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株式会社中央軒煎餅は、働きがいのある会社になる Vol.2
まさかの結果!?
私たち中央軒煎餅は、働きがいのある会社になることを目指して、2021年から「働きがいのある会社調査」(Great Place to Work Institute Japanによる)を実施しています。初年度2021年度のスコアが44%であり、その結果を受けて、7つの取り組みを実施したことを以前の記事でもお話しています。
本年1月、第2回目の調査結果が公表されました。上述の7つの取り組み以外にも様々な改善を1年間かけて取り組んできました。
その結果はいかに。ドキドキしながらレポートに目をむけました。
結果は、、、
43%!?
全設問平均スコアは1ポイントダウン。
ガーン。この数字を見たその瞬間は、正直ショックでした。あれだけ色々と実行したのに、結果が改善するどころか1ポイントですが、悪化するとは、、、。
もちろんそんなに簡単に劇的な変化が起きると期待していたわけではありません。ただ、雰囲気は日々良くなっているという感覚もあり、そことのギャップも含め、なんで?という感情が湧いてきました。
でも、細かくレポートを読み、分析をしていくとその感情は次第に変化していきました。
今回の調査結果には2つの特徴があります。
一つは、回答率。
もう一つが、ロケーション別の結果です。
回答率は大幅にアップ!
一つ目の回答率ですが、前回は61%。そして今回は78%。前回より35名多くの方が調査に協力してくれました。前回よりも多くの人が、働きやすく、やりがいのある職場になっていくことに興味と関心を持っているということです。
私たちが目指す、真に働きがいのある会社になるためには、会社で働く一人ひとりが働きやすさとやりがいを求め、自分自身も行動を起こすことが必要です。興味と関心を持つことは、その第一歩だと思います。ですのでこの回答数と回答率がアップしていることを嬉しく思います。
生産と本社では、実は約5%の改善
二つ目のロケーション別の結果ですが、生産、販売、本社の3つのロケーションごとの結果を見ると、生産は4%アップ、本社は5%アップ、販売が5%ダウンとなっています。ですので、全社平均では1%ダウンとなっていましたが、ロケーションによっては結果が良くなっている。部分的には改善が見られるということです。
この結果には少しほっとしました。スコアが下がってしまったロケーションもあるので、決して大喜びはできないですが、それでも良い点にも目を向け、素直に喜んでもいいのではないかなと私は思います。
もう少しだけロケーションごとに起きた変化について触れると、
①生産:工場主体で連帯感が大幅に改善
生産においては、仲間意識や親密さに係るスコアが約10%改善しています。
これは数年間かけて進めてきたジョブローテーションの効果により、工場内のグループや班を越えて、業務理解が進み、関わりが増えたこと、そして人手が必要な時にグループや班を越えた助け合いができていることによる改善だと思います。
また、班ごとに自分たちはチームとして何を大切にしたいのかを話し合いの上で決め、メンバー同士の関係性を大事にしていることもこの結果に繋がっているのではないかなと思います。これらは全て工場のメンバーが主体となって進めてきた取り組みです。
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②本社:着実に対策効果も!
本社においては、労働環境や休暇、ライフワークバランスなどの会社からの従業員に対する配慮に係るスコアが10%以上改善しています。
また、従業員の提案や意見の機会と意思決定への参画も10%以上アップしています。
これはまさに、第一回目の調査結果を受けて取り組んだ対策の効果を証明する結果です。「やってきたことは間違いではなかった」、「本社の皆さんにはちゃんと届いているんだ」、と安堵の想いです。
③販売:課題は対話
第一回目の調査で最も平均スコアが高かったのが販売でした。販売においては、「正当な扱いを受けているか」、「会社からの配慮は十分か」、という点で前回同様高いスコアでした。
一方、会社に対する誇りや愛着においてスコアがダウン。また経営・管理職層とのコミュニケーションにおいては約10%ダウンしてしまいました。販売スタッフはそれぞれの店舗で日々勤務しています。デジタル・ツールの導入により、店舗と本社の情報のやりとりは効率化されています。一方で、対話の機会にまだまだ課題があると感じました。
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3つの改善アクション
さて、この第二回目の調査結果を受けて、以下のアクションを本年度実行しています。
①ボトムアップ型の目標設定
本年度からは経営目標の設定プロセスをこれまでと180度変更することにしました。
これまでの目標設定プロセスでは、取締役会において経営目標を決定し、各部門、そして個人へと目標を展開していました。
それを本年度からは、職場における個人の喜びや理想について部署内のチームで話し合うことからスタートして、それを各部門でまとめ、定量化し、取締役会においてそのうちのどれを全社の経営目標とするか決めることにしました。
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「なぜ私たちは働くのか?」
「喜びや幸せのある職場とはどのようなものか?」
「利益や売上以外に目標となるものは何があるのか?」
このような問いに対して、グループワークの中で、話し合い、答えを見つけて行きました。
自分たちの職場をどのようにして行きたいのか?
その理想に向かうための目標はどのようなものであればよいのか?
を従業員一人ひとりが考え、自分たち自身で目標にし、それを目指して行けないだろうかと考えています。
このボトムアップ型の目標設定を今回実施したことで、働きがいを高めることが、会社の数値上の目標という捉え方から、実際に自分たちが望んでいる職場環境であり、仕事のやりがいそのものなのだ、と認識を新たにした人も少なからずいたと感じています。
誰かが決めた理想や目標ではなく、自分たちが望む理想と自分たちが決めた目標に向かって、一人ひとりがより良くしていく会社でありたいなと思います。そういう会社であれば、働きがいは結果的に自然と高まってくると思います。
グループワークを通して、働きがいの中でも、「評価されること・認められること」、「助け合える関係性であること」、「余裕があること」の3つが、最も大事にしたい、部門を越えた共通の願いであるとの認識を共有することが今回できました。
本年度は、部門ごと、そしてその部門の中の個人が、自分たちにできる改善アクションを起こせていけたら最高です。
②制度づくり
一方で、部門や個人では対応できない課題に対しては、会社として改善します。
現時点では、表彰制度の新設と人事評価制度の改定に着手しています。この2つは、調査の中で具体的な改善要望として多く挙げられたものです。それぞれの制度の詳細に関してここでは触れませんが、「評価されること・認められること」の改善になることを期待しています。
③まずは経営層のマインドとコミュニケーションから
もう一つ本年度から取り組み始めたこととして、私を含めた5人の役員全員がそれぞれコーチングを受け始めました。これにより、私たち役員のマインドセットとコミュニケーションの改善を目指しています。
調査結果から、経営・管理職層とのコミュニケーションや協働に対する不満が明らかになっています。昨年、意思決定プロセスの改善を行い、一部効果は出ているものの、従業員の皆さんの希望はもっと高いところにあります。
そこで根本的かつ本質的な改善を図るために、まず経営層がコーチングを受けることを決めました。
役員一人ひとりが、自己認識を高め、自分ができていないことを受け入れること。
自分のバイアスに気づき、バイアスを持たないで意見を受け止めること。
メンバーの可能性を信じて一番の支援者になること。
このようなマインドセットを手に入れるとともに、傾聴や承認などのコミュニケーション・スキルを身に着けることで、まずは一番身近で、直接関りの深いメンバーとのコミュニケーションの質と量を向上させ、より深い関係性を築いていきます。
そして、各役員が、「対話を通じて気づきを与え、自発的な行動を促し、目標達成や課題解決を支援するコミュニケーション」である、コーチングを提供できるようになることで、部内でのコミュニケーションを活発化し、最終的には全社レベルで風通しの良い組織文化を構築することを目指します。
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最後に
今回の結果は正直、前回以上に残念なものでした。ですが、結果は結果として真摯に受け止めます。
ただ、この結果を受けて、役員チームの意志は揺らいでいないどころか、働きがいのある会社にしたいという想いは一段と強くなったと感じています。役員会での意思決定においては、常に「働きがいに繋がるのか?」の観点で明示的に議論されるようになりました。進んでいる方向は間違っていないという確信があります。もう少し時間はかかるのかもしれませんが、中央軒煎餅で働く仲間全員で、働きがいのある会社を目指していきます。
代表取締役 山田 宗