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『ティアとショタ喰らいの悪魔』振り返り

 どうも、黒道蟲太郎(こくどう・ちゅうたろう)です。

 お陰様で、私の作ったゲーム『ティアとショタ喰らいの悪魔』がそれなりに遊んでいただけているようです。

 ニコニコ動画内のサービス『RPGアツマール』において、プレイ回数1万回超え、総合ランキングデイリー2位、アクションカテゴリデイリー&週間1位等、エッこんなにいいんですかというくらい沢山触れていただきました。

 RPGツクールMVで、いや、ツクールゲーを公の場に公開するのが初めてであるにもかかわらず、多くの方にプレイしていただけで本当にありがたいです。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。

 まだプレイしたことのない方に向けて紹介記事攻略記事も書いておりますので、是非ご覧ください。

 さて、嬉しい反面、初めてゲームを一般公開したことによって気付けた反省点のようなものが色々ありましたので、ここで備忘録代わりにまとめておきたいと思います。
 本来私だけ参照できれば良いような文章ではありますが、何かの参考になればと公開するところであります。

■スマホユーザーを意識する

 RPGアツマールは、PCからもスマホからもゲームを遊べるサイトです。
 その意味をきちんと理解できていなかったことは、今回大きな反省点であったことだなと思っています。

 私が初めて触れたツクールは『RPGツクール2000』でした。
 当時は身内でバカゲーを作って共有する程度の使い方しかしておらず、ゲームを広く一般に公開することはありませんでしたが。

 当時の私にとってPC版の『RPGツクール』とは、『パソコンで遊ぶためのゲームを作るソフトウェア』でありました。
 それもあってか、ツクールで作ったゲームはパソコンのキーボードで遊ぶのが当然で、『MV製ゲームはスマホでも遊べる』とは言いますけれども、実際プレイヤーの多くはPCから遊ぶだろう……と、そのような発想がまず根底にありました。

 結果を言えば、まずその古い知識自体が改めるべき部分でした。

 一応説明欄に「スマホからでも遊べますが、パソコンから遊んだ方が遊びやすいですよ」ということを書いてはいました。
 ですが、実際このゲームをプレイする方はかなり多くの割合でスマートフォンからアクセスしているようでした(実際の割合は数値化できるものではないので不明なのですが、あくまで体感として)。

 結果としてそれらの方々は、パソコンからプレイすること前提の仕掛けでつっかえてしまいます。
 それによって、「遊び辛い」という意味のコメントが多く寄せられる状況になってしまいました。

 具体的には、

・キーボードなら比較的攻略しやすい仕掛けやエネミーが、スマホからの操作だと非常に攻略しにくい

・回線や機種によって、戦闘アニメーション等大きめの画像を読み込む際に遅延が発生し、プレイがし辛くなる

 といったことが挙げられるようでした。

 前者に関しては、テストプレイの段階で操作性に難があることは確認済みであったため、PCならばそれなりに攻略しやすいように調整しました。
 後者については、こちら側でも事前に画像や音声素材に圧縮をかけ、読み込む際の負担を可能な限り減らせるよう工夫はしたつもりでした。

 しかし実際のところ、それらは全て「PCならば何とかなる」というレベルの調整に過ぎませんでした。
 スマホからプレイした場合、ツクール製ゲームに非常に慣れた方でなければトゥルーエンドを見ることが難しく、また、LTE回線であっても読み込みが多少モタつくことが確認できたのです。

 RPGアツマールのプレイヤーにおけるスマホ人口は無視できる割合にないことを、今回よく認識できたと思います。
 ツクールとはPCで遊ぶゲームを開発するソフトだ、という先入観をここで捨て、今後のゲーム開発に生かしたいと思います。

 具体的な対策としては、

・スマートフォンからもテストプレイをし、プレイに支障がないか確認する
・読み込みに時間が掛かる素材を多用しない
・読み込み遅延が決定的になるようなシビア過ぎるゲームバランスにしない
・パソコンからプレイしてほしい場合、より分かりやすくその旨を表明する
・どうしてもパソコンからしかプレイしてほしくない場合、RPGアツマール以外の場所でゲームを公開する

 等が挙げられます。

■プレイしやすさを意識する

 私のRPGツクール製ゲーム観に歪みがあったために、プレイヤーの方々にプレイし辛さを押し付けた部分は多く存在したと考えられます。

 具体的に言えば、私は偏見として『ツクールゲーの操作性が悪いのは当たり前』という意識を持っており、これが今回のゲーム制作に悪影響を及ぼしたことは否定できないと思います。

 プレイヤーとしてゲームをする際にも、私は多少操作性やゲームシステムに面倒な部分があろうが「それはそういうもの」という認識で進めてしまう性質があります。
 その批判性の無さが、少なくとも今回は悪い意味で発揮されたのではないかと考えます。

 具体的に言えば、『理不尽な死』と『ボス戦』に問題は集約されるかと思います。

 まず『理不尽な死』ですが、このゲームは選択肢ミスで即死亡するパターンのゲームオーバーが多数存在します。

 これはそもそも「これはそういうゲームですから」と開き直るしかない部分でもあるのですが、やはり何度もやり直すというのは手間ですし、あまりにも繰り返されればストレスになるものです。

 そのストレスを低減させられるかどうかは、やはり「死んだ場合のやり直しをサクッとできるか」という部分にかかっているように思われます。

 今回のゲームの場合、ゲームオーバーになった地点によってはやり直しに膨大な時間がかかり、それがプレイヤーのストレスになる部分が多かったように思われます。

 この対策としては、

・ゲームオーバー直前の地点から即やり直せるようにする
・ゲームオーバー直前の台詞が長すぎる場合カットする
・読んでしまった台詞は飛ばせるような仕組みを用意する

 等が考えられると思います。

 次に『ボス戦』なのですが、これが特にプレイしづらかったようです。

 ある程度ツクール製ゲームに慣れた方ならそう苦戦しなかったようですが、そうでない方はここが攻略できずに繰り返しやり直す羽目になり、結果として面白くないと感じてしまう場合が少なからず観測されました。

 加えて、プラグイン等を利用しつつシステムを組んだためか、原因不明のバグも稀に発生しており、時たま進行不能になる方もおられるようです(これに関しては本当に原因がこちらで分からず困っています、力になっていただける方を募集しています)。

 テストプレイの段階で既に遊び辛さについては指摘が出ており、いくらかマシにしてから公開したつもりだったのですが、やはり「非常に操作し辛い」ゲームが「操作し辛い」ゲームになった程度の変更にしかなっていなかったということかと思います。

 理不尽な難易度をウリにしたゲームというのはひとつの方法としてあると思いますが、「操作性が悪いために難易度が高まる」というのはプレイヤーが求めるタイプの理不尽さではありません。

 今後ゲームを作ることがあれば、たとえ『理不尽ゲー』『死にゲー』であったとしても、操作やシステム等根本的な部分はしっかりと洗練し、その上でエンターテインメントとしての理不尽さを提供できるよう努力していきたいと思います。

■投コメは読まれず、問い合わせは来ないと認識する

 悲しい話なのですが、投稿者コメントは長々と書いても読んでくださる方は僅かであり、「感想・不具合・分からない点はどうぞ自分まで」とアナウンスしていても、実際に届く数はそう多くありません。
 これを認識しておくことは大切だと痛感しました。

 たとえば、「このゲームはPCでのプレイを推奨します」という説明文なのですが、これは当初投稿者コメントの真ん中辺りに差し込んでいました。

 しかし実際には「スマホでプレイするのが難し過ぎる、これでは面白くない」という旨のコメントが少なからず寄せられており、注意書きがさして意味を成していないことが分かりました。

 結果として、『ゲームタイトル』『投稿者コメントの一番上』『タグ』の三か所にPC推奨である旨を書くことになりました。これでも読まれているのかはやや不安な部分があります。

 また上にも書いた通り、私は詰まった方向けの攻略記事を用意しており、投稿者コメントの上部にリンクを張り、記事内にはこれで分からなければ質問してほしいという意味の文章を書いていました。
 ですが、これに関してもあまり伝わっていなかったようで、読んでいただければ分かりそうな部分をゲームのコメント欄で繰り返し質問している方がおられました。

 私自身、ゲームをする前にはまず説明書を読むタイプであったため、他者にもついそれを求めてしまいがちな部分があります。
 ですが、近年はそもそも説明書など存在しないゲームも多いですし、必要な説明は大抵ゲーム内のチュートリアルで成されます。
 ですから、どうしても理解してほしいことがある場合は、ゲームの中という避け得ない状況で説明してしまった方が絶対に良いということを今回は理解しました。

 それから、少し前に挙げた原因不明のバグなのですが、その全容を理解するまでにかなり時間が掛かりました。
 コメントに「バグある」とだけ残されていたり、バグ報告で「進行不能」とだけ報告されていたりはするのですが、これでは何が起きたのか制作者側で把握することができません。
 結果として、報告の手間をかけてくださったユーザーの方が詳しく状況を教えてくださったお陰で、ようやく何が起きているのか理解することができました。

 やはり作者本人に連絡するというのはハードルの高い行為であると、私自身も思います。
 故に、これはまだ自分でできる対策があまり思い浮かばないのですが、アツマール側でより具体的な報告を受けやすいシステムを構築して下さると助かるなと思います。

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 また何か思いつけば追記するかもしれません。
 今後ゲームを作る機会が再び訪れたならば、このようなことに気を付けながら制作していきたいと思います。
 この記事が何かのお役に立つと幸いです。

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