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「運命」との出会い〜ヤンバルクイナ〜
この記事を見にきてくださったあなたはこの鳥を名前くらいは聞いたことがあって開いたのではないだろうか。そう、この鳥は沖縄県の北部にのみ住む日本で唯一の飛べない鳥、ヤンバルクイナだ。
私は昔からなぜか鳥という生き物に魅力を感じている。身近なカラスから海外ではアオアシカツオドリやハシビロコウまで。鳥というのはフォルムやその大空を羽ばたく姿からか引き込まれるものがあると感じている。
私のヤンバルクイナとの出会いはもはや記録などを見なくてもすらすら言えるもので2023年の2月17日の出会いが始まりだ。
大学院生時代に友人がヤンバルへ行かないかと誘ってくれて沖縄旅行がてら向かったのだ。「ヤンバル」と聞くとヤンバルクイナが勝手に紐づけられていて、それを見に行きたいと話した。まあ要はそれ以外にヤンバルという素晴らしい場所について当時の私はあまりに無知だったのだ。
ヤンバルクイナは環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類の極めて貴重な鳥だ。そうそう会えるものではないと思ったが探索をすること8時間、他の世界でヤンバルにしかいない貴重な動物たちが迎えてくれながらヤンバルクイナとの出会いを果たす。私は生き物に対しての一目惚れというのは同族であるホモ・サピエンスに対しても経験がないが、ヤンバルクイナにはしてしまったのだ。
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時はすでに午前3時、眠い目を擦っていたことなど忘れるように目が覚めた。「なんじゃこの神秘的な生き物は…!!」感動と溢れるオーラに一瞬にして飲み込まれた。25年生きてきてこれ以上に刺激的な瞬間はなかったと今でも思う。
逃げることもなく上から静かにこちらを見るクイナに釘付けだった。
私は写真撮影が趣味なのでメインターゲットであったヤンバルクイナを激写した。だいたい30分ほど観察してその場を後にした。
沖縄の生き物についてあまりに無知であったが友人に誘われ出会うことのできた沖縄島北部にのみひっそりと生息するこの鳥が私の生き物の魅力へどっぷりと浸らせた元凶にして最大の恩鳥である。
今でもやんばるへは時々赴いてヤンバルクイナに限らず色々な生き物のお世話になっている。
その話はまたどこか別の機会で話そうと思う。