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東京喰種の話題を投げたらベトナム人へのリスペクトがあふれ出た話

ベトナムのホーチミンシティに住む日本語教師が、ベトナムの生活や日本語教育の中での出来事•関心事を書いているnoteです。
ベトナム人と日本人の言語交流会も運営。

毎週の交流会での話。

話題がとぎれたところで、「最近『東京喰種』のアニメを見はじめた」と、話題提供してみた。

すかさず返ってきたのが
「なんで今!?」
「けっこう昔のですよね」
「5年くらい前?」

ーーー反応いいなぁ~

彼らはアニメやマンガに詳しい。
わたしも、まあまあ見るけど、彼らはそれ以上に見ている。
20代で若いというということもあるけど、ベトナムではネットで無料で見る方法がいくらでもあるので、興味があれば何でもすぐに見るらしい。

しかし、東京喰種とは参加者3人中3人が見てるような作品だろうか。見る人を選ぶ気がするのだけど。


「先生、どこまで見たの?アニメとマンガは話が違うよ」
「高校生のとき、試験期間なのに見るのやめられなかった…懐かしいなぁ」
「シーズン1まで見て続きは見てないんです」

ーーーこの話題に思った以上の食い付き(笑)

「今、カネキの頭が白くなったところまで見たよ。次から√A」で話が通じる。
日本人の友達でこれが通じる人、何人いるかな


そこから、話は広がって
「今は『王様ランキング』がおもしろい。子どもっぽい絵だけど、中身は深い」
「『古見さんは、コミュ症です』はマンガがドラマになってるよ」
と、おすすめ作品の話題に。
しかし、わたしこそ新作情報についていっていない。
だから、そこからは、わたしはただ聞くだけ。


ふと我に返る

わたし以上にアニメにくわしくて
自分の好きなアニメについて語る

ーーーこの人たち、日本語話してるベトナム人なんだよなぁ…


ベトナムでは日本のアニメやマンガが人気なので、翻訳したりベトナム語の字幕つきが出回ってる。
とは言え、全部がそうというわけでもないし、翻訳のクオリティがいまいちの場合も多いらしく、けっきょく自分の目や耳で日本語を理解しているらしい。
まずはその受容能力高さ。

そして、好きな作品について話すために話題をリードして、予備知識のない相手に伝わるように説明できる。
その産出能力の高さ。


その場で、みんなはわたしのことを「先生」と呼ぶ。わたしの職業が日本語教師なので「先生」なのはまちがいないのだが。
まちがいではないが、畏れ多い。と思う

その場で、わたしの役割はただの参加者。
ただ、その場に鎮座して好きなアニメについて楽しくおしゃべりしているのだ。

おもしろそうな話題がかってに降ってきて、なんかしらんがかってにワイキャイ話してるのを、眺めて楽しめばよいのだ。

しかも自分にとっての母語(日本語)で。
何もしてない。ラクしかしてない


ーーーすごいなぁ

純粋に、そう思った。

言語はコミュニケーションのツールなのだと。
当たり前のことなのだけど。

勉強のための言語学習、じゃなくて。
話したい(話を聞きたい)相手がいて、伝えたい(知りたい)ことがあり、それを実現するために言語があると。

そんなことをしみじみと感じて、みんなを尊敬しちゃった。
そんな話。


(見出し画像引用元:石田スイ / Twitter

ちなみに東京喰種は今さらドはまり
この話のあと『re:』までアニメ全部見た上に、けっきょくコミックも大人買いしちゃった





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Chunco
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