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SAPIXと日能研の比較 ⑪勉強サポート

⑩で親の負担について比較しましたが、⑪ではその他の親の負担のうち、勉強サポート面について比較してみようと思います。

共通して親がやることとしては、勉強のスケジューリング勉強の実務サポートがありますが、これらにも違いがあります。

まず、勉強のスケジューリングについてですが、6年後期はまた違ってきますが、それまでのルーティーンとしては、以下のようなスケジューリングの繰り返しになると思います。

SAPIX
・まずは授業の1週間後までのデイリーチェックまでに一通りテキストを終わらせて、デイリーチェックで満点を目指すためのスケジューリング
→これはシンプルに、学校の宿題とお稽古事の間に全部できるように割り振ればよいです

・約1か月ごとのマンスリー確認テスト(または復習テスト)までに、その1か月の内容を完璧にしてマンスリーテストで良い点数をとるためのスケジューリング
→上の息子は、月の前半にやった2週間分については、記憶が曖昧なところがあるようだったので、定着できていなさそうな箇所はテキストの2周目をさせました。月の後半の単元についても、弱い部分は2周目をさせました。

・クラス昇降制限のない組分けテストまでに、それまで習ったところの弱い部分をさらうスケジューリング
→組分けテストは実力テストだから対策しない、という意見もあるかもしれませんが、弱い部分をさらう良い機会と思って対策した方が良いと判断して、毎度対策しました。具体的には、デイリーチェックとマンスリーテストの間違えた問題の解き直しです。


日能研
・1~2週間おきに行われる育成テストまでに、それまでの内容を完璧にするスケジューリング
→本科のテキストの復習と、栄冠の該当箇所すべてやりました

・1~2か月おきに行われる公開模試までに、それまでの範囲で弱い部分を補強するためのスケジューリング
→公開模試も範囲がないとされていますが、直前の2か月ほどの範囲で出ることが多いので(問題傾向は違いますが)、その中の育成テストで間違えた問題に再度取り組ませました


このスケジューリング面での難易度は、SAPIXの方が簡単です。というのも、クラス昇降に関係のあるマンスリー確認テストの頻度が約1か月に1回なので、割と融通が利くからです。1週間ほど体調を崩したり、学校の宿泊行事などがあっても、なんとか間に合わせることができます。(毎週のデイリーチェックには間に合わないこともありますが。)
ただし、前回のマンスリーテストでブロックが変わって科目の曜日や先生が変わった場合は、一気にスケジューリングの難易度が増します。

日能研は、1回のテストの点数のみでクラスが変わることはありませんが、毎度のテストの成績順でクラス内での座席が決まります。その座席決めに影響する育成テストの頻度が高い(1~2週に1回)ので、毎回の育成テストに勉強を間に合わせる必要があります。やることは決まっていてシンプルなのですが、短い期間の中に体調不良や学校行事が入ってくると、途端に詰みます。

また、育成テストの後にはもう確認テスト的なものはないので、全体を復習する機会がなく、自分達で作らなければいけないのが難しいと思っていました。この点が一番日能研でやりにくいと感じた部分です。
公開模試の時に一応、直近の育成テストで間違えた箇所をさらうことにはしていたものの、絶対にその範囲から出るというわけではないのでモチベーションが上がらないようだったのです。
SAPIXの場合は、マンスリー確認テストはほぼ必ず範囲のテキストから出るので(社会は随分ひねられますが)、テキストを完璧にするモチベーションが高かったと思うんですよね。


次に、勉強の実務サポートについてです。

SAPIX
よくSAPIXはプリント整理が大変だと言われますが、個人的にはそれは大した手間ではありませんでした。1週分ごとにホチキスで留められているので、そのままファイルボックスに入れておけば無くなることはなく、特に整理は不要でした。
6年後期になるとSS教材がバリエーションに富んでいたので工夫は必要でしたが、小分けファイルを利用してしのぎました。

SAPIXは、テキストの問題に解答欄があるので、そこにそのまま書き込めばよい点で親は非常に楽だと思います。コアプラスなど副教材も赤シートだけあれば済むものも多く、やらせる手間がかかりません。

日能研
日能研は、テキストが分厚い本としてまとまっているのは、管理しやすくて良いです。仕分けなどはいらないし、無くしません。

でも、テキストが問題の羅列で、解答欄がないので、これを用意してあげるのが大変でした。
例えば、算数なら、テキストを一旦コピーして、ノートに問題を1問貼り付け、解答スペースを空けてまた1問貼り付け・・・という作業をしていました。テキストに空白を大きく設ければいいのに!と何度思ったことでしょう。
一行題テキストも解答欄がないので、一行分の問題をチマチマ切り貼りしてノートを作りました。

副教材も同様です。SAPIXのコアプラスに当たるような教材でメモリーチェックというものがありますが、これには解答欄があるものの、問題と別の箇所にまとめてあるので、答えと照らし合わせて見るのに使いにくいです。
すぐ横に解答欄作ってくれればよいのに!と思っていました。
そこで、親の手でメモリーチェックの問題部分にオレンジペンで解答を書きこんで赤シートでチェックできるようにしました。

一事が万事、こんな感じで、日能研の場合は、子供が勉強をやりやすくするために親がすべき準備が細かくたくさんありました。
こういう作業を親がやる必要のない子もいるでしょう。自分だけでやる場合は、ノートに「第〇回 ①」などと自分で番号を振ってテキストの問題を見ながら書いていけばいいだけのことなのですが、それだと見直しの時に間違えた問題だけをさっと見にくいのです。
算数などは図を写すのも時間がかかります。最初からコピーを貼っておけばその時間を短縮できます。

そういうことを気にせず自分だけで取り組める場合はそれが一番よいのだと思いますし、本来あるべき勉強の仕方だとは思いますが、なにしろ時間のない中学受験生ですから、少しでも作業時間を減らしてあげたくなって色々とやっていました。

日能研の教材は、読み物としても面白くて優れていますが、実際に解いて答えを書いて丸をつけて見直すのに使いにくいです。
丸をつけるのも、解答だけが羅列してあるので、問題箇所と照らし合わせるのに時間がかかるんですよね。
SAPIXの教材は、問題用紙と同じレイアウトの紙に解答が埋め込まれているものが多いので、該当する解答がどこに書かれているのか探す必要がないのが非常にありがたかったです。

よって、勉強サポートの実務面は、SAPIXより日能研の方が大変だったと思います。でも、日能研でもこういうサポートを全くやらない場合も多いと思うので、人それぞれですね。
効率を追求するSAPIXと、地道な成長を応援する日能研の方針に差があるのに、日能研で効率を求めると親の実務的サポートが大変になるということです。

ところで、SAPIXでも日能研でも、6年になると大量の教材と格闘することになるので、親が教材の取捨選択をすることになりますが、これは日能研の方が各教材の位置づけがわかりやすかったので、取捨選択しやすかったです。
2回目の中学受験だから選択しやすかったという面もあるかもしれません。


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