五感で生きる#ベトナム
ベトナムなんかに住んで大丈夫?
日本で、ベトナムに住んでいると話すとたいがいこう聞かれます。
たしかに、ホーチミン市はバイクや車の交通量が多くて交通事故も多いですし、大気汚染のレベルでもランキング上位に入っていて気管支や肺がかなり心配です。もちろん衛生面でも食の安全性も信用できないことが多いです。1年に1回くらいはとんでもない食あたりにあって、2キロくらい痩せますし…。
教師なのに声がまったく出なくなる風邪にかかって、代行を頼まなければならないときもあります。
それから、電線から漏電して感電死とか、エレベーターの故障で転落死とか、日本のニュースで聞いたことがないような事故も耳に入ってきます。
でもそれって普通じゃない?
日本にいたって交通事故には気をつけなければならないし、夜道に一人歩きしない方がいいのだし、不摂生したら病気になるのはあたりまえですよね。
私は花粉症が酷くて2月~4月頃はいつも辛い思いをしていました。ホーチミンでは花粉症にはならなくて、そのかわりに大気汚染に注意しておかなければならないだけ。
夏に日本へ帰ったとき、夜中まで暑かったせいで寝ている間に熱中症になったけど、ホーチミンでほ朝晩は涼しいから昼間に外に出るとき気をつければいい。
自分の身は自分で守る
そんな普通のことを忘れている
バイクがどこから来るかもわからないから、イヤホンで音楽聞きながらケータイ片手に歩くなんてしない。
冷蔵庫に入れてた賞味期限内の食べ物が腐ってることがあるから、ちゃんと匂いや味を確かめてから食べる。
病院頼みにできないから、ちょっとのことなら自然に回復できるように、普段の睡眠と食事をきちんとしておこうと考える。
風の強さと雨の匂いで、もうすぐ大雨が来ると予想できたら、出かける時間をずらす。
日本だから安全、ベトナムだから危険、とかじゃなくて。むしろ、『日本は安全な国だ』という甘えた考えは『自分の身は自分で守る』というあたりまえのことを忘れさせるように思います。
もちろん、日本も昔からそうだったわけじゃないので、年配の方からすれば「何を今更」と思われるかもしれません。
でも今の20代30代の人にとってはどうでしょうか。
それどころか。会社に入ってくる20代の若者たちを見ていると、日本でのあたりまえを引きずったままベトナムにやってくる、危機管理がまったくできていない人が多いです。
五感を使って感じる自分
過剰に怖がって家に引きこもってるとか、日本人としか関わりをもたないとか、そんなつまらないことをしたら何のために海外へ出たのかわかりませんよね。だから、そんなことが言いたいのではありません。
ただ、しっかりと周りの環境を見て、その変化を感じ取って、そして自分の身体や心にも注意を払う。そうして自分が安全で、確かに生きられるようにする。
それは必要なことだと思うのです。
私は日本にいたときにはそのことに気づいておらず、鈍感だったのです。
それがベトナムに生活してはじめてわかりました。