環境法令はPDCAで順守する
環境法規順守は、企業経営にとって利益を上げる前提条件
環境法規順守は、企業が社会の要請に応えて利益を上げるために、競争に参加し続けるための最低限の資格である。
例えば、ある企業が、競合よりいち早く、太陽光発電など再生可能エネルギービジネスに参入して、温室効果ガスであるCO2削減に貢献しながら、大きな利益を上げていたとしよう。一方、フロン排出法の規制内容を知らず、設置されているエアコンから、CO2の何十倍も温室効果が高いフロンを大気中に漏らしていたら、この企業には再生可能エネルギービジネス継続の資格はないだろう。
今回は、環境法令順守のためのPDCAサイクルを紹介する。
法令順守は、Plan(計画)、Do(実施)、Check(チェック)、Action(是正)というマネジメントサイクル構成要素順に順守項目を整理すると理解しやすい。
コンプライアンスの対象となりうる環境法令は次のように分類できる。
以下、廃棄物処理法を取り上げる。
1.Plan(計画):規制が適用される要件があるかを確認する。産業廃棄物(例えば、廃棄する運搬用木材パレット)を排出しているかどうかの確認がまず必要である。
2.Do(実施):計画どおりに実施するという順守事項である。産業廃棄物を排出している事業者は、Do(実施)における順守事項「産業廃棄物の運搬又は処分」、「産業廃棄物の運搬・処分を委託する場合の措置」が適用される。
3.Check(チェック):計画の実施状況の測定、記録・保管、報告という順守事項がある。産業廃棄物を排出している事業者は「産業廃棄物管理票(マニフェスト)の記載・交付」、「産業廃棄物管理票の保管」が必要である。
4.Action(是正):緊急時への対応が、このActionに分類される。たとえば、産業廃棄物を排出している事業者が、処理を委託した業者から、マニフェストの写しの回付を受けない場合、もしくは虚偽記載のあるマニフェストを受けた場合は、一定の期間終了後30日以内に、都道府県知事に報告する義務がある。
難解な法令も、このようにPDCAごとに分類すると理解しやすくなる。
(執筆者:中産連 主席コンサルタント エネルギー管理士 梶川)
自動車部品製造業・産業機械製造業・廃棄物処理業を中心に、温室効果ガス排出量算定・削減、省エネ診断、環境法令順守コンサルティングを行っています。
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