加湿器肺はKL-6が上がらない❗
加湿器肺とは加湿器の水に発生したカビや細菌、エンドトキシンなどを吸い込む事により発症する過敏性肺炎(アレルギー性肺炎)の1つです。一般的に過敏性肺炎はKL-6が上昇すると言われています。
しかし時は2017年、先輩から加湿器肺の症例を報告してと言われて、学会発表をしました。
典型的な症例であったため考察に困ったため、過去の症例を片っ端から集めてみたんです。そしたら、ほとんどの症例でKL-6が正常~軽度高値だったのです。
これは大発見だと論文化を、、、なかなか進めず、、、やっと2021年にRespirologyに掲載していただきました。
さて、論文の中身ですが、7例の加湿器肺と26例の夏型過敏性肺炎を比べました。
加湿器肺ではKL-6が低く(median 316 U/mL vs median 1690 U/mL, p<0.001)、組織所見で肉芽腫が少ない(0% vs 56.3%, p=0.045)という特徴を示しました。
その他にも夏型HPに比べ、CRP、CD4/8が高く、発症までの期間が短いといった傾向がありました。
ROC曲線を用いてカットオフ値を検出したところ、KL-6<674 U/mLが加湿器肺の診断に対し、感度85.7%、特異度95.7%、Odds比83.4と有用でした。
当論文は過敏性肺炎診療指針2022にも引用していただいています。
ちなみに2021年にコロナ禍で加湿器の販売台数が急増した事で加湿器肺の症例が増えたという報告もしてます。
Increase in humidifier lung cases owing to coronavirus disease 2019
加湿器はこまめな掃除と水の入れ替えを‼️