日本語教師|広くて狭い世界に飛び出した
中国で日本語教師をされている、くまてつさん@中国さんのnoteを拝見していて、「ああ、よくわかるなぁ」、と思いました。
こういうことはわたしもよくあるんですが、さらに言えば、日本人がよく行く場所が似かよっているので、街中で知り合いにばったり会うこともけっこうあります。
ホーチミン市の日本人人口は約11,500人となっていました。(2019年JETROの発表)くまてつさん@中国さんの市は数千人とのことだったので、それより多いようです。そんなに日本人がいて、わたしが顔を知ってる日本人はたぶん60人くらいです。100人もいないです。それなのに、けっこう会うんですよね。
ホーチミン市はいくつかの区に分かれていて、日本人が多い区もばらけています。なので、遠い区に住んでる人とは生活圏がぜんぜん違いますが、同じ区内や近い区の人同士は狭いエリアに集中する感じになっています。
また、日本人と日本語学習者や、日本語学習者同士もどこかしらで、友達の友達が友達ということもよくあります。
別々の学校で日本語を勉強したベトナム人同士も会話クラブや交流イベントなどでつながっていくようです。
とある日本人が「日本語が上手なおもしろいベトナム人と知り合った」と言っていたので、話を聞いてみると、元教え子(ベトナム人)だったり。
むかしの職場で教えていた学生(ベトナム人)と、今の会社のスタッフ(ベトナム人)とが知り合いだったり。
加えて、日本語教師という職業も、学会や教師会などを通じて横のつながりができていきます。教師の募集があれば、求人が出てなくても声をかけられるとかもあります。
なお、ベトナムの日本語学習者人口は約17万人、日本語教師は約7,000人とのことでした。(2018年の国際交流基金の調査結果ですがホーチミン単体はわかりませんでした)
わたしが今まで関わった学習者は500人といったところです。ホーチミンの日本人人口といい、この数字が多いのか少ないのかよくわからないですけど…。
「日本」に関するをキーワードをもとにすれば、わりとかんたんに知り合いを増やせる、というのは実感としてまちがってないと思います。
どこでだれとつながるかわからないので、ひとつの失敗•やらかしが命取りになる可能性はもちろんあります。わたしもSNS(このnoteも)には注意をはらわないといけないです。
何かあればあっという間にうわさが広まります。わたしの周りだけかもしれませんが、日本人もベトナム人も同じようにうわさ話が大好きです。
規模の小さいはなしですが…。わたしは、休日に同僚の男性と食事に出かけのを学生に目撃されていて、わたしの知らぬ間に付きあっていることになっていたことがありました(笑)
こういったことは、しがらみだらけの人間関係にイヤ気がさして日本を飛び出した、という人にとっては耐え難いかもしれません。
でも、よほどベトナム語が堪能で、ベトナムの文化を知り尽くしていないと、日本人との関係を切って生き続けるのは難しいと思うのですよね。それに、けっきょくベトナム人との関係を持たなければ生きていけないから、どちらかを選ぶことになるだけじゃないかと思うわけです。
わたしが身を置いている環境は、ムラ社会のイメージに近いような気がします。顔が見える相手との相互扶助の関係。
コロナ下では、たくさん知り合いがいて、心強かったですし、助けられました。ちょうどよくつき合えば困ったときに助け合える相手ができるけど、近づきすぎると狭くて身動きしづらい監視社会みたいになるかもしれません。
外国で日本人として働くということは、広い世界に出ていくことでもあるし、日本人•日本語のコミュニティに入って世界が収縮していくことでもあると感じています。
***
今日の見出し写真は、Đà Lạt(ダラット)という観光地の滝です。
Đà Lạtはホーチミンから長距離バスで6時間ほどの高原地帯です。フランス植民地時代に避暑地として開発された背景から、ヨーロピアンな雰囲気が感じられます。
海のリゾート地よりも、涼しくて静かで観光客も多すぎないので、おすすめの旅行スポットです。