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他人に我慢を強要しないために自分も我慢しないようにする

今回は、「職場での働き方」に焦点を当てて、「我慢するしない」について書きます。

それを考えるきっかけになったのは、為末大さんの記事と、それに続く野本響子さんの記事(こちらは有料)です。

為末大さんの書く「我慢しない」を自分の職場と自分の働き方に落としこんで考えてみました。

野本さんの書いているマレーシアと同じように、ベトナムでも似たことがあります。

わたしの同僚によく歌う人がいます。
もう、その人が歌ってるのは周りのメンバーにとって日常の風景で、「今日も●●さんが元気でよかった」という温かい眼差しです。

鼻歌で「フフフ~ン♪」みたいなのを通り越して、急に「エンダァァァァ~イヤァァァァ~」ではじまったときもありました。よっぽどテンションが上がったんでしょうね。


その人に限らず、オフィスの中でのおしゃべりは多いですし、昼ごはんのあとのお昼タイムはマットを床に敷いて寝る人も多いです。2時3時ころになるとだれかがキッチンでフルーツをカットして、みんなに振る舞ってくれたり、タピオカミルクティーをデリバリーするからといってメニュー表が回ってきたりします。

仕事現場に、ネットショッピングで買った服だの靴だの(もちろん仕事関係ない)が届くこともあります。わたしの職場では稀ですが、保育園が休みだからということで、オフィス中を子どもたちが走り回ってるもともありました。

服装もかなり自由で、今晩どこでパーティーがあるんだろう?というくらい可愛いワンピースの女性もいれば、キャラクターもののティーシャツ姿の人もいます。メイクや、ネイルや、ヘアスタイルや、髭もとくにうるさくいわれないです。

どれも、最初はびっくりしましたが、ベトナム人同士は気にしていないようですし、そういうもんなんだろうと今では受け入れています。

自分も、仕事中でもよほど眠いときは仮眠をとりに行ったり、お腹がすいてしかたないときは近くの屋台で何か買ってきて食べたりするようになりました。服も教師として清潔感を保つだろうという範囲で、自由に楽しんでいます。


日本で会社員としてデスクワークをしていたときは、オフィスはしんとするほどじゃないですが、雑談はあまりできない雰囲気でした。(してると小言を言う人に目をつけられる)

休み時間は昼の1時間だけで、それもシステム管理されているのでちょっと遅く戻るだけで注意されます。どれだけ眠くても働かないといけないので、トイレで5分だけ寝たり、資料を探すふりをしてキャビネットにもたれて寝たりしていました。

いま考えてもばかばかしい話ですが、オフィスでは楽なようにペタッとしたナースサンダルのようなものに履き替えていたのですが、その中に5本指ソックスを履いていただけで先輩社員から陰口を言われてました。

わたしは計算ミスが許されない業務内容で、お客さんと会うこともない仕事だったので、そのような就業規則あるいは暗黙のルールがある理由がまったく理解できませんでした。

眠いまま何度チェックしても間違えるだけだし、一日中デスクワークしないといけないのだからせめて身につけるものだけでもリラックスできるようにしたいです。オフィスカジュアルな服装でパンプス履いて8時間、プラス通勤する不快感といったら。


それを思い出すと、ベトナム人たちの働き方のほうが自分には合っています。

静かにしないといけない空間に、1日8時間もガチガチに拘束されるよりは、疲れたときにちょっと息抜きしたほうが、トータルで生産性があがると思うのですよね。


しかし、ベトナム人たちの働くオフィスで仕事をする中にも問題があります。
中でも一番大きいものが、にぎやか過ぎて集中できないこと。

先ほどの歌う同僚の話ですが、その人はムードメーカーで、その人がいてくれるおかげで職場の雰囲気が良くなり、結果チームが明るく結束力のあるチームができています。その点は自分にはできないことだし、すごく良い面です。

他方、自分が集中して考え事をしたり、細かい入力作業をしているときに、急に歌やおしゃべりがはじまると思考や集中が断たれます。これにはけっこう困ります。もともと自分は騒音が気になる方なので、周りがうるさいのは好きじゃありません。

しかし、そのとき自分が集中したいがために「静かにして」と言ってしまうのは、そのときわいわいしたい人たちに我慢を強いることになります。それに作業や考え事は静かにしたいですが、メンバーとのおしゃべりや交流の時間はもちろん大切にしています。

かと言って、うるさい中で自分が我慢しようとすれば、仕事の生産性もクオリティも下がりますし、集中できないイライラを溜めてそれが周りへの不満につながってしまいます。


他人にも我慢させないで、自分も我慢しない。
その方法が必要でした。そこで、

うるさくなってきたときは空いてる別室に移動する。ややこしい仕事は自宅で終わらせてから午後からオフィスに出る。などのやり方で、自分の作業スペースと時間を確保するようにしました。

みんながいるオフィス内では、多少がやがやしていても話しかけられたりしてもできる作業だけするようにして、雑談にも自分から参加してメンバーとの人間関係を良くするための時間だと割りきるようにしました。

そんなふうに自分で働き方をカスタマイズできるようになってから、仕事がはかどるようになりましたし、以前よりチームメンバーのことが個性も含めて好きになりました。


このようなことをするのには、固定のデスクに貼り付いてなくてもいいという自由や、仕事をする場所と時間の柔軟性が必要です。わたしの場合は小さいチームでやってるので、融通がききやすいという背景があります。

「サボってるかもしれないじゃないか」「管理はどうするんだ」という議論を脇によけたいですけど、それが日本のガチガチしたルールの元になってるように思います。チームや会社が大きければ大きいほど、ルールが細かくなるのも仕方ないかもしれません。

ですが。サボる人もいるかもしれないけど、やる気がある人の自由を確保して、小さいことには目をつぶってはどうでしょう。工場の仕事が主だった時代と、現代では仕事の内容も求められる能力や成果も変わったことは野本さんの記事の通りです。


より良い結果のために、お互いに我慢しなくて済む方法を考えてみる。
どうしてもお互いの都合が悪いときは、少しずつ譲り合う。

それを考えるのに。話し合うのに。時間や労力がかかるかもしれません。しかし、それは払う価値があるんじゃないでしょうか。

そんなことを、明るく楽しげなベトナム人の同僚たちを見ながら思うのです。

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今日の見出し写真は、とあるカフェです。

コーヒーカップが座席になっていてかわいいです。

ところで、ベトナムでは午後の路上カフェやローカルのオープンなカフェでワイシャツ姿の男性たちがコーヒー飲みながらわいわいしゃべっているのをよく見ます。

何をしてるのか未だに謎です。



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