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マイペースな僕が開成中、筑駒、栄光学園に合格できた理由【中学受験合格体験記】
※私が合格したのは2020年ですが、受験する年度を問わず役立つ内容になっています。成績が開示されないので現在の成績からの推測ですが、私は筑駒に真ん中よりちょっと上くらいの成績で合格しました。つまり私は平均的な筑駒生であり、これから合格を目指す上でベンチマークになるはずです。また筑駒の入試問題は2020年度と2021年度の入試問題をチェックし、その攻略記事をまとめているので良かったら役立ててください(※目次22、22.5参照)。筑駒に限った事ではありませんが、直近の過去問の攻略はめちゃくちゃ大切です。
追記:2022年7月18日にQ&Aを追加しました。5・6年の各科目の勉強方法、5・6年の夏休みの過ごし方、国語・社会の自宅学習方法について回答しています。
◆はじめに◆
このnoteを書くことにした理由は、中学受験が終わった後、起業家の父に、「この機会に本気で中学受験の合格体験記を書いてみたら?よくあるうわべだけの体験記ではなくて、中学受験を通して良かったことも、親に言われて腹が立ったことも、もっとこうしたら良かったと思ったことも本音で書く、そんな本気の体験記をね。中学受験でお前のように自主的に取り組むケースは少ないし、人とはちょっと違うやり方で合格してるよね。中学受験ギリギリまでゲームをしていたケースもあまり多くはないと思う。それでも希望する中学に合格できた訳だし、そこには必ず理由があり、再現性もあるはず。中学受験を目指している人の中にとって、そのやり方が参考になる人が必ずいる。俺が中学受験する子を持つ親なら、お金を払っても読んでみたいし、もし自分が開成、筑駒、栄光学園を目指す中学生だとしたら、モチベーションをあげるためにその記事を読んでみたいしね。」と言われたからです。
そして父からは「本を出版する気持ちでプロとして書かなければ意味がない」「本気で書いても1冊も売れないかもしれないし、もしかしたら10冊買ってもらえるかもしれない。本を書くことでお金を稼ぐ大変さや、売れた時の喜びも経験できる。そういう経験を積むチャンスだし、結果はどうあれ、本気で取り組んだ経験は人生の中で必ず役に立つ」というアドバイスをもらい、自分なりにどうすべきか考えました。
正直「自分なんかにプロのような文章が書けるのか?本当に売れるのか?もし売れたとしても買っていただいた方に、満足してもらえるような文章が書けるのか?」等、散々悩みましたが、よくある親目線の(子どもから見たら)違和感を感じる中学受験合格体験記やきれいごとを並べた薄っぺらい合格体験記ではなく、自分が受験を通じて感じたことを、子どもの視点から本音で発信することには意味があるのではないか?父が言うようにこのような機会はめったにないのでは?と考え、思い切ってチャレンジすることにしました。
ちなみにこの中学受験合格体験記は、難関中学校を目指しているかどうか関係なく、中学受験に取り組む全ての方に向けて、全精力を注いで執筆しています。またやるからにはプロとして取り組めという親のアドバイスのもと、後半部分は有料での販売とさせていただきました。プロのライターや編集者がついている訳ではないため、大人が書いた文章と比べると拙い部分もあると思いますが、入学前の休みの大半を費やし、全てを出し尽くし、執筆しています。このnoteはできれば中学受験を目指す子を持つ親だけではなく、中学受験に取り組む小学生にこそ、是非読んでもらいたいです。(特にゲームのくだりや親に言われて嫌だった事などは、すごく共感してもらるのではないかと思っています。)
自分なりに考え、工夫し、中学受験という戦い挑み、合格を手にするまでの家庭のサポートや大好きなゲームとの向き合い方、サピックス等では教えてくれない受験対策、そして、栄光学園、開成中学、筑駒の受験に役立つ僕なりの教科別対策と時間配分なども掲載しています。このメソッドは受験する年次は関係ありません。2021年、2022年、2023年・・・もっと未来の受験生にもきっと役立つはずです。
また4年生の前期から6年生の後期まで、自分の偏差値がどのように推移していったのか、教科別の偏差値推移も掲載しているので、これから中学受験される方の参考になると本当に嬉しいです。
【目次】
僕の基本データ
序章 中学受験を目指した理由
1. 中学受験塾をどうやって選んだか
2. 中学受験の勉強はいつから?塾は4年からで良いと思う理由
3. 入塾前の遊び・学習について
4. 4年生の過ごし方(勉強時間、やって良かったこと&後悔したこと)
5. 5年生の過ごし方(勉強時間、やって良かったこと&後悔したこと)
6. 6年生の過ごし方(勉強時間、やって良かったこと&後悔したこと)
7. テスト結果が出たときの対処法
8. 勉強をやる気がしないときの対処法
9. ゲームとの付き合い方
10. 第一志望校&併願校をどうやって選んだか
11. サピックスの教材以外で役立ったもの & 苦手科目強化法
12. ケアレスミスが多かった僕のケアレスミス対策
13. オリジナル!僕の過去問のやり方
14. 直前期12月~1月の過ごし方
15. 1月校について
16. 直前は何より体調!風邪予防に活躍したアイテム
17. 我が家の本番持ち物リスト
18. 受験前日から受験終了日までの親の過ごし方
19. 不合格になったらどうする?僕が両親に言われていたこと
20. 僕が考える栄光中の試験とは?合格できた理由。教科別対策&時間配分
21. 僕が考える開成中の試験とは?合格できた理由。教科別対策&時間配分
22. 僕が考える筑駒中の試験とは?合格できた理由。教科別対策&時間配分
22.5 僕が考える筑駒中の試験とは?2021年度版
23. 筑駒『報告書』のナゾと保護者の方へのアドバイス
24. 合格の喜びより嬉しかったこと
25. 親に言われて&されて嫌だったことトップ5
26. 親に言われて&されて嬉しかったことトップ5
27. サピックスでよかったか。サピックスが向いている人、向いていない人。ダブルスクールについて。
28. 筑駒合格で親からもらった80万円の使い方
29. 中学受験をして良かったと僕が思う理由
30. これから中学受験に挑む小学生へのメッセージ「受験を自分事にする」「緊張を力に変える」「そして、笑う」
31. 中学受験に挑む子どもを持つお父さん、お母さんへのメッセージ
32.あとがき(筑駒入学後の今とこれから※2020年8月から2022月3月時点)
33.Q&A
Q1.5・6年の各科目の勉強方法を教えてください。
Q2.5・6年の夏休みはどういう風に過ごしていましたか?
Q3.国語・社会の自宅学習はどうすれば良いでしょうか?
◆僕の基本データ◆
首都圏の公立小学校に在籍。新4年生でSAPIX(サピックス)に入室。2020年2月中学受験終了。
学習スタイルは、サピックスの授業⇒家庭での復習。テストで間違えた問題などから周辺の取りこぼし単元を再復習。先取り学習や予習は一切なし。マンスリーのようなコツコツ型の試験は少し苦手で、組分けやサピックスオープンなど、範囲のない実力テストの方が得意。
受験校:西大和学園/東京会場(合格)、開成(合格)、栄光(合格)、筑駒(合格)
【母からの一言】
はっきりいって勤勉とは程遠く、好奇心に任せて学習するタイプです。家庭学習は6年前半まで最低限の時間・量でした。先取り学習やサピックス以外の勉強はほとんどしていないので、余力を残して6年生になりました。本人がやる気にならなければ意味がないと思い(イライラしましたが)自主性を重視。6年秋頃になってやっと本気モードに入り、初めて本腰を入れて取り組んだ算数と理科は1月31日まで伸び続けました(12月初旬以降、テストはないので感覚ですが)。1月初旬の西大和学園の試験は、算数と理科がまだ仕上がっていませんでした。子ども自身がやる気になって取り組めば、最後の最後まで力が伸び続けます。息子も最後のひと伸びがなければ、筑駒はまず合格していませんでした。最後まで諦めずに取り組むことは、中学受験でもすごく大切です。
序章 中学受験を目指した理由
僕は、幼稚園の頃から子どもの意思を尊重する自由な教育方針の幼稚園に通っていたこともあり、何かを強制されたり、やらされたりすることがすごく苦手でした。
無理やりやらされると途端にやる気がなくなる一方で、自分から取り組んだ場合は、ずっと集中し、ご飯を食べるのを忘れてやり続けることもありました。
中学受験も親からすすめられたのではなく、自分の意思で決めました。きっかけは小学2年生の頃、父が見せてくれたネット上の筑駒の記事です。父は筑駒のことを全然知らず「こんなに自由な学校があるんだねぇ。こんな学校行ければ楽しそうだね。」と言っていただけなのですが、僕は、公立小学校に窮屈さを感じていたこともあり、心の中で「筑駒に行けたらいいなぁ」と思うようになりました。その時は筑駒が難関中学校であることは全然知りませんでした。
僕が通っている公立小学校は、首都圏と言うこともあり半数近くの子が塾に通い、中学受験します。小学3年になると、塾に通っている子の話や中学受験するんだという話を学校で聞くようになりました。
正直小学校の授業で習う勉強はとても簡単で物足りなさを感じていたので、親に「塾に行ってみたい。中学受験をして筑駒を目指したい。」と相談しました。調べてみると、筑駒は入学試験がとても難しいことを知り、自分にできるかどうかはわからないけど、とりあえずやれるだけのことはやってみよう!と思ったことを憶えています。
1. 中学受験塾をどうやって選んだか
サピックスに通うまで僕は塾に行ったことがなかったので、塾によって違いがあることについても全然知らず、学校で教えてくれないことが勉強できるなら正直言ってどこでも良いというのが本音でした。ただ、筑駒への合格実績を調べてみると、サピックスが圧倒的だったので、サピックスが良さそうだと考え、母に相談した上で3年の冬に入室テストを受けました。ちなみに父は塾選びに全く興味がなく、どこにいってもOKということでノータッチでした。
【母からの一言】
通塾可能な距離には、四谷大塚や早稲田アカデミー、日能研、グノーブルなどがありました。サピックスはママ達の間で「対応が冷たい」「先生が怖い」「家庭学習が多い」「テキスト整理が大変」と言われていました(実際の感想は26章)。
初めて塾に通う息子にサピックスが合うのかどうか、自信はありませんでしたが「合格実績から判断すれば、サピックスのカリキュラムが筑駒合格に必要な学習をカバーしている可能性が高く、他塾に在籍していてもきっとサピックスが気になってしまう」と考え、もし息子に合わなければ、その時は転塾すれば良いくらいの気持ちで、新4年の2月から入室させました。塾内テストの順位で本番に近い立ち位置を常に確認できる点も、サピックスのメリットと考えました。
2. 中学受験の勉強はいつから?塾は4年からで良いと思う理由
僕が4年からの通塾で良かったと考えている一番の理由は、入塾時に、新しい知識に一気に触れ、とても興奮し、あらためて僕は勉強(新しい知識を得ること)が好きなんだと自覚できたからです。これがもし1年早かったらそこまで強い気持ちを抱かなかった気がします。正直に言うと、低学年から塾に通っている友達の話を聞き、いいなぁと思ったこともありますが、両親が塾に行って欲しいと思っていないことが何となくわかっていたので、3年の終わりまでは塾に行きたいという意思表示ができませんでした。ちなみに運動系の習い事は、両親の希望もあり、幼稚園の頃から5年終わりまで続けました。学習系の習い事は、サピックスに通うまで一切やっていません。受験までの3年間という期間は長く、勉強への意欲が落ち、中だるみした時期や親にやる気がないなら辞めなさいと叱られた時期はありましたが、中学受験したいという気持ちはずっと切れなかったと思います。
また、今振り返ってみると小学校低学年で経験した様々な出来事が、最終的には中学受験の合格につながっていることをしみじみと感じます。例えば勉強だけではなく、日々の身の回りの物事へ関心を持つことは、受験勉強に間違いなく繋がります(※詳しくは3章)。サピックスでも、低学年から通っている子で、高学年になった時、上位クラスに残っている子は正直数えるほどでした。つまり4年から入っても、いくらでも逆転できるし、むしろその可能性のほうが高いということです。(ただ学校の宿題はちゃんとやった方が良いと思います。大事なのは学習習慣をつけておくことです。僕は宿題をまともにやらなかったので、入塾当時はほとんど学習習慣がついておらず、慣れるまですごく苦労しました。。)
3. 入塾前の遊び・学習について
幼少期~入塾前の遊びでは、スイスの木製玩具『cuboro』やデアゴスティーニの『そーなんだ!おもしろテーマシリーズ』、幼児期にはくもんの『NEWたんぐらむ』、ピープルの『ピタゴラス ひらめきのプレート』などが大好きでした。こういうおもちゃで遊んでいたことは、僕の空間認識力、図形の力、理科・社会の根本となる知識力を鍛えてくれました。
特に影響力が大きかったのが『そーなんだ!』で、僕の知識の出発点といっても過言ではありません。社会や理科や言語についての高度な内容が漫画で書かれていて、知らなかった世界が広がっていくように感じました。
ちなみに、繰り返しになりますが、小学3年までは勉強はほとんどやっていません。今となっては後悔していますが、学校の宿題すらまともにやっていませんでした。(宿題を一切やらず、担任の先生から家に電話され、叱られたことも何度かあります。)
その他、プログラミングにも興味があり、scratchでゲームを作ったりしていました。
また、幼稚園の頃から今まで、大人向けのテレビドラマやアニメ、ドキュメンタリーなどを親と一緒に観ています。観た後、口々に感想を言い合ったり、疑問に思うことがあった時は「なぜこの場面で〇〇は△△したの?」ときいたりします。中学受験の国語では小学生には想像がつかないような感情を読み取らせるようなものも多いので、こういう経験も実は役立っていると思います。中学受験するといっても、息抜きは絶対必要です。受験直前期まで、息抜きとしてもおすすめです。
【母からの一言】
テレビゲーム・スマホゲームやYouTubeは、楽しく新しい刺激を次々と与えてくれるので、うちの息子も大好きです。ただ、直に触り、動かし、体験するものが与えてくれる刺激や、読書が膨らませてくれる想像力は、テレビゲームとはまた異なる力を育ててくれるように思います。テレビゲームが選べる状況で読書や積木を選ぶ子どもは少ないと思うので、我が家では低学年まで、テレビゲームは原則として週末に1時間のみというルールを作り、他の遊びをするしかない状況を作っていました。
積木系のおもちゃやものづくり(漫画作り、迷路作り、謎解き作り、工作など)をしていると、息子の目が輝き、夢中になっていく瞬間に何度も遭遇しました。また、登山やキャンプなど、自然と触れ合う遊びも、時間があるうちにやっておくことをおすすめします。
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