生医療の研究に取り組み、三洋化成も機能性たんぱく質で壊疽(えそ)した皮膚を再生する研究を進めています。
両社が連携して再生医療に関する研究力を高める狙いがあります。
細胞医薬品を効率よく生産する技術開発にも力を入れています。
ロート製薬は新たなスキンケア製品や機能性食品の開発に向けて、機能性素材を手掛けるファーマフーズとも資本業務関係を深めることを7月に発表しています。
今後は3社での連携も検討しています。
ロート製薬の山田会長は「他の会社とも一本一本、線をつないでいく」との表現で、さらに提携企業の幅を広げる姿勢を示しています。
ウェルビーイング掲げる
ロート製薬の経営戦略で「コネクト」は重要な概念であり、2019年には30年に実現すべき経営ビジョンとして「Connect for Well-being」を掲げています。
「ウェルビーイング」とは心と体の充実感を意味し、広い意味での「健康」を示す考え方だとロートは説明しています。
他社と連携し、健康に関する幅広い事業を共同で進めていく姿勢を鮮明にした格好です。
ビジョンでは主力のスキンケア製品や一般用医薬品(大衆薬)に加えて機能性食品や再生医療、医療用目薬などに力を入れる方針を打ち出しています。
すでに再生医療では塩野義製薬と連携して肝硬変の患者向けに、人間の脂肪由来の間葉系幹細胞を使った治療法の開発を手掛けています。
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