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きっと、うまくいく(3 idiots)

最初にご紹介するのが「きっと、うまくいく」。日本で最も有名なインド映画の一つで、主演はいくつものヒット作品を世に送り出しているボリウッド界の大スター"アーミル・カーン"。ヒロインは同じくインドの大女優"カリーナ・カプール"が務めた。

あらすじ

ある日、ファルハーンとラジュの元に行方不明になったランチョーが街に戻ってきたとの連絡が。3人はインド有数のエリートが集うインペリアルカレッジオブエンジニアリング(通称ICE)時代のルームメートで、ランチョーは10年前の卒業式の日に突然姿を消したのだった。ランチョーに何があったのか。この3人のICEでの出会いから卒業するまでの「10年前」とランチョーを探しにいく「現在」の2つの物語が同時進行で進んでいく。

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インドの競争社会

まず印象的なのはランチョー、ファルハーン、ラジュの個性豊かな3バカトリオ。ランチョーは枠にハマらない陽気で破天荒な主人公。ファルハーンはエンジニア専攻だが写真が大好き。そしてラジュは貧しい家庭の出身で失敗を恐れていつも怯えている。

ご存知の通りインドは厳しい格差、競争社会。生まれながらにしてカーストは決まっており選択できる職業もそのカーストによって異なる。一方IT業界は新しく生まれた産業であらゆるカーストに開かれており、エンジニアリングを修了してアメリカやヨーロッパ等の先進国でエンジニアとして働くことで高い収入を望める。そのため多くの両親が子供にエンジニアになって欲しいと願っている。ICEはインドでも超エリートのみが入学を許されたエンジニアリングの名門校で、ファルハーンやラジュは大きな家族の期待を背負ってデリーにやってきた。

当たり前を疑う

一方ランチョーは少し他の生徒と異なっている。他の生徒が無事に卒業して立派なエンジニアになるために教授らの教えに従順なのに対し、校内で絶対的な権力をもつ古風な教授(通称"ウィルス")にも恐れずにおかしいと思ったことを問いかけていく。「学ぶ」ということがどういうことなのか。それはただ教科書を丸暗記することなのか。ランチョーがウィルスや教授にぶつけていく疑問にはとても考えさせられる。

ランチョーの疑問は大学での学問のみにとどまらない。ヒロインのピアとボーイフレンドの関係性、職業選択や人生の目標とすることなど様々な常識、当たり前と呼ばれていることに対して問いかけていく。我々も意識せずに何となく当たり前と呼ばれることを無抵抗に受け入れ続けているかもしれない。この映画を鑑賞する全ての人がランチョーの質問にドキッとするだろう。

最後に私の個人的にお気に入りのランチョーのセリフを引用したい。

Pursue excellence and success will chase you.
自分の武器を極めなさい。そうすれば成功は付いてくる。

人々は目先の成功に一生懸命ではあるが、もっと自分のやりたいことに素直になれば「きっと、うまくいく」と。

予告編リンク


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