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大航海時代のロマンを感じるポルトガル・リスボンぶらり旅

こんにちは。

ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。

長々と続けてきたイベリア半島一周旅も、今回で最後。
ポルトガルの首都・リスボンへ行ってきました。



コルドバ→リスボン


旅も終盤。

今日の行程は、コルドバ出発しセビージャで鉄道とバスを乗り換えて半日かけてリスボンへ。

ちなみに前回↓

今日は、昼に出発して到着するのは夜。

移動日は化粧もしないし寝ているだけなのに、疲れがどっと溜まるので好きじゃない。


昼のコルドバを出発

電車はrenfe↓

バスはalsa↓

スペイン旅行は、とにかくrenfeとalsaを使いこなせれば何とかなります。


途中、バスから見えた景色は絵みたいで綺麗でした。

うとうとしていてここしか覚えていない

到着したのは21:30。

疲れた・・・


地下鉄は券売機で24時間券(Carris/Metro、6.8ユーロ)を購入し、明日の観光にも使います。

券売機。駅にあります
これをタッチして改札を通る

地下鉄の車体はこんな感じで少し古め。

今日はホテルでひたすら休む・・・!


トラムの街・リスボン


おはようございます。

朝から快晴のリスボン。


現在のポルトガルの首都・リスボンの歴史は、紀元前1200年前にさかのぼります。
イスラエルやシリア辺りに栄えた海上貿易の達人であるフェニキア人が築いたひとつの貿易拠点でした。


フェニキア人

そして時が過ぎ、ポルトガルが世界大国になった大航海時代にはすでにここはその首都として栄えていました。


そんなリスボンの別名は「七つの丘の都市」。
海岸の都市は急な坂がいくつも存在する高低差の街で、そんな場所でも人々の移動を楽にしたのがトラムの存在でした。


新しめのトラム

奥に見えるのは市街中心部のロシオ広場。

写真を撮っていると、古いトラムが追い付いてきました。

80年代頃の車体かな

そのまま進んで、大きな噴水のあるロシオ広場。
正式名称は「ドン・ペドロ4世広場」。ペドロ4世とは、19世紀前半にポルトガル王とブラジル王を務めたポルトガルにとっての重要人物。

ここはリスボンの中心にある広場で、昔から集会や処刑などいろんな用途で使われたそう。
今は人々がコーヒー片手に集う場、と言った感じ。

波のような独特の模様のモザイクは、地元の職人さんが造ったここ独自のものらしく、リスボン中でよくみられるらしい。


雨予報の今日なのに綺麗に晴れていて拍子抜け。
天気がいいうちに街を散策します。

カラフルな建物が空に映える
ここも美しいモザイクの地面


アルファマ地区


リスボンの街歩きのメインはここ、アルファマ地区。

リスボンの街で一番古い部分で、狭い石畳の道が曲がりくねった、個人的に一番好きな雰囲気の街。
それにくわえて、ここは海の見える街。

丘を登っていく最中にも古いトラムに追い抜かされ、異国情緒を感じます。

今日は天気がイマイチだからなのか、春休みなのに人は少なめ。

凄く狭い歩道を歩いていくのですが、すれ違う人はほとんどいない。

ここはトラムの通る道で、ピンクや黄色の建物が続き、下り坂の奥には海が見えます。

そして、グロリア船と呼ばれるケーブルカーを登った先にあるのが、サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台。

赤屋根の続くリスボンの街がよく見えます。

さらに周辺の街を歩いてみます。

いろと物が多くて情報量が多い、曲がりくねってどこに続いているか分からない、ほんとうに私を魅了してくれる道。



ちなみにちょくちょく目にするタイル仕様の建物ですが、これはアズレージョと呼ばれる独特のタイル装飾。

イベリア半島がイスラム教徒に支配されていた時代、ムーア人がポルトガルにもたらした文化で、青と白のものがよく見られるのは中世に中国から流入した青白磁の影響だそう。

ヨーロッパの端っこにある国の首都で、こんなにも幅広く世界中の文化や歴史を感じられることに感動。

このあたりは実際に住民がいるのかな?
通り雨に濡れた石畳


ぎゅっと濃縮された電線や街頭、高低差を感じる街並みが心を揺さぶります。


そうこうしていると、上ってきたトラムがさっきの場所で一台停まっています。

車内を覗いてみました。

古めかしくてどこか懐かしい、かわいらしくて温かい車体。


今回は街歩きがしたいので、乗車は見送り。



少し入ってみると、落書きが目立つような場所も。

丘を降り旧市街を出てみると、さっき紹介したタイル張りの家が沢山見えました。


雨が降りそう。


お昼はお寿司


お腹もすいてきて雲行きも怪しいので、お店に入ることにしました。

Googleマップで見つけたのがこのお店。


ビュッフェスタイルのアジア料理店で、ランチおとなひとり12.95ユーロと超お手頃価格。

ヨーロッパでなかなか出会えることのない安さとクオリティのお寿司を、ポルトガルでたらふく食べました。


でもやっぱり、日本に帰って回転寿司が食べたい。。。



港の方面へ


ひと雨降り終わり、空は快晴。

そして、あれだけ海と思っていた遠くに見えた水は実は川だったらしい。
ということで川沿いに来てみました。

そのテージョ川を臨む位置にある立派な建物は、ジェロニモス修道院。

ポルトガルの探検時代の栄光を象徴する重要な遺産。
1502年に建設が始まり、バスコ・ダ・ガマのインド航路発見を記念して建てられ、現在はユネスコ世界遺産に登録されています。

ここの観光はまた後程…

川沿いには大量の船が見え、ずらりと並んだマストが港町特有の雰囲気を感じさせます。

かつて、人々が海を冒険し始めた時代からの海洋国家としての名残を感じました。

海洋覇権を握ったポルトガル


そう、ポルトガルはなんといっても、15世紀以降、大西洋の探検とインド洋航路の開拓を通じて、世界初の大規模な海洋帝国を築いた国。
あの「陽の沈まぬ国」スペインよりも先に海洋覇権を握りました。

その軌跡が記されたタイルが。

ちなみに日本にも1541年に上陸したと書いてあります。
これこそ誰もが学校で習う、日本の種子島に鉄砲が伝来した出来事。

そしてリスボン独特のモザイクタイルと、向こうに見えるジェロニモス修道院。

きれい


4月25日橋


リスボンと対岸のアルマダをつなぐこれは、リスボンのランドマークともいえる4月25日橋、、、

と言いたいところですが、この日は風が強く誰かのジャケットが飛ばされたようで、自身も強風にあおられながら救出しようとする姿に思わず爆笑。

「おおきなかぶ」を思い出した

結局“折り畳み傘作戦”の成功を見届けたことに満足して橋を見ることをすっかり忘れていたので、載せられる写真はこの一枚↑。

巻き返しの豆知識を挙げるとするなれば、この橋、建設当初は当時のポルトガルの独裁者アントニオ・デ・オリヴェイラ・サラザールにちなんで「サラザール橋」と呼ばれていたのを、民主化を記念して名前だけ変更したらしい。
ハリーポッターファンとしては変えてほしくなかった・・・という(浅はかな)感想。


発見のモニュメント


すぐ横には、ポルトガルの大航海時代の偉業を称えるために建てられた記念碑「発見のモニュメント」。

背面は巨大な十字架

側面から見ると、高い波のようなモニュメントと、ずらりと並ぶ大航海時代のレジェンドたち。

どうやら裏と表では人物が違うようで、下調べしていた知ってる人を探してきました。

  1.  エンリケ航海王子:ポルトガルの大航海時代を推進した指導者でありパトロン

  2.  ヴァスコ=ダ=ガマ:ヨーロッパ人で初めてインド航路を発見した探検家(海賊)。

  3.  マゼラン:西回りの太平洋航路発見。フィリピンでの戦死後、艦隊は世界初の世界一周達成。

  4.  バルトロメウ・ディアス:アフリカの喜望峰発見(彼自身は「嵐の岬」と名付けたのをジョアン二世が改名)。正式には最南端ではないらしい

  5.  フランシスコ=ザビエル:言わずと知れた、日本にやってきたイエズス会修道士。教科書にペンギンを宿らせた人も多いはず。

  6. (以降↓の写真)フェルナンド王子:エンリケの末弟

  7.  ジョアン・ゴンサルヴェス・ザルコ:マデイラ島到達。

  8.  フェルナン・メンデス・ピント:「東方巡歴記」を書いた人物で、日本にも来ていた。

  9.  ペドロ王子:エンリケの二番目の兄。

他にもいらっしゃるのですが、重要そうなのはこのあたり。

そうこうしているうちに、また雲行きが怪しくなってきました。


ベレンの塔


ゴシック式とルネサンス式をミックスした”マヌエル式”でつくられた、リスボンの港を守る要塞が、このベレンの塔。

映画に出てくる「恐れられた伝説の古城」感が堪らない。

雰囲気を演出するかのように空を覆う雨雲も相まって、ただならぬ気配を感じます。


と思ったら、その気配の正体はただのゲリラ豪雨でした。

さっきまで感傷的に塔を眺めていたのに、髪も服もずぶぬれ、修道院のほうへ戻ろうかと歩き始めたところで、

目を見張るほど綺麗な虹。

しかもうっすらと二本目も見える。

黒い雲を背にしているので色が尚更際立ち、今年みた虹で一番素晴らしかったかもしれない。

虹の根元とモニュメント


ジェロニモス修道院


修道院の前へたどり着くと、すっかり雨は上がって綺麗な青空。

ここは世界遺産に登録されている修道院で、栄華に輝く時代のポルトガルが香辛料貿易などで得た利益を使って建てられました。

事前に購入していたチケットをもって列に並びます。

チケット列めちゃくちゃ長かったので、事前購入をつよくお勧めします


中にいれる時間が決められているので、手っ取り早く見たいところを見ます。

礼拝堂はこんな感じ。
絵画もステンドグラスもカラフルで、なによりゴシック(垂直線を強調、縦に抜けた空間)とルネサンス(調和と比率、対称的)のいいとこどりをした、さきほどのマヌエル様式がすばらしい。

この様式は、航海や発見を象徴するモチーフ(例えば、ロープ、海洋生物、王冠など)が装飾として使われているのも一つの大きな特徴で、柱や祭壇にもそれがふんだんに↓


レジェンドの棺


そして、ここに入ろうと決めた理由が何といってもこれ。

先ほどのモニュメントにも登場していた、ポルトガルの大航海時代の立役者であり最重要人物の一人、ヴァスコ=ダ=ガマが、この修道院には眠っているんです。


教会の出入り口横に一つの看板が。

ここにぽつんと、しかし堂々と横たわっているのが、ポルトガルに世界の覇権をもたらした海賊・ヴァスコ=ダ=ガマ。

5世紀経った今でも人々から愛される海賊の棺の中央には、大きく帆を張った彼の海賊船が描かれていました。


夕暮れのリスボン


一日で観光を詰め込んでしまったリスボンの街も、夕暮れが近づいてきました。

もう一度街並みを楽しもうと、丘の上へ。

今朝訪れた展望台には、雨が上がったからか朝よりも大勢の人が。

同じ画角

夕暮れを待ちながらあたりを散歩。

とうとう陽が沈みます。
町全体が黄色に染まってすごく綺麗。

壁が色んなピンクで彩られた一角を発見。


かわいい

夜の港町はこんな感じ。

誰かの個展の宣伝↓

あいつとあいつとあいつとあいつ

夜の工業地帯と橋↓


ありがとうイベリア半島


翌朝、空港にて、今に生きるポルトガルのレジェンドを土産屋で感じながら、ミュンヘンへの飛行機に乗ります。

天気はあいにくの雨。
昨日のうちに観光を終わらせておいてよかった、、、


ここまで二週間かけて、ほぼ一周したイベリア半島。

今まで経験したことのない人種差別や、イスラム王朝を感じる南欧の雰囲気、ドイツよりはるかに安く済む(しかもおいしい)外食、

どれをとっても新しいことだらけで、どの都市もまた来たいなあと思える独自の魅力あふれる街でした。


ちなみに私のヨーロッパ旅、まだまだ続きます。


それではまた!

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