【アプリ開発日記1週目】今どんなものを作っているのか?
おはようございます、ちゅーりんです。
noteを重ねるごとに現状についてもお話できたらと考えていますが、今回は「今何をなぜ作っているのか」について簡単に記載、続いて今週1週間の進捗についてまとめていきます。
今作っているのは「新薬のスケジュール調整」というウェブアプリ。
AIは絡んでいないですし、カレンダーなど誰でも作れるのでは。そもそもGoogleカレンダーやSlackなどで十分なのでは。
そんな疑問を踏まえつつ、開発現場について触れていきます。
なぜ開発に至ったのか?
1,なぜAIは絡んでいない?
まずAIが絡んでいない理由について、1年半前に生成AIに熱狂していた私をご存じの方は少々意外かもしれません。
ですが、ここが重要なポイントで、「AIをコアに置いたアプリは意外と無い。ビジネス用途では存在するが、それはマイクロソフトなどの大企業が全て実装するのでつまらない」。これに尽きます。
少なくとも、GPT-3が発表された2022年からローカルLLMなども含め20個ほどのアプリを実際に開発していて感じたことでした。
例えば以下、私が作成していたアプリより一部抜粋です。
他にもしゃべるPDFなど、例を上げればキリがありません。
もちろん新鮮で刺激的で面白い。
でも、当時の私はどこか物足りなかった。最初は熱中する、でもソシャゲには敵わない。
ではどうすれば足りるのか、超えるのか?
色々と試した結果出た一番の答えは、他の分野をコアに、それをAIで強化することでした。その本領が発揮されるのはAIがコアな時でなく、別のコアをAIで強化した場合なのだと。
例えば、AIありきのゲーム(会話系)よりも、既存のRPGにAIを実装(ユーザー別の物語ルート、こちらの行動によってセリフが変わる村人など)したほうが、遥かに面白くなる。
そんな私は、「医療」をコアのものを作る、時にはそれをAIで強化していく、そういうスタンスで行くことに決めました。
とは言え、AIがコアならではのものも山ほどある
その最たる例が、わかりやすく解説してくれることであったり、哲学的な問答でしょう。
プロンプトエンジニアリングの先駆者、シュンスケさんのゴールシークプロンプトや深津さんの哲学者ロワイヤルなど、お気に入りも多くあります。
今でも医学でわからないことがあると、「小学生でも分かるように例を交えて解説してください」(引用元:シュンスケさん)のように聞きますし、事業のアイデアの壁打ちの相手にもなってもらっています。何よりフィードバックの速さが尋常でなく早い。これは人間では到底できないですし、心理的ハードルも違います。
私が最もAIを使っているのは、やはりコードを書くときです。毎日課金しても使用上限まで使い切るほど。「AIは一時的なブーム」というのは人により差こそあれど全くの嘘で、文章/コードを書くときなど、サポート的に使うのであれば、AIほど強力なツールは滅多にありません。
話しているとアイデアが出てくることもありますが、ブログを書いていると考えがまとまるのと似ているものが、ここにもある気がします。
2,既存ツールで解決できるのでは
アプリ開発でアイデアを考える時、必ず通る工程が「すでに代替案が存在しないか?」という点です。
特に今回はレカネマブという新薬の投与を管理するもの。例えばExcelで共有フォルダに入れて確認したり、注意事項はメールで全員で共有すれば十分な気がします。
しかし、実際にそれらを導入した医療現場はそうではなかった。(※今回は新薬で管理方法も特殊だったからという事情が大きいです。既存薬はSlackなどで十分機能しています)
傍から見たらそんな簡単なこと、と一蹴されるかもしれませんが、そんな私も見事にハマったこともありました。上級医でも同様です。
そこで上級医からぜひ作ってほしいという話があり、私もこれはアプリがないと解決が難しいと踏んだことで開発に至りました。
今回のアプリ
まとめると、認知症の新薬スケジュールアプリです。投与する日になると、関係する医療スタッフに通知が飛びます。
以下、医療現場については個人情報が多く含まれることもあり、具体的なお話はできないことをご理解頂ければ幸いです。
このアプリですが、他にもユーザーごとのTODO確認などシンプルな機能を組み合わせたのみで、なんのひねりもありません。しかし、新規性と現場で求められている度合いは必ずしも相関しないのです。
脳地図の歴史についてご存知でしょうか。例えば「ペンフィールドの脳地図」が有名ですね。
とは言え専門的な内容なので、少なくとも私は医学部に入るまで見たことも聞いたこともありませんでした。
実はこれ、最初に発見したのは20年以上前のオフリッド・フェルスターという人だったんです。しかし、その原理に「分かりやすい上に当時話題だった小人仮説を重ねたためブームになって」ペンフィールドの方が使われるようになった。
新規性を求めがちなファーストペンギンより、一般受けした二番手の方が勝利という典型的な例ですね。
私は新規性のあるものが大好きです。今回も隙あれば「そんな考えがあったか!」なんて教授を驚かせてみたいと考えたりしています。
でも、それが必ずしもベストプラクティスではない。
悔しいですが、ごく平凡なものが実は求められてた、なんてことは珍しくありません。
もちろん新規性があり、実用的で、一般受けするよう工夫すれば大きく変わってきますが。
そのため、裏ではひっそりと別のことを進めつつも(後日記載)、今回はみんなの使いやすさを最優先して開発することに。
でも、やはりあっと驚くようなものを作ってみたい。さらに、それが面白いだけでなく数値的に治療効果が出るようなものを実装したい。
そんなものも、AIを絡めつつ現在試作しています。
おわりに
具体的な内容に触れられないのがもどかしいですが、しばらくこんな調子が続くと思います。
特に作ったものの面白さを実際に使ってもらう、ということが出来ないのが痛いところ。
それでも、進捗は引き続き報告していきます。そうしていつかそういう日々を笑える日が来れば、またプロジェクトが大きくなっていくことに対する感動を少しでも共有できたら、と考えています。
そんな、パブリックな日記帳です。
今日もお疲れ様でした!
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