日本に輸入したいベトナム文化#ベトナム
ベトナムに住んで4年。ここでの生活はカルチャーショックの連続でしたが、「日本へ帰りたい!」「こんな国はイヤだ!」と思ったことは一度もありません。最近では「なんだかんだで日本より住みやすいな~」とまで思えます。そこで今回は私がベトナム生活で、とてもいい!と思ったことを紹介します。もしかするとホーチミン市だけ、わたしの周りだけ、といったローカルルールもあるかもしれませんがご了承ください。
その1:いきなりフルーツパーティー
ベトナムはフルーツ天国です。南国なので、日本ではなかなか手には入らないフルーツが安価で手に入ります。安価どころか、ベトナム人スタッフや学生が田舎のお土産などといって、何かとフルーツをくれるので自分で買うことも少ないです。
それでなぜフルーツパーティーかと言うと、職場ではしょっちゅうだれがフルーツを切って振る舞ってくれるからです。
お皿にカットフルーツを山盛りにして、「学生の○○さんがくれたマンゴーですよ~」「わたしの田舎のドラゴンフルーツ、みなさん食べて~」という感じです。
フルーツが運びこまれてくるとみんながそこへ集まってちょっとした休憩タイムになり、おしゃべりしてリラックスできます。日本人にとって見慣れない果物の食べ方を教えてもらうのもいい社内交流になります。
日本でも旅行のお土産を配るといったことはありますが、みんなが集まってわいわいとするのはさすがにないですよね。最初は事務所にフルーツ!?とびっくりしましたが、今ではこの緩さが楽しく仕事をするのには大切だなと思えます。
なお、この派生バージョンとして「いきなりミルクティーパーティー」というのも私の職場では多いです。これは、だれかの機嫌がいいとか、何かお祝い事があるとき、あるいは罰ゲームなどでタピオカミルクティーを振る舞ってくれるというものです。ただし、何かと理由を作ってはスタッフが上司にねだって、自腹を切らされるパターンもあり、役職持ちの人はちょっとかわいそうです。
その2:お昼寝タイム
ベトナム人のお昼寝タイムは机にうつ伏せて…なんてかわいいものじゃありません。ベトナム企業では事務所の電気を消し、机の下にマットを敷いて寝ます。寝る時間は20分程ですが、来客用のソファーでも、いすをくっつけた簡易ベッドでも、とにかく横になれるスペースを作ります。
わたしの学校は日系なのでマットを敷く人はいませんが、教室のいすを並べて寝ていることはよくあります。わたしも眠さや疲れがピークのときには15分~20分くらい横になりますが、とてもスッキリと回復します。
ベトナム人はとても早起きで、夜も遅い時間まで活動しています。なので途中で、とくに日中の暑い時間に昼寝をしてやり過ごすのは土地の生活に合っているのだと思います。
ホーチミン市のローカル市場にいくと、商品の山の隙間に挟まって寝ている店員の姿が見られますし、道ではバイクのシートに器用に寝転ぶバイクタクシーの運転手もたくさんいます。
働きすぎと言われる日本人なので、ベトナム人のように大胆に休むことも必要かもしれません。
その3:とってもレディーファースト
ベトナムのバレンタインデーは恋人同士で男性が女性にプレゼントをあげます。ホワイトデーはというと、認知度が低い上にお礼の日でもなく、また男性から女性にプレゼントします。そして3月と10月には女性の日があり、この日は恋人だけでなく職場でも男性は女性にお菓子や花をあげます。もし上司が部下の女性に何もしなかったら嫌われて言うことを聞いてもらえなくなります。クリスマスは言わずもがな。彼女の誕生日を忘れるなんてこと許されません。
お祝い事だけではありません。男性がいるのに女性が重い物を持つのは考えられないし、デートのお金はもちろん彼氏負担、女の子達はオシャレなフォトスポットでかわいくポージングして彼はさまざまなアングルから必死に写真を撮っています。結婚しても、家事や子育ては夫婦二人の生活だと考えていますし、(このあたりは都市部の若者と田舎の大人との間でかなり違いますが…)自分の奥さんの写真を携帯の待ち受けにしている愛妻家の多いこと。
ベトナム人男性が日本人女性とつきあいたい理由は「やさしくて尽くしてくれる」からだそうですが、この背景を考えると納得ですね。
ここまでしてほしいだなんて贅沢は言いませんが、心から女性に優しくできる点は日本人男性にも持ってもらいたいなと思います。
なお、ベトナム人の女の子達に「そこまでしてもらって女性は男性に何をしてあげるの?」と聞いてみたところ、「いっしょにいてあげる」「かわいい(ニコ)」と返ってきました。このすばらしい自己肯定感も、女性が大切にされることで養われたのかもしれません。そう考えると、自己肯定感が低くて、ともすれば自虐的になりやすい日本人女性もまたベトナム人女性のポジティブさを見習ったほうがいいかもしれません。
以上、わたしの独断と偏見によるベトナムのいいところをご紹介しました。きっと、旅行だけではわからないことだと思うので、ベトナムで働こうと思っている方はぜひ参考にしてくださいませ。