最近の不安、ウシジマくんについて

 ここ1週間ほど、体にまとわりつく不安の量が格段に増えたような気がする。原因は大体はっきりしてて大好きなバイト先で毎回何かしらのミスをしでかして申し訳なかったり、それを引きずって夜眠れなくなった結果、学校に行けなくなったり、自分の性格からくる孤独感だったりする。 
 それをなくすためにどうすればいいか。俺は対処より原因療法を考えるタイプなので過去にさかのぼってその根っこを潰そうとするんだけど、だいたいそれはもうどうにも出来ないくらいに絡まっていて俺一人でどうにかできるものではない。
 ここまで分かっておきながら他人を頼ることができない。そしてその理由が頼るべき他人の存在がいないことだって気づく。結局、孤独の原因は孤独であってそれを直すための方法が孤独によって塞がれている。
 あともう一つ、不安の材料がある。それはここ数日、致死量の闇金ウシジマくんを摂取したことだ。Youtubeで公式が音声付きの漫画動画をあげていて、俺はそればっかり見てる。ウシジマくんは言うまでもなく面白い。社会の病理をあそこまで深く、面白く描ける作品はなかなかないと思う。でもそのあまりのリアルさと残酷さに俺の精神は衰退して病弱になり将来への不安が増幅してしまった。真面目に、正しく、普通に生きたいだけなのに、ストレスが、プライドが、劣等感がその願望を押し退けて簡単な過ちの方へ俺を動かしてしまう。ウシジマくんの登場人物たちは大抵の場合、死のうとするかそれに該当する生き方を強制させられる瞬間に一縷の希望が手を差し伸べてくれる(中には救われない人もいるけど)。その希望は崖っぷちになるまで希望だと気づけないケースが多い。日頃の感謝とか、思いやりのような小学生の頃、道徳でたくさん聞かされたことが結局は人間を人間たらしめていて、それをおろそかにする人たちが一縷の希望にすがることもできず地上の社会から完全に消えてしまうのだ。
 不安は文字にすると大したことなかったと思われせてくれるときがある。俺はありえないくらい不安で普通の生活がどうでも良くなってしまうほど苦痛に感じたとき、それを文字に起こす。その絶望は平らな板に刻まれて俺の心臓から離れていく。胸に残った感謝と平穏な感情をまた大切にして俺は普通に戻っていく。
 だからまた、ここに絶望を書きにくる。絶対に書きにくると思う。文字の世界はいつも開かれていて、俺の絶望は永遠に膨らみ続けるから。
 
 

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