郷に従うか、郷が受けいれるか#ベトナム
日本語を教えない日本語教師のChuncoです。
各学校は授業が始まり、近くにある中学校からは休み時間のたびに子供たちの声が響いてきます。もともと若者の多い街なので、若者たちの活気が戻って元気が出てきます。
大学や日本語学校も開始しているようですが、わたしはそもそも1週間に数コマの会話授業しかあてがわれていないため、ほとんど授業をしていません。それ以外に何をしているかというと、教材開発のアドバイスだったり、実際に問題を作ったり、ネイティブスピーカーとして教材の音声を担当したりしています。小学校が始まったため、家庭教師役は晴れて終了し、今はデスクワークばかりです。
ここには社長と自分以外は日本人がいないため、自然、日本語の意味がわからないとか、日本文化についての質問はわたしのところに集中します。日本語の違いについて説明するのは問題ないですが、マナーや文化についてのことは正直わたしも知らないようなこともあります。
たとえば「本締め」「一本締め」「一丁締め」の違い
・本締めは宴会の終わりの締め
・一本締めは手拍子3回×3+1
・一丁締めは手拍子1回
質問されたとき、わたしは一本締めが三本締めのやり方で、一本締めが一丁締めのやり方だと思いましたが調べたら違ってました…。言葉を知らなくても、その場の雰囲気に合わせたらいいんだもの。
正直、外国人が日本語を勉強してくれるだけでもすごいのだから、締めのやり方がわからなくて怒られる理由も恥ずかしがる必要もないと思います。むしろ、もっとそれ以前に日本で問題になりそうなマナーがたくさんあります。たとえば…
ベトナム人のびっくりマナー①鼻をほじる
これは衝撃的すぎました。授業中に学生を見ると、ほじほじ…。すごくかわいい女の子も、ほじほじ……残念!まあ、大気汚染が深刻なので、鼻の中が汚れるのはわかるんだけどね…。せめて目があってるときはやめてくれない?
ベトナム人のびっくりマナー②事務所でヌックマム
ヌックマムはナンプラーと同じようなもので、魚醤です。かなり強い匂いがします。ベトナム人は常に何か食べていて、休憩時間じゃなくても事務所で軽食をとったりします。パンとかお菓子なんてかわいいものじゃなく、箸でがっつり食べるのですが、だいたいベトナム料理にはヌックマムが使われるので、事務所内に匂いが充満して、食べてることがもろばれ。ばれるというか、隠す気はないです。ついでにニンニク、ニラも大量に使いますし、朝でも昼でも食べます。スタミナラーメン食べたいけど、明日はデートだし…なんて心配はここでは一ミリもありません。
ベトナム人のびっくりマナー③突然爪を切るorものすごく伸ばす
なぜ、爪切りを持っているのかというところから謎ですが、仕事中でも授業中でも、おもむろに爪を切り出します。これもベトナムの気候を考えると暑くて代謝が早く爪が伸びやすいという点を考慮したとして…家で切りなさいよ。それとは反対に、男性でときどきあるのが、小指の爪だけめちゃくちゃ長い人。これは①との関係なのか…未だに謎です。
学生たちには機会があるたびに、ベトナムの普通と日本の普通は違うのだから日本ではマナーに気をつけてと注意しますが、他人にどう思われようがあまり気にしないのがベトナム流。日本へ働きに行って、周りをびっくりさせている人がたくさんいるんだろうなと思いますが、一方で日本人こそもう少し寛容になってもいいのかもしれません。
わたしは自分が外国に来た身なので「郷に入っては郷に従え」の精神で「まあそんなもんか」と受けいれてきましたが、日本でだけ住んで仕事をしていたらいくら海外旅行好きでも許容しきれない部分もあったかもしれません。日本で働く外国人人材が増えていますが、外国人を受け入れる側の日本人たちはどういうふうに対応していっているのかな、というところは興味深いです。
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今日の見出し写真は日本ではあまり有名じゃないベトナム料理、Bun Dau Mam Tom(ブンダウマムトム)です。マムトムというのがヌックマム以上にクセのある、小エビを発酵させたソースです。写真の手前にある紫色のがそれです。ブン(ビーフン)やダウフー(豆腐というか揚げ)にこのマムトムをつけて食べます。わたしはけっこう好きなのですが、ベトナム人でも苦手な人がいるくらい匂いが強いです。ベトナムに来たら、ぜひ食べてみてください。これが食べらたら、立派なベトナム人として認められます(笑)