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【縛りプレイ】できるだけお金を掛けずに会社作ってみた結果www
会社作ってみた
突然ですが、会社を作ってみました。
社名は「合同会社Y.G.Tクリエイト」といいます。
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やっぱり「社長」って、人生で一度はなってみたいですよね?
正直、私は思ったことないんですが。
けど、いろいろ考えた結果(最後に経緯を書いています)、ちょっと手間とお金が掛かるけど、「一人社長で会社を作った方が色々と便利じゃない?」という結論になり、人生経験的にも会社作ってみたいなぁと思い、試しに作ってみました。
まず、会社作ってみて分かったことは…
1週間と8万円くらいあれば会社は作れる!けど、維持費が結構かかる!
ということで、今回は会社の作り方と、それに掛かるお金の話を、私の体験ベースでまとめたいと思います。
ただ、私は法律や経理の専門家ではないので、結構ガバい解説があるかもです、あくまで体験記として読んでもらえると嬉しいです。
会社の作り方①:会社の形態を決める!
◯◯会社って世の中に色々とありますよね。
現在の日本で会社を作ろうと思うと、以下の2種類のどちらかになります。
①株式会社
②合同会社
ちなみに、たま~に聞く有限会社というものは、今は作れません。
で、この2つの違いなんですが、これは株を発行できるか、です。
株式会社は、その名のとおり株式というものを発行出来ます。
たとえば、100万円の自己資金を元手に起業をしたとして、このとき株式を発行することが出来ます。
たとえば、設立時に100株(1株1万円)発行するとします。この価格の設定は起業する人が決められます。
そして、この株は誰かに買ってもらうことが出来ます。
「うちの会社の株はいつか10万円に値上がりするから、お金を持っている資本家の人株を買ってね!」という募集を掛けることができます。
日々、ベンチャー起業家たちはこのお金を調達するために、ピッチイベントに出て、お金を持っている資本家・会社といろんな人脈作りをしています。
このときに、資本家が株を買ってくれれば、運転資金が会社に入ってきます。また、株式を新たに発行して買ってもらう、ということも出来ます。
たとえば、30株を2万円で資本家が買ってくれれば、60万円の運転資金が会社に入ります。
そうすると、元手100万円だったのに、160万円の資金ができ、これを元手に会社の事業を大きくすることが出来ます。
しかも、この出資者から集めた60万円は、最悪返さなくていいお金なのです!
なので、最初の元手以上に大きな資金を集めて、より大きな事業をやっていこう!という人は株式会社が向いている訳です。
それ故、株式会社にはいろいろな書類の提出や、報告の義務、株主総会などの準備など、いろいろな手続が発生します。設立に掛かる費用も20万円以上掛かります。
逆に、合同会社では、株式を発行することは出来ません。
元手以上のお金で事業を始めたい場合は、銀行などから融資という選択肢になります。それ故、必要な手続きは株式会社に比べて少ないです。設立に掛かる費用は10万円以下で抑えられます。
超ざっくり言えば、株式会社は大きなお金の調達を必要とする事業をしたい人向け、合同会社は元手を少なく、掛かる費用も抑えた事業をしたい人向け、といった感じです。
で、今回私は、大きなお金を調達して、大きなビジネスをやりたいわけではなく、1人社長の法人を作りたかっただけ(詳細は後述、何度もスミマセン)なので合同会社にしました。
会社の作り方②:会社の住所を作る
会社の形態が決まったら次は書類を作ってそれをいろんなところに提出します。ただ、必要とする書類がとにかく多いんです。
書類もですし、提出先も沢山あるのです。
法務局、税務局、市役所、県税事務局、年金事務所等…
面倒!!!
ということで、私は
freee会社設立 というサービスを使いました。
https://www.freee.co.jp/launch/
もともとfreee会計というサービスを先輩ゲームクリエイターの方に教えてもらって使っていたのですが、非常に出来がよく、引き続きfreeeのサービスを使おうと思ったためです。
(前職でS◯Pという(広義の意味の)経理システム導入をしていましたが、ぶっちゃけ100倍freeeの方がわかりやすい!freee最高!)
で、このfreee会社設立も、非常に良いサービスでした。
とりあえずfreee側で用意されているフォームに記入していけば、あれよあれよと手続きが進んでいきます。
freeeの画面はこんな感じ。
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ただ、この後の申請で絶対に必要になる要素として、オフィスの住所というものがあります。
なんらかのオフィスを借りているは、その場所でいいのですが、私の場合自宅=オフィスの想定でした。
ただ、私は、自宅を個人名義で賃貸していますし、将来引っ越しするかもしれないので、自宅を法人住所とするのは難しいです。
ということで、バーチャルオフィスというものを使うことにしました。
これは、実際はそこで活動をしていなくても、住所を貸してくれるサービスです。
登録した住所宛に届いた荷物も転送してくれます。
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私は、レゾナンスというバーチャルオフィスを使いました。
https://virtualoffice-resonance.jp/access/yokohama/
理由は、月額990円という爆安だったからですw
色々とオプションをつければ、郵便物の転送頻度を上げてくれたり、電話を代わりに受けてくれたりするそうなのですが、できるだけお金掛けない縛りをしているので全部無視して一番安いプランで契約しました。
これもWeb上で申請すれば勝手に住所が出来ます、カンタン!
ただ、法人契約をするためには、法人が無いといけませんが、この時点では法人はありません。なので、一旦個人で契約して、あとから法人契約に切り替える申請を出す必要があります。
卵が先か鶏が先か、的なやつですね。
会社の作り方③:印鑑を作る
次に印鑑を作ります。
これは、このあと必要ないろいろな書類を提出したり、法人口座を作るために必要となります。
個人で使っている印鑑は300円くらいで適当に買ったものなので、印鑑なんて安もんでいいやろ、と思っていました。
しかし、法人用の印鑑はどれも高い!!普通に1万円以上するものも多数。
私はネットで(多分)最安の印鑑を探して購入しました。
↓購入したのはこれ↓
https://hankomori.com/SHOP/COP-3SET-AKNJ.html
私は印鑑押す時、どっちが上かいつもわからなくなるので、どっちが上かわかるオプションだけつけました。
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送料と合わせて、5,560円でした。
会社の作り方④:定款を作る
次に定款というものを作ります。読み方は”ていかん”です。
これは、会社の規約とかを盛り込んだ書類です。複数人で会社を立ち上げる場合は、後々の法的トラブルにならないように、キチンと作り込む必要があります。今回、私は1人で立ち上げるだけなので、あまりこだわりはありません。
けど、定款なんてどうやって作るかよくわからんよ…。
はい、freeeがそれやってくれます!厳密にはfreeeから委託された行政書士さんがやってくれます。
これも必要なフォームに入力したら、自動でデータが行政書士さんに渡って、口を開けて待っていたら数日後に勝手に定款が出来上がります。すごいね。
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ちなみに、定款作成を依頼するには通常5,000円ほどお金が掛かりますが、freee会計に契約すると、定款作成費用がタダになります。
会社の作り方⑤:資本金を振り込む
ここまで来たら大分大詰め。次は資本金の準備です。資本金というのは、会社を立ち上げるときの初期費用です。
これは1円以上ならいくらでもいいのですが、世の中のほとんどのサイトとChatGPTが、資本金を数十万以上とすることを推奨しています。
資本金が少なすぎるとペーパーカンパニーを疑われて、法人口座を作れなかったり、会社の維持に掛かる費用を払うキャッシュがなくなります。
なので、とりあえず100万円を資本金に入れました。
後続で申請するためには、100万円を資本金として入れたことを証明する画像を提出する必要があります。
ですが、まだこの時点では法人口座は作れません。
私は個人で、楽天と三菱に銀行口座を持っているので、楽天から三菱の口座に100万円を移動させた履歴があればそれでOKでした、ちょっと変な感じ。
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豆知識ですが、借金を払えずに会社が倒産したときに、この資本金額までは出資者に返済義務があります。
ですが、それを超えた額の返済義務はありません。有限責任というやつです。
仮に私が銀行から1000万円借りて返せなくなったとしても、100万円までしか返済しなくてよいんですね。
だからこそ、銀行側も資本金の額をしっかり見ています。資本金を1円とかで設定すると、銀行の審査が通りずらくなるのです。
会社の作り方⑥:法務局に申請し、審査を待つ
ここまで来たら法務局に申請書を提出します。ちなみに、ここまですべて家からインターネットを通じてポチポチしていただけです。
そして、この申請書の提出も電子です。日本の行政のIT化は実は進んでいるのです。申請には、マイナンバーカードが何度も必要になるのでそこだけ注意。
申請したら即日電話が掛かって来てきました。
電話口のおじさん
「登録免許税の支払いが確認出来たら、手続き進められそうです」
ここで、会社設立に掛かる最大の費用、「登録免許税」なるものが発生します。金額は6万円です。
市などが開催しているいろんな起業セミナーに参加すると、この金額が3万円になる裏技(云うほど裏技でもない)があります。
ですが、このセミナーは常時やっているわけではなく、すぐ空きが埋まるし、正直参加するのもめんどかったので、6万円の支払いで妥協しました。
この登録免許税は、Pay-easyというサービスを使えば、ネットで支払えます。ATMでも支払い可能です。
支払いを終えた2日後くらいで、通知が届き法人番号指定通知書なるものが届きます。ここに書かれている番号が、法人番号となります。
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これで会社の設立が国に認められました、やったー!^^
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会社の作り方⑦:社会保険・税金関連の書類を提出する
最後に、法人作ったよ~ということを、いろんなお役所に報告するための書類を提出する必要があります。
いわばお使いクエストです。ここまで来て始めて、外に出るアクションが必要になりました。
回る先は、
(1)法務局
(2~4)年金事務所、税務署、都道府県税事務所、市役所(順不同)
の順番です。
法務局では、印鑑証明や登記簿の取得を行います。
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登記簿を取るには印鑑証明書が必要で、印鑑証明書のためには法人の印鑑カードが必要で、法人の印鑑カードのためには個人の印鑑証明書が必要で、個人の印鑑証明書を取得するにはマイナンバーカードから印鑑証明書を取る申請が必要という、クソお使いクエストがあるので注意。
登記簿は後々必要になることがあるので、発行には手数料が掛かりますが、3枚くらいもらっておくことをオススメしておきます。
次に年金事務所に行きます。ここでは、法人として支払う厚生年金・社会保険の申請書の提出や、支払い方法の説明を受けます。
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正直社会保険の支払い関連が一番不安要素だったので、いろいろと丁寧に説明してくれてありがたかったです。
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私は横浜市で設立したのですが、横浜市はお役所のほとんどが桜木町周辺に集まっているので、海辺をお散歩しながら徒歩で回れたので非常にラクでした。
けど、地方だとこれは結構めんどくさそうだなぁ、とか思っていました。
これでひとまず手続きは完了です!お疲れ様でした!
ここまで掛かったお金のまとめ
ここまでの会社設立に掛かったお金を集計してみます。
集計結果は…
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73,560円!!!
資本金は費用ではないので、含めていません。
意外とお金が掛かっていないのではないでしょうか?大学生のバイト代くらいで、会社自体は作れてしまいます。
前述しましたが、登録免許税は30,000円にする裏技もあるので、ケチればあと3万円安くなります。
また、今回の体験記は合同会社をベースにした説明なので、株式会社の場合は当然もっと費用は掛かります。その点ご留意ください。
会社の維持に必要な準備を行う
くぅ~疲れましたw これにて完結…
しないんだなぁ、これが。
とりあえずここまでで、私の作った会社というものが最低限国に認可はされはしましたが、会社を維持するための準備をしておく必要があります。
具体的には、会計処理・申告・労務管理を行う必要があります。
毎年、所得税や住民税を払っているのと同様、法人は毎年法人税を払う必要があります。
法人税を計算するためには、日々掛かった費用や売上を記録し、1年間の損益や、税金を計算するための所得を算出する必要があるのです。
なので、こちらもfreee様のソフト、freee会計と、freee申告をサブスク契約しました。
freee会計は、72,336円(年間)です。
高いと感じるかもしれませんが、S◯Pという経理システムの導入をしてきた私からするとめちゃ安いです。(まあ、思想が全然違うので、比べられるものではないんですが)
freee会計で出来るのは日々の会計情報の登録、管理、請求書の発行などです。
ですが、年に一度の法人税を申告するには、これまた別のサービスが必要です。こちらは freee申告というサービスがあり、freee会計を使っていれば、会計情報を集計して、自動で申告書を作ってくれるサービスです。
お値段は、29,800円(年間契約のみ)です。
申告には、経理知識を多く要求されるので、経理知識が無い方は税理士に委託するという方法もあります。
税理士の方にお願いすると、20万円くらいは普通にします。
一応、私は簿記2級を持っていて、1級の途中で挫折したくらいの経理知識はあるので、まあ税理士いなくてもなんとかいけるやろ精神でやっています。
国際課税とかまでやっていたし。
ただ、実際の申告はこれからなので、なんとかなるかは正直未知数です。
申告の時期に死んでいたら察して下さい。
あとは労務管理です。
誰がどれくらい働いているかの管理とか、給与の源泉徴収額の計算などをしてくれます。
ぶっちゃけ、これは無くてもなんとかなったんじゃね?って気もしていたのですが、freeeの人に「絶対必要です!」って押し切られてサブスク購入しました。お値段は、39,600円(年間契約のみ)です。
これらの費用が、会社を維持していくための費用です。
まあ、これらのfreeeのサービスは、めちゃくちゃ頑張ればエクセルとかでなんとか対応出来るかもしれませんが、あまり現実的ではありません。
申告漏れなどがあれば、追徴課税や税務署からの調査を受けることになるので金額以上の大きなデメリットになるので。
ということで、この維持費についても集計してみました。
集計結果は…
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156,816円!!!
いや、結構しますね。。。初期費用より高いやん…。
なので、「なーんだ会社ってこんな安く作れるんだ~!」と思って何の意図もなく作ると、少なく見積もってもこれだけの維持費が掛かるということは認識しておきましょう。
あと、会社のWebサイトなどを作る場合はレンタルサーバー代も発生したりします。私は元々個人開発用のブログを運営していて、すでにレンタルサーバーを借りていたので追加の費用は発生しませんでした。
↓私の運営ブログ↓
https://yurinchi2525.com/
また、私は税理士に申告業務を委託しない方針を取りましたが、経理知識が無く、税理士に申告業務を委託する場合はさらに20万円近く発生するのです。
会社は適当に作らない!(当たり前)
さいごに
振り返って見ると本当に手続きが多く、正直めちゃくちゃ面倒くさかったです。もう一度やれと言われたら絶対やりませんw
けど、会社を設立するにあたり、社会保険や税金、労務の知識など、会社員の目線でいたら絶対に意識することのなかった、いろんな世の中の仕組みを、身を持って知ることが出来ました。
いろんなことを調べにつれ、なぜ日本の会社が正社員ではなく派遣にしたいのかとか、社会保険の闇など、現代日本社会構造の深い部分を少しだけ理解出来た気がします。
いろいろと説明や手続きを端折った部分もあるので、もっと知りたいよという方がいれば、TwitterからDMいただければ、出来るだけ詳細お話します。
ただ、こういったことをやっていたせいで、中々本来やりたかった活動が出来なかったのですが、ようやく一段落ついたので、色々と復活させていきたいと思っています!
ゲーム制作に役立つブログの週次更新や、アセット制作、自作ゲームのリリースなど、これからもガンガンアウトプットしていきます!
よければTwitter(X)もフォローいただけるとうれしいです(≧∇≦)b
https://x.com/mitakamikata
それでは、素敵なゲーム制作ライフを!
会社を作った経緯
最後の最後に、会社を作ろうと思った経緯を書いておきます。
なんら法的には問題ないことを書いてはいるのですが、そこまでおおっぴろげに発信しない方が良いかも(特に税金周りのスキーム)…な、内容もあるので、有料記事にしておきます。
自分も会社を作ってみたい!とか、純粋にゆーりんちの活動の経緯に興味がある!みたいなトンチキな方だけ見ていって下さいw
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