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【中学受験 算数】6年生の夏期講習の目的

一般的には夏期講習は受験学年である6年生の大きな山場であると言われています。
しかし、あまり夏期講習の目的を保護者が全て理解しているわけではないためお伝えいたします。


算数において夏期講習の位置付けからの目的

他の科目においてもある程度言えることですが、特に算数において言えることは夏期講習の内容は『全単元の総復習の2回目』ということです。

6年生の算数のカリキュラムは2〜7月までで1回目の総復習を行います。そして2回目がこの夏期講習になるわけです。
上位校を最終的に目指す場合は、この夏期講習で全単元の基本的な内容はほぼ問題がないといえる状態になっていなければ算数的には非常に厳しいと言わざるを得ません。

つまり、算数においてこの夏期講習の位置付けは【全単元の基礎の構築をやり切る】ということになるわけです。

夏期講習前に1回全単元の総復習を行っているじゃないかと思われるかもしれませんが、残念ながらそれだけで大半の子は定着にまで至っておりません。
そもそも5年生までで一度は練習を行っているわけです、それでも総復習を行わなければならないわけです。それだけ基礎の定着に至るまでで中学受験は厳しいということです。
そう考えるとさらに何度もも総復習を行い盤石に出来るのであれば良いのですが、スケジュール的な問題からこの夏期講習で固めていけなければ2月には間に合わないことになってしまいます。

こういう流れを考えると5年生までの段階から出来るだけ定着を高めていくことが出来れば理想であることは自明の理です。だからこそ、早い段階から準備を考えることが重要なわけです。

注意すべきポイント

上記の『固める』という内容の意味は理解することが前提で、決して解ければ良いというわけではありません。

たまにこの『理解する』ということが出来ているかどうかをどう判断するのかと聞かれることがありますが、単純な判断方法はありません。
私自身、各単元において最終的な入試問題で必要な理解を子どもに毎回確認をしているのです。つまりそれを他人に伝えるとなると、各単元においてのポイントを全て羅列しなければならなくなるわけです。それは現状で言えば全く無理なことです、やれるとしたら引退をするようなタイミングで作成をするぐらいでしょうか。

そのような意味合いで講師は判断をするわけです、だから保護者やロクな経験を積んでいない講師では子どもが理解出来ているかどうかの判断は難しいわけです。

そういう理由から夏期講習をやみくもに量だけこなし、同じ問いは解けるが形式を変えられると対応が効かない子どもが生まれてしまうことが度々あるのでしょう。

皆さんは上記を把握し理解に達する学習を行って下さい。

夏期講習の裏目的

上記の通り6年生における夏期講習の目的は【全単元の基礎の構築】になるわけですが、あまり表に取り出されない裏の目的も存在します。
それは【ひたすら量をこなす】ということです。

年末の話しは置いておいて、この夏の時期が最後の学校の無い長い休みの時期になります。この受験に専念できる約40日の期間を目一杯使い、勉強量を最大にする経験を積まなければ夏期以降において量負けしてしまいます。

たまにネット界隈で量をこなすことに否定的な意見を見ますが、本当にこういう意見が広まらないことを願います。社会に出ても役に立たない人間が量産されてしまうため、日本という国のトドメに繋がりかねないことだと私は思います。
まず大前提で学習量を最大化にしなければ、志望校に合格出来ることはありません。その上で上記に書いたようなただひたすらやるだけの理解に繋がらない練習を行うことなどそもそも我々は想定していません。
理解に繋がるように学習を行いその上で最大限に学習を行う経験、これを夏期講習に積むことを求めているわけです。過酷で大変な内容であることは間違いありませんが、それを行うから目的を達成できるようになるわけです。
上位層の勉強量はまず前提として膨大です。以前にもお伝えした通り、この量をこなすことから目をそらし効率的や要領良く行おうと望んでも憤死するのが関の山です。

この夏期講習の期間に行った積み上げた経験がこの先の学校の再開した9月以降に繋がっていきます。9月以降ドンドン本番の入試に近いレベルの内容を扱っていきます。その上でそれを何度も演習するわけではなく出来るようにしなければならないわけです。
これは夏期講習までとは矛盾していないでしょうか?夏期講習までは5年生までの全単元を何度も総復習を行っているわけです。それなのに9月以降は同じ内容を何度も行うことがなくなっていくわけです。
それは夏期講習を経て、子どもが成長を遂げている前提で最後の2月に向け何度も繰り返すことはせずとも出来るようにし、ドンドン頂上を目指して進んでいくわけです。これを夏が終わると学校がある中で、です。
イメージ的にはそこまでは基礎体力の向上・基礎的なテクニックの練習だったわけです。そこをゆっくりと行っていて、9月以降にドンドン頂上を目指し登っていくことに耐えられるでしょうか。それを可能だと思うのならば、想定が甘すぎるのとこういう意見は本気で受験を頑張れない家庭には言い訳として都合が良いわけです。だから、こういう意見を言う講師が何を目的として言っているのかは透けて見えるわけですね。
また、決断や動きの遅い保護者の考え・想定が甘いと言える理由もこれに関係します。例えば受験が近付き子どもが本気で勉強をすると想定することがこのタイプの保護者の意見でよく聞くことですが、どれだけ子どもが本気になったとしてもそれでは間に合いません。それは子どもがどうのではなく、物理的な理由で無理なのです。
今までフルマラソンを走ったことのない人が突然完走出来るでしょうか?
どれだけ完走をしようと強い気持ちを持っていたとしても、通常の人間では途中で足が動かなくなってしまいます。受験もこれと同じわけです。
勘違いされていることが多いというか、あえてそこから目をそらしているようにも思えますが勉強にも体力のようなものがあります。それを鍛えていない人間は過酷な勉強を行おうと思っても物理的に無理なのです。
だから最後に何とかしようと考えることはそもそも想定が甘いのです。

ちょっと横道にそれましたが、要は夏期講習という時間のあるタイミングで学習量を最大にすることも大きな目的であるということです。そうでなければ今後次々と来る内容をこなしていくことすら難しくなってしまうわけです。

まとめ

2つの目的

・表の目的
一番分かりやすいことが、【全単元の基礎の構築】という表の目的になります。
様々な媒体や塾の保護者会で話が出ているためこちらはお分かりの方は多いと思います。

・裏の目的
案外保護者が認識していないことが多いのですが、この夏の時期に【勉強量を最大化する】ことを経験しておくことも非常に重要です。9月以降の行う内容を考えると当然ではあることなのですが、意識はされていないように思います。

2024年も夏は非常に暑く厳しい天候になりそうです。
子どもたちにはこの夏全力で頑張って頂きたいですが、体調を崩すと多くの授業を休んでしまうことになり本末転倒です。睡眠と必要な休憩は取りつつ集中して頑張る時間を少しでも増やして下さい。

算数の家庭教師を行っております。無料相談も行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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