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#236【虎に翼語り】余談 色……寅子とまる子の共通点

今日もお読みくださってありがとうございます!
今日のタイトル画像も、明治大学博物館で開催中の「虎に翼展」で展示されていた伊藤沙莉さん(たぶん直筆)の寅子イラスト。


この展示を観に行ったのは10月の初旬でした。
世間様はハロウィンの時期です。
何かしらトラつばリスペクトコーデ(バウンドコーデと言うそうです。bound…拘束される、縛りのある)ができないかしらと考えました。

初期寅子=黄色×赤

わたしがリアタイし始めたころにはすでに寅子は裁判官になっており赤茶系のスーツでしたが、初期の寅子は黄色と赤の組み合わせがイメージカラーになっています。

家での寅子は黄色の着物に赤い半襟や帯。
大学時代に入ってからは、黄色の着物に臙脂色の袴。

「黄色いカーディガンに赤いブローチでもしていくか!」と試してみたところ、黄色いカーディガンの時点であふれでる「のび太くん」感……!敢え無く断念して全く関係ない格好で行きました。よよ落涙。

さて、さらに調べたところ、寅子イメージのメインカラーが黄色なのは、「虎」だからだそうです。シンプルな理由ですがとてもキャッチーで、キャラクターにもぴったりですよね。

どのキャラクターにもその人物の色を設定しているんですが、寅子は黄色。単純ですが、虎なので(笑)。あとは明るくて太陽みたいなイメージというのもありますね。衣装もそうですし、部屋の装飾やカーテンは黄色のトーンを多用しています。

【虎に翼 インタビュー】猪爪家“彩度を抑えた冷静なセット”に【NHK朝ドラ公式】 - 虎に翼 - NHK

そうそう、若き花江ちゃんのピンク、よねさんのモノトーン、涼子様の華やかな江戸紫色の柄羽織on青緑色の柄着物の合わせ、梅子さんの京紫羽織など、女性陣は結構はっきりと色でキャラクター造形されています。

カラーリングによるキャラクター付けの強化

色彩心理の観点からもトラつば分析をしている記事を見つけたので、備忘録的にリンク~。

各キャラクターのカラーリングによる作り込みって、極端な例ではゴレンジャーの配色などがありますが、どうしてもお芝居っぽくリアリズムからは遠くなる面もあります。

本作は、キャラクターの立った面々のお芝居に楽しく身をゆだねていたら、急にのど元に現実的な問題を突き付けられる、といいますか、虚構のバランスが総じていい塩梅だったのが特徴だと感じました。

黄色×赤の女の子と言えば

さて、寅子の黄色×赤で思い出す女の子といえばくらたは『ちびまる子ちゃん』です。アニメだけかなと思ったら原作コミックスの表紙にさくら先生が描かれていました。

『ちびまる子ちゃん』1巻書影(集英社)

ドラミちゃんも黄色に赤リボン、そういえば『姫ちゃんのリボン』も金髪に赤リボンです。
女の子に限らずに言えばピカチュウも同じ配色ですね。
元気さ、子どもらしさや、親しみやすさがあり、主人公らしさもある色使いです。

これが赤メインの赤×黄になると、さらに主人公っぽさが増していきます。アンパンマンやミッキーマウスがそれ。
ミッキーかあ……ミッキーマウス(赤×黄)とミニーマウス(赤×白)を比較してみると、黄色が入ると親しみやすさや三枚目感が出てくる感じがしますね。

歌舞伎では、裕福な庶民の女性の記号

歌舞伎では、黒いかけ襟に黄八丈(江戸時代に流行した着物)、赤い帯と言えば、裕福な庶民の女性の記号です。

そもそも庶民の女性は武家の姫に比べてチャキチャキ働き者で元気なキャラクターに造形されることが多いですが、特に黄八丈の女性が出てくる場合は、元気で親孝行な娘だったり、やくざ者の真っ当で蓮っ葉な妹だったり、恋人のために無茶する女の子だったりすることが多いイメージです。

時代を問わず、黄色×赤の元気なイメージは共有されていたのですね。


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