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【SAPIX SS】難関校SS特訓(サンデー・サピックス)志望校別講座について

夏期講習も終わり、9月から学校も再開しほぼどの塾でもいわゆる『日曜特訓』と考えられる授業が追加されます。SAPIXでは『難関校SS特訓(サンデー・サピックス:以下SS特訓)』が今年も始まります。以前に『単科講座』についてお伝え致しましたが、今回は『志望校別講座』についてお伝え致します。内容的には6年生のご家庭よりも、その前の5年生までのご家庭が6年になった際にどうすべきかを判断するためになると思います。


SS特訓の概要

時間:
9:00〜18:45

講座:
志望校別講座・単科講座

時間:
志望校別講座⇒80分✕4コマ=320分
単科講座⇒100分✕2コマ=200分
校舎により志望校別講座⇒単科講座の順か単科講座⇒志望校別講座の順なのかは異なります

回数:
全14回⇒一ヶ月でSS特訓を3回・合格力判定サピックスオープンを1回行うイメージでほぼ合っています

単科講座について

単科講座については下記を御覧下さい。

志望校別講座(以下:志望校別)について

夏期前の保護者会において古めの職員からの説明で
『SS特訓の志望校別こそがSAPIXの真骨頂です!!』
という話がよく出ておりました。今も保護者から耳にすることがあります。

さて、これは一つの側面では正しく、別の側面では正しくはないと私は思ってしまいます。

つまりSS特訓の志望校別と言えども意味があるものとないものに分かれると言うことです。

意味のある志望校別とは

私が考える意味のある志望校別は
『単独冠校の志望校別コース』
に限られると考えています。

単独冠校とは私が勝手に言っていることですが、
『開成コース』や『桜蔭コース』などのコース名に付いている学校が単独の学校名になっているということです。

よくご存知ない方からすると『志望校別なら全てのコースがそれぞれの学校になっているものだろう?』と思われると思いますが、残念ながらSAPIXでは複数の学校名が混ざっているコースもあるのです。
例えば『早慶浅コース』や『豊島渋渋コース』などの何なんだそれはと思うようなコース名もあります。

こういった単独なのか複数なのかで志望校別のクオリティは大きく変わっていると私は感じております。そのため、SS特訓において意味のある志望校別コースは『単独冠校のコース』だけと言えます。

違いが生まれる理由

単独志望校別と複数志望校別に違いが生まれる理由はSAPIXがやる気があるかどうかだと言えます。

会社として今後の経営に向けて影響の大きいプロダクトに力を注ぎ、影響の少ないものにはあまり注がない、経営的判断を優先するならば当然のことでしょう。

この理由から生まれる違いには2つの具体的な内容があると私は思っています。

①教材の質

例えば開成コースの算数教材は『SSKA』という教材を、桜蔭コースでは『SSOU』という教材を使用します。
こういった教材は本当に練り込まれて作られています。開成や桜蔭などの学校での問題に対応をするためにどう考えていくのかを練習出来るよう組まれています。また、細かくマイナーチェンジを行っており新しいタイプの問題はすぐに教材に反映されていることが多いです。数字替えの問題も2種類用意されていることもあり、喰らいついていくことが出来れば2月に十分実力を養うことは出来るようになっています。

しかし、例えば早稲田関係のコースで使われる『SSWA』のような教材は私はどうなのかなと感じてしまいます。一体早稲田のどの学校に向けて作っているのかの意図も分かりにくく、何だか問題も古臭い印象を受けてしまいます。確認すると、『SSWA』は早稲田・早実・早高院が1回ずつ3回セットで繰り返す構成になっているようです。いまいち、作成意図が分からないですね。

このように全ての志望校に対して均等なクオリティで作られているとは思えないため、本当の意味での真骨頂は特定のコースだけになるわけです。

②講師の質

単科の際も講師の質の問題はお伝え致しましたが、その際の話とは逆に今度は理社の人員に対して問題が生じます。

理社は基本的に平常では算国の半分の人員になります、それは算国はBAコマという2つの授業で一科目のところを理社はそのように分かれていないためです。

しかし、土特やSS特訓志望校別においては算国と理社は同じ授業数になるわけです。そうなると急に普段よりも多くの理社の人員が必要になります、単科の際にもお伝え致しましたがこのような事態に必要な人員をすぐに用意できるものでしょうか。

全ての校舎とは言えませんが、それなりの数の校舎で9月からの志望校別コースの理社で毎週違う講師が来ることになると思います。保護者側には理由は分からないと思いますが、2・3週連続で違う人が来た場合はまず未定だからと言えます。

この結果しばらく未定が続くと、会社としては毎週講師が変わるという体裁の悪さよりはたとえ6年生を経験したことのない大学生であろうと未定よりは良いかと希望してきた大学生を配置してしまうことも少なくありません。
こうなってしまうことは理社が算国と授業形態が異なることも起因します。先程お伝えした通り理社は全て授業は一人で行うことになります。算国のように相コマとして共同で行うということはないわけです、それが悪い意味で作用すると大学生に『自分が6年生を指導できるようなレベルではない』という自覚や客観的判断を持てなくさせてしまうのです。そのため子どもにどのような影響が出るかなどを判断せず、自分の利益のため大学生が平気で志望校別の希望を出してしまうのです。


非常に不思議なのですが、最近は異様に自信満々な大学生が増えていると感じます、それでも全体の1割ぐらいですが。この点は教科は問わずどの科目でも見受けられ、よくそのクオリティで子どもの前に立てるなと思うレベルの準備の少なさと知識の無さでも堂々と授業に入っているのです。私も相コマの大学生に文句を言ったことは何度かあります。
自信に見合ったレベルであるか未熟であることを自覚し頑張っている最中である場合はまだ好感は持てますが、堂々と低レベルを見せられると周りは呆れてしまうわけです。こういう人たちの共通点は他者はクオリティが低いと評価していますが、本人の中での自己評価は非常に高いんですよね。そのため反省や改善がまるで見られず、責任者からNGが出てコマが無くなっていくかトラブルを起こし消えていくかのどちらかの末路になりますが、それまでは上記の志望校別に希望したりと結構荒らしていきます。


そしていつもどおりの結果になりますが、そういった問題の影響を受けるコースは残念ながら『単独冠校コース』ではなく『複数志望校コース』になるわけです。
そもそも、まず人員配置は『単独冠校コース』から埋めていくわけですので会社が力を入れているこれらの場所に未定はまずありえないわけです。
そのため、未定になってしまいがちな場所は残念ながら『複数志望校コース』になってしまうことは自明の理なわけなことと、会社としてもこのような条件がそろえば上述の大学生などが授業に入ることになったとしても『まぁ仕方がないか』と妥協できるわけです。
これは他にも体調を崩すなどで単独冠校担当の講師が休みを取らざるを得ない緊急の場合で代理で来た講師が未熟だと分かっている際はそのまま行わせずに担当をスライドし影響が少なくて済むコースを未熟な講師に行わせることからも分かります。

というわけでこういった大学生などに習う場合と何十年もSAPIXにて6年生を指導し続けて合格に至る経験を積んでいる講師に習う場合で同じ結果になるのかどうか、ということが言えるわけです。

SAPIXが力を入れている学校の条件

首都圏における中学受験の合格実績が他塾を上回るSAPIX、そのSAPIXが力を入れている学校となると偏差値上位からとお考えになるかと思いますが意外に数字だけではないのです。

力を入れている学校の条件①

2/1校であること

つまり、試験日が2/1に設定している学校だということです。そうなると例えば2/2聖光・栄光、2/3筑駒などは会社として力を入れているとは言えないということです。
何だかよく分からない基準ですが、SAPIX的には大きな基準のようです。

力を入れている学校の条件②

進学校であること

あくまで私の私感なのですが、SAPIXは大学附属校に対してあまり興味があるようには見えないのです。
そういった観点で早慶といった学校に関しては力を入れているとは感じません。

力を入れている学校の条件③

問題に特徴を見出だせる学校であること

これは男子で言えば聖光(日程も関係しておりますが)や海城、女子で言えば豊島岡・洗足、共学で言えば渋渋・広尾などの実績としてのバリューが多大にある学校でもSAPIXが単独冠校にしない理由としていえると考えています。
なんとも掴みどころが見つかりにくい全範囲的に難しい問いを出してくる、という学校の問題の対策というのは非常に作りにくいと思います。だから対策を講じにくいため中々作りにくいのではないでしょうか。

こういった理由から単純に偏差値で上位の学校、というわけではないわけです。

SAPIXの真骨頂と言える学校

上記の内容からSAPIXの真骨頂と言える学校は下記になります。

男子校:
開成・麻布・駒場東邦・武蔵

女子校:
桜蔭・女子学院・雙葉(若干?)・フェリス

共学校:

改めて偏差値表と見比べてみると非常に少ない学校数だなと思う感想でした。

間違わないで欲しいこと

上記のように真骨頂と呼べる志望校別の学校数は少ないです、そのため巷で今だに言われている『SAPIXは御三家を目指す人用の塾だ』という間違った認識を持たないようにお気を付け下さい。
この認識が間違っている理由は2つあります。

①日曜特訓が合否を分ける決定的な要素ではない
期待をされている方には非常に残念なことですが、日曜特訓それ自体が最終的な合否を分けるものではないのです。
塾的には大きなイベントとして行います、もちろん意味が無いなどのことではありませんが日曜特訓だけで合否が分かれることは絶対にありません。

6年生の9月までの連綿として長い積み重ねた時間に繋がって日曜特訓に意味をもたせるわけです。それ抜きに日曜特訓が意味を為すことはありません。

6年生の9月までの時間、その内容においてSAPIXの行っているレベルは非常に高いです。

②他の学校の合格実績も他塾を上回るという現実
例えば早稲田・海城・豊島岡・渋渋などの上位校と呼べる学校の合格者はそれでもSAPIXが多くを占めているわけです。
これは結局のところ上記の今までの積み重ねというものが他塾とは違うということも関係しており、志望校別がそれほどだとしても決して意味がない酷いレベルであるというわけではないということが関係しているのでしょう、クオリティが100点とは言えなくとも70点ぐらいでも何とかしていく子たちにすでに育っていたから結果勝てたのだと思います。こういった学校を合格していく層は過去問も相当やり込んでいきますし。

そして他塾からしてもこういった学校は対策が取りにくいという条件はSAPIXと同じであると言えます。


たまに異様に細かく志望校別のコースを作っている塾が見受けれられます。
しかしこういったケースはほとんど名ばかりでだいたい過去問の焼き増しで行っていることが想像できます。

その理由は下記の2つから分かります。
①そのように様々な学校毎に対応できる内容を用意できる人材が揃うならばSAPIXを超えられるはず
②過去問の焼き増しを子どもにやらせても、指導できる人材がいなければただ過去問を行うことと相違ないから

この内容に費用を払うぐらいならば、SAPIX生はSS特訓を受けられたほうが良いと思います。


武田の考える志望校に向けた内容

上記までで結局どうするのが良いのかと言われそうな内容だったため、私の考える志望校に向けた内容をお伝え致します。

①SAPIXの力を入れている学校狙い
この場合はもちろん志望校別の内容に喰らいついていくことが最善です。

②それ以外の学校狙い
私はこういった学校に向けてだと過去問をやり込むことが最善だと考えています。

SAPIXでは『過去問を行う意味は学校の形式に慣れるため、過去問の問題は二度と出題されないからやりこまずSS特訓を優先して』という話しが多いと思います。
上記の真骨頂と言える学校ならばそれでも良いでしょう、しかしそれ以外ならばこの内容では中々厳しいと思います。
二度と出題されないと言いますが、算数だと確かに同じ学校ならば出題は少ないです、しかし他の学校だと結構出題されます。そして同じ問題は出なくても同じレベルの問いは出題されます。自分の志望校にかつて出題された問題、これを確実に理解することなくどうして2月に解けるようになるのか私には理解出来ません。
それに、複数志望校コースではぼんやりといろいろな学校に対応した教材を用意するわけですから高くても70%ほどの影響しか自分の志望校にはないイメージです。さらに、担当の講師の問題も生まれるわけです。
そのため、中途半端にSS特訓を受けるぐらいならば過去問をやり込む方が自分の志望校に合っていると思っています。

しかし過去問には問題点があります。それは環境が整うことが出来るかどうかという点です。
確実に言えることは、子どもだけで日曜日に行うことは無理だということです。子ども一人で一日真剣に勉強を出来ますか?
特に算数の復習を一人で行えるのであれば、塾内でも相当良い結果を出せているはずです、そうでなければ解説を写して理解していると思い込むことが関の山です。これでは過去問を行う意味はほとんどありません。
こういった問題をクリア出来るように環境を整えられないのであれば、SAPIX生はSS特訓に参加をした方がまだマシでしょう。

まとめ

SS特訓はSAPIXの真骨頂である、これを鵜呑みにして思考放棄で受講したとしても結果には繋がりません。
SS特訓にも当然良い点・悪い点はありますので、それを考慮して子どもの状況・環境的に最善になることを考えることは保護者の行うことだと私は考えています。
大事なことは直前になって考えるのではなくもっと早くから、5年生の段階から色々と状況によってどうするのかのいくつものシュミレーションを行っていくことです。受験まで一本道で進めることが出来る子どもはかなりレアだと考えて構いません。子どもの状況がこうなっていたらこうする、このシュミレーションを早い段階から考えておきましょう。

算数の家庭教師を行っております。無料相談も行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。




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