キッズフレンドリー
シンガポールで子育てをしている親たち(私も含めて)がよく言うのは「シンガポールはキッズフレンドリーだよね。電車やバスでは、すぐに座席を譲ってくれるし。本当にありがたいし助かる」ということ。
先日、モモタ(仮名、生後5か月)を連れて里帰りをした日本で、シンガポールとの温度差に驚いた。
柔軟な対応のシンガポール
シンガポールの街中を走る路線バスのほぼ全ての車両(肌感覚です)に、車いすとベビーカー向けのスペースが確保されている。
ベビーカーを押している時には、本来乗車すべき前扉ではなく、降りる専用の後扉を開けてくれるといった柔軟な対応をしてくれるのだ。
もちろん中には子連れの私の存在に気付かないのか、なかなか後ろ扉を開けてくれないこともあるが。
座席の譲り合い合戦の様相
そして、多くのシンガポール人(肌感覚です)は老若男女を問わず、電車やバスにベビーカーが乗ってくると、嫌な顔せずに(しているのかもしれないけれど、気づかない)さっとスペースを空けてくれるのだ。
それは、ショッピングモールや街中のエレベーターでも同じ。ベビーカーを優先してくれてる人がなんと多いことか。
「バスじゃなくて、Grabやタクシーを使えばいいじゃん、運賃も安いんだし」という意見もあるだろう。
ただ、乗車時にはベビーカーを畳んでトランクにしまい、降車時にはトランクから下ろし、そして開く。これは大変な手間であるし、そして結構体力を使う。
そして、Grabはチャイルドシート無しでは乗れない。(備え付けられている車両もあるが。)
このことをご存知でしたか?(私は最近まで知りませんでした)
「我先に」の日本
では、翻って母国の日本はどうか。
里帰りのために日本に帰っていた私たち夫婦とモモタ。
日本滞在中は、バスには乗らなかったけれど、電車には何度か乗った。そして驚いた。
駅のエレベーターでの出来事だ。「車椅子やベビーカーの方を優先してください」と扉に掲示されているにも関わらず、エスカレーターや階段を使うことなく、我先にとエレベーターに乗り込む人がなんと多いことか。
少し悲しくなった。もしかしたらベビーカーの存在に気づいていないのかもしれないし、乗り込んだ方々が階段やエスカレーターを使うことができないような病を抱えているのかもしれない。そういったケースもあるだろう。
だけど、どの駅でも同じように我先にと乗り込んでいく人たち。
気付かない人、病の人がそんなに多いとは思えないのだ。
温度差が生まれる起因はなんなのか
ベビーフレンドリーに対する両国の温度差は何に起因しているのだろうか。幼少期からの教育なのか。
温暖な気候が寛容性を育むのか。
個人差だけでは片付けられないような何かがあるような気がする。
フレンドリー極まれり
シンガポールは社会全体が赤ちゃんに優しいのは間違いない。
が、そのフレンドリーさゆえに少し困ることもある。
バス待ちのとき、信号待ちのとき、モモタを見つけて足とか腕とかほっぺとかを触ってくる、おじさんやおばさんがいる。
いいんだけれど、触っていいか?と一言あってほしい気はする。
不寛容さに比べれば、些細過ぎることだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?