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【SAPIXのシステム】2024年2月からの改変について
2024年2月1日から中学受験では2025年度として、新年度に変わります。
そこからSAPIXでは2つのとある改変が行われることを耳にしました。それぞれの改変自体はそれほど大したことではありませんが、それがどういう意味を持ちどのような理由で行われるのかは知り得ておくべきことだと思います。
改変①『サピックスてんさく教室』について
1つ目は『サピックスてんさく教室』の改変です。
サピックスてんさく教室とは1〜5年生を対象に、授業とは別に各学年に与えた題材への記述を添削し返却するというものです。
これが2月1日より、『1・2年生は保護者がデータ送付したものを添削する』という形に変わるようです。データ送付が単純な写真画像で良いのか、スキャンしたPDFなのかまでは私も知りえません。
改変②『1コース当たりの人数』について
現在SAPIXでの1コースはだいたい15人前後が各校舎にて一番多い人数だと思われます。1・2コースほどは20人弱コースやAコースで一桁人数はありえますが、大筋は15人前後と言えます。
これを2月1日からは『1コース当たりの人数を今までよりも増やす』ことにしていくようです。どのぐらいまで増やすかは情報が錯綜しているためハッキリと言いにくいですが、20人前後まで上げるのかもしれません。
これは新年度のコース割が1月組分けで発表された時点で判明している内容になります。
改変の目的
想像し得るに大筋の目的は『コスト削減』だと思います。
今までのてんさく教室は
校舎で回収⇒校舎で添削・郵送し拠点に集め添削⇒校舎にて返却
という流れでした。必ず人か物が動くためコストが掛かるわけです。
それが各家庭がデータ送付となればコストは大きく下がります。
1コースの人数を増やすことで可能な削減は大きいと思います。
仮に1学年10コースの校舎だとすると各コース15人から20人に増やしたならば、合計50人が圧縮されます。これは2・3コース分に該当しますので場合によってはコースどころかブロックを削減することが出来ます。そうなると1ブロック分の講師を浮かせられるわけです、これはとても大きいです。
改変の影響
ではこの改変によりどのような影響が家庭には出るのでしょうか、これが最も大事な点だと思います。
私が想像するにこれにより影響を被ることになるのは下位層の子供たちの家庭になるのでしょう。
てんさく教室が校舎での回収から保護者のデータ送付になったとしても、そもそも関心のある保護者にはあまり差のないことになるだけでしょう。
影響を受けるのは、こういったことに関心が無いか面倒に思う保護者の家庭です。そしてそういった保護者の子供が成績が良いことは極めて稀です
1コースの人数が増えることでの影響も、例えばαゾーンであれば大したことではありません。アルファベットとαの境界線上の子供は毎年ギリギリの戦いであることは変わりません、そして最上位層は数人ひとが増えようが何の影響もないものです。
結局一番影響を受ける子供たちはABCコースの子たちでしょう。
しかもAコースの一番出来ない子たち、ではなくそこから出ようとしている子供が一番影響を受けます。人数が増えることでそういった能力も意識も低い子供たちの中に入ってしまい、その内染まっていくことは考えられます。
そして私はこの改変は長いスパンで続いていくだろうと考えています。
今回のてんさく教室の改変は1・2年生のみのようですが、これをこのまま全学年にまで広げていくのかどうかは2026年度に分かります。
1コースの人数はもともと状況次第で人数が異なり分かりにくいですが、5年10年と見ていけば変化は分かると思います。多くのコースが20人前後になるのならば今までの状況を考えると増加とハッキリ言えると思います。
改変③3年生への注力(2024年1/28追記)
新たに改変事項として『3年生への注力』という内容を耳に致しましたので追記致します。
今までSAPIXでは受験指導は4〜6年生が主としていました。それを3年生にまで広げるということのようです。どういった内容の変化などの詳細はよく分かってはいませんが、これには皆様にメリットとデメリットのの両方があると思います。
メリット
これから3年生になるご家庭にとっては単純に入試に向けて少しでも先の時間から積み重ねが出来ることが可能になります。
今までの3年生までの低学年科のクオリティは非常に劣悪であると言えました。これが少しでも是正されること自体は良いことだとは言えると思います。
デメリット
講師の配分がどうなるのかが心配です。
特に、理社の力のある講師が3年生担当になるのではないかと案じております。これは大きく5・6年生に向けてはデメリットになると感じます。
武田の想像
この3年生への注力はSAPIXが拡大路線を続けてきた事に対しての危機感から起きた変化なのではないかと私は想像しています。
上述の通り、現状の3年生の授業は本当に酷いです。そんなに稀なレベルではなく、授業崩壊をしているコースも見受けられます。原因は講師の管理力の無さと託児所代わりに考えている保護者の意識の低さの両方のせいと言えます。
そういった子がそのまま4年生に上がり、全く意味の無い時間が過ぎ5・6年生までも底辺にずっと固定化されてしまう事態になることにようやくメスを入れる気になったのかなと思っております。
個人的には、現状の募集停止になるからとりあえず低学年から入塾させてしまおうという何も考えていない流れに変化をもたらせてくれるのならば子供にとって良いと考えます。
SAPIXへの批判は意味がない
こういう内容を聞くと反射的に『SAPIXは悪い』『SAPIXは酷い』と批判をする方がいますが、それに意味はないと思います。
何故ならSAPIXが改変をする理由が分からないからです。
目的は『コスト削減』であることは大筋間違っていないと思うのですが、では何故そうしなければならないのかということです。
もしかしたら『もっと儲けたい』ということかもしれません。
しかし、もしかしたら物価高騰の影響で我々が思う以上にコストが上がっているのかもしれません。正直、教材の配布に関しては無駄が多いと思うことが多々有る塾ですので(特に圧倒的に算数科が諸悪の根源です)。電気代もかなり上がっていますしね。
どちらかなのかは決算書を見ているわけではありませんので私には分からないです。
授業料や諸経費にコスト分を転嫁しないのであれば、他の内容でコストダウンを図らなければなりません。そうしなければ企業活動の維持が出来ないからです。
こういった内容は難しい問題ですが、単純に自分が損を被るとして文句を言うということが全体として良いかどうかに繋がらない場合もあります。
例えば医療費の負担という問題も同じではないでしょうか。高齢者の医療費の増大はどこかで歯止めを掛けなければ崩壊を招くだけでしょう。でもその立場になったら高齢者は医療費の負担象を素直に受け入れるのかどうかということです。私の親も後期高齢者の年齢のため関係がないわけではありません。
為すべきこと
上記を受けて私が考えるやるべきこと・為すべきことは何なのか、それは損を被る立場になり文句を言うことではなく、先を見通し損を被る立場にならないよう準備をするということです。
先程の医療費のことで言えば、予防医療に努め適度に運動をし適切な食事を意識し頻繁に病院に行かずに済むように準備するということでしょうか。
SAPIXの改変についても同じことなのでしょう、後になり文句を言う事自体がすでに準備不足なのです。SAPIXがどういった思惑で改変を行おうと、それに対応して準備を行えば問題は無いはずなのです。
そしてそれは受験全体にも同じように繋がることだと思います。無策で最後まで進んでしまい、結局思った形にならないことに文句を言う事が本質的に行うべきことでは無いということです。
何かを願いそれを手に入れようと考えた場合、努力は必ず必要になります。それを子供であろうと大人であろうと行うべきだと思えないのであれば、そもそも中学受験など望まれないほうが賢明と言えると私は思います。
こういった家庭の土台となる考え方は、子供ではなく大人である保護者の役割と言えます。中学受験に臨まれるのであれば、本当に『成長』に繋がる考え方が出来ることをオススメ致します。
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