リフレッシュの時間と空間こそ働く力に オフィスビル開発を手がける林洋平さん(36)@広島
エネルギアL&Bパートナーズ(広島市中区)不動産ソリューション事業部でサブマネージャーを務める林洋平さん(36)は、オフィスビルの開発を担当しています。働きやすいオフィスや職場をどう実現するか。林さんのマイルールを聞きました。(聞き手・榎本直樹、写真・浜岡学)
オフィスビルが働くだけの場所では、今の時代に合わないんじゃないかと思って。今、開発しているのは、岡山市北区で8月に完成する地上約30㍍の9階建てのビルです。眺めの良い最上階はオフィスにするのが一般的ですが、開放的なテラスと、自由に休憩できるリフレッシュスペースを設けます。
人生の多くは、働く時間なんですよね。その居心地を少しでも良くしたい。外出しなくても、職場のビルに仕事のオンとオフを切り替えられるような場所があればいいなと考えました。
遅れていますね(笑)。オフィスビルの開発に当たって、他社の事務所も見学しました。フリーアドレスを採用していたりカフェ空間があったりと、今回、かなり刺激を受けました。
ただ、もともと私は、リラックスできることが大切だという感覚が強いのかもしれません。田舎育ちなんですよ。
時間的にも環境的にも、ゆとりを感じられ、リラックスできる所なんですよ。今も時々、子ども3人を連れて里帰りします。雑音がなくて、カエルの鳴き声や川のせせらぎが聞こえてきます。子どもとタンポポの綿毛を飛ばしたり、魚にエサをやったり。たわいないことをして過ごす時間ですが、すごくリフレッシュできる。仕事のストレスが癒やされるんです。
実家の近くにスーパーは1軒しかないんですが、そこに行けば知り合いがいる。子どもの頃から近所の人たちがみんな私のことを知っていて、よく声をかけてくれました。今も声をかけてくれる。うれしいですよ。人と会うことで、人ってリラックスできるんじゃないですかね。
だからなんですかね。オフィスって、建物だけじゃなく、働く中で何げなく会話やあいさつが生まれるとか、そういう雰囲気も大切だと思っています。開発中のオフィスビルにも「サードプレイス」をつくりたくて。
ファーストが家庭、セカンドが職場を指します。家庭でも職場でもなく、心地よく過ごせる場所をつくる第3の場所があったらいい。そんな場で、休息はもちろん、ビルに入る企業の交流やコミュニティーが生まれたらと思っています。ビルの名前は「居場所」という意味を込めて、「エネプレイス岡山」にしました。
そんな場があったらいいし、つながりを求めることも必要ですよね。私自身、部活の部長、生徒会の役員、組合の委員長をやったりする中で、自然とコミュニティーの大切さを意識してきたように思います。
今の仕事は建設現場に出向くこともありますが、大半は内勤です。携帯電話や内線、メールも使いつつ、人と直接会うことを心がけています。下の階から内線がかかってきても「会って話したらええじゃん」と声をかける。会わないと、ちょっとした表情やしぐさにも気付けないし、本音も聞きにくいんですよね。
昨年の秋から、職場のみんなで登山をしています。5月は似島(広島市南区)に登りました。山頂から瀬戸内海や広島市内を見渡すと気持ちいい。先輩や同期がふと「山に登りたい」と言ったので、「じゃあ、やってみるか」と後輩も誘って。登山なら新型コロナウイルス禍でも大丈夫。仕事とは違う、リフレッシュ感を味わえます。仕事って普通に考えたらお客さまのためじゃないですか。それと同じくらい、職場の仲間のためになることも考えたいですね。あと、好きなものに触れることで気力が充実するっていうのはありますよね。
そろばん塾に通っていました。今も車のナンバー4桁を見ると「4で割り切れるのか」とか、いろいろと考えてしまいます。不動産事業は採算性が伴わなければいけないので、今も計算は好きです。
彼が出場する試合がある日は必ず、仕事前にプレーをチェックします。打って投げて走って、全てに躍動する姿にスカッとして1日が始まる。大谷選手は高校生の頃から、自分がやるべきことをリストにまとめて実践していた逸話もありますよね。刺激を受けます。1度しかない人生、失敗してもいいから、機会があれば何でも挑戦したい。そういう気持ちでいます。