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胸水ADA≧40IU/Lでも油断しちゃダメ
胸水中の高いADA値は結核性胸膜炎の診断に有用であり、40IU/L以上をカットオフ値にする事が多いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1668316915281-XdD3vGuX0P.jpg?width=1200)
過去の文献ではADA≥40は結核性胸膜炎の診断に対し、感度92%、特異度90%と言われています。
これだけ見ればまぁADA≥40だったらほぼ結核でしょとなりますが、実際にはADAが高くても結核じゃなかったという経験をしますよね?
じゃあ実際に結核の割合はどのくらいで、その他の疾患は何があって、鑑別に有用なデータはあるのかを調べてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1668317012293-VXGmZP07gb.png?width=1200)
胸水検査を行った症例のうち、ADA≥40を示した456例を検討しました。
そのうち203例が結核性胸膜炎であり、55.5%は結核ではない疾患(細菌性胸水、悪性疾患、NTM、ML、自己免疫疾患、その他)でした。
疾患毎に比較し、診断に役立つ予測因子が↓のように明らかになりました。
・結核性胸膜炎の診断に対し、
胸水LDH<825 IU/L(odds ratio 12.9)
胸水LDH/ADA<26(odds ratio 4.44)
・細菌性胸膜炎/膿胸に対し、
胸水好中球優位or細胞変性(odds ratio 44.6)
・悪性疾患に伴う胸水に対し、
胸水ADA/TP<14(odds ratio 13.3)
悪性リンパ腫に対する胸水に対し、
血清LDH≥315 IU/L(odds ratio 31.7)
などなど
これらの指標を使用して結核性胸膜炎の診断に対するフローチャートをDicision treeを用いて作成しました。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88285765/picture_pc_17b29ec415c529321f4979623c54ef32.jpg?width=1200)
結核診断に対し、診断精度80.9%、感度78.8%、特異度82.9%でした。
どうですか、コレ!めちゃくちゃ使えませんか!?
ちなみにこちらは論文内にはないお手製のフローチャートです。(Dicision treeを使ってませんでの参考です)
![](https://assets.st-note.com/img/1668317668011-ZNEOWJbJtk.png?width=1200)
めっちゃ複雑ですが、診断精度74.3%でした。