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東南アジアが舞台の絶版本3選
東南アジアといえば、、、
年中とにかく暑い。。。
ようやく日本も暑くなってきましたね。
ここで東南アジアあるあるを一つ。
「東南アジアのショッピングモールは、基本エアコン全開でかなり寒い。」
これは分かってくれる人が多いんじゃないかな?って思います。
さて、今回は、東南アジアが舞台の絶版本を3冊紹介します。
1.メナムの残照(タイ)
まず最初に紹介するのはタイの小説「メナムの残照(著者トムヤンティ)」です!
この本はタイでは「クーカム(คู่กรรม)」として知られ、何度も映像化されているロングセラー作品です。タイ在住の日本人には有名な本だと思います。
ネタバレしないように書くとあらすじはこんな感じになります。
「舞台は1940年代のタイ、バンコク。チャオプラヤ川沿いに住むタイ人女性アンスマリンは駐在していた日本人将校コボリと偶然知り合う。初めはコボリを敵視していたアンスマリンだったが、コボリの好意と優しさに触れるにつれ、次第にコボリに惹かれるようになる。
コボリに惹かれるアンスマリンだが、彼女にはイギリス留学中の恋人ワナスがいて、日本軍をよく思わないワナスはコボリに敵意を向ける。。。」
この本は国内では残念ながら絶版ですが、バンコクのCentral Worldにある紀伊国屋書店では購入することができます。
読んでみたい!と思った方はバンコクに行った時に買うか、アマゾンで中古を買うか、図書館で探してみて下さい!
下のMVは、2013年にリメイクされた本書の映画のテーマソングです!
では、次に作品に行きます!
2.思い出の昭南博物館(シンガポール)
次に紹介するのはシンガポールが舞台の本「思い出の昭南博物館 占領下シンガポールと徳川侯(著者E.J.H.コーナー)」です!
この本は小説ではなく、歴史の記録になります。
内容はこんな感じ。
「1942年のシンガポール。日本軍がイギリス領シンガポールを占領する舞台裏で、博物館や植物園の文化遺産を略奪や戦火から守るために、当時シンガポール植物園の副園長だった著者のコーナー氏と日本人学者が奮闘します。
戦争中であっても、科学のために団結した日英の科学者たち。日本人学者(田中舘秀三、郡場寛、徳川義親侯爵など)の協力無しでは、コーナー氏らのイギリス人学者たちは収容所に収監されることなく、シンガポールの文化遺産を戦火から守ることはできませんでした。
科学のために敵味方を超えて協力し合った日英科学者の友情や信頼をイギリス人の視点で描いたノンフィクションドキュメント。」
この本は「メナムの残照」と同じく、国内では絶版ですが、バンコクのCentral Worldにある紀伊国屋書店、もしくはアマゾンで購入することができます。
また、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この本の舞台はメナムの残照と同時期なんです。メナムの残照はフィクションですが、同じ時代に全く異なる日本人のストーリーがあったと考えると面白いですね!
さて、次でラストです!
3.トングーロード(ミャンマー)
やっと最後の作品までたどり着きました笑
最後に紹介するのはミャンマーが舞台の本「トングー・ロード-ビルマ賠償工事の五年間-(著者伊藤博一)」です!
この本も小説ではなく、歴史の記録です。
内容はこんな感じ。
「舞台は1954〜60年のミャンマー。日本の戦後賠償事業第一号に選ばれたミャンマーでの水力発電所の建設について、まずは必要な物資や建設機械を建設予定地まで運ぶために山岳地帯に200kmの道路の建設が必要不可欠でした。
道の開拓に使う重機はオンボロで、現地の作業員との働き方で揉めることもしばしば。また東南アジア特有の雨季で作業が中断されたり、武装した反政府グループに作業員が襲われたりと、ただでさえ順調に進まない道路建設がより難航します。
建設開始に至るまでの苦労や賠償工事の実情を現場を指揮した日本人のエンジニアが書き記したノンフィクションドキュメント。」
バルーチャン水力発電所でググるといくつかサイトが出てきますが、当時の非常に厳しい環境を詳細に綴ったものは本書以外ありません。
また残念ながら、この本はバンコクの紀伊国屋書店でも売っていません。アマゾンで注文するか、図書館で探すかになります。
ミャンマーというと「ビルマの竪琴」が有名ですが、ミャンマー国民に安定した電力を供給するために汗水を流した日本人がいたことも忘れてはいけませんね。
4.最後に
今回紹介した三冊はどれも入手が難しい本ですが、普段知る機会がほぼないからこそ、まずは知ってもらう必要があると思い紹介しました。絶版本ですが、全てとても価値のある本なので復刊して欲しいと思っています。
因みに、一作目の「メナムの残照」は時代背景を知った上で読むとより面白いと思います。ワナスは自由タイの一員で、役の設定が絶妙です笑
ではでは