映える!中国コスメ。広島でも心ときめく可愛さが人気です
定番となった韓国コスメに続いて今熱いのが、中国コスメです。手頃な価格なのに凝ったパッケージのものが多く、若者たちが重視する「映え度」は抜群。発色が良く、マスク姿でポイントになる強めで華やかなアイメークに重宝するようです。(栾暁雨)
中国と台湾の計20ブランドをそろえるのは広島市中区の広島ロフト。中でも「パケ買い」続出なのが中国発のアイシャドーだ。
旅がテーマの「フーカルーア」は、世界の都市にちなんだ紙製のパッケージが斬新。15色入りで、東京は桜をイメージしたピンク系、重慶は辛い物をイメージした暖色系。チークやハイライトとしても使えて、これ一つでメークが完了する。
鮮やかな猫柄のパレットが目を引く「ズーシー」のアイシャドーも、心がときめくかわいさ。デザインに負けない発色の良さやラメの輝きも自慢だ。
広島市安佐南区の美容師川角玲奈さん(23)は、インスタグラムやYouTubeで中国コスメが紹介されているのを見て来店。「日本のブランドにはないデザインと、ラメのキラキラ感がいい」とうなずく。あまり使わずに余ってしまう「捨て色」がないのもポイントが高いそうだ。
10~30代の客が多いロフトでは、2年前から中国コスメを扱う。売り場を担当する藤田知美さんによると、SNSで話題になった「チャイボーグ(サイボーグのように完璧で人間離れした中国美女)メーク」をきっかけに注目され始めた。オレンジ系で愛らしい韓国の「オルチャンメーク」とは違い、赤系で強めの印象。アマゾンやネットフリックスなどの動画配信サービスで中国ドラマを見て、コスメに興味を持つ人も少なくないという。
今、中国国内ではZ世代(1990年代半ば以降生まれの世代)を中心に「国潮」デザインの洋服がブーム。中国らしい要素を取り入れるのが特長で、化粧品にも広がっている。
東急ハンズ広島店(中区)で目立つのが、そんな国潮コスメたち。「キャットキン」は中国庭園や鳥などの絵柄で、高級感とモダンさが共存するデザイン。彫刻模様の口紅はアート作品のようだ。
ローズマリー広島パルコ店(中区)では、上海発ブランド「和粧」の「麻雀アイシャドウ」が売れている。なんと容器はマージャンのパイ。レトロなかわいさと43種類もある色の豊富さがSNSで話題になり、プレゼント用にする若者も多い。
チョウの形をした「GECOMO」のアイシャドーも乙女心をくすぐる。羽を開くと6色のパレットが現れ、見ているだけで気分が上がりそうだ。
各店では夏に向けてタイや台湾コスメの注目度も高いという。高温多湿で日差しが強いタイでは、高品質なスキンケアが充実。「シーチャン」のフェースパウダーは、メーク崩れしにくいと口コミが広がる。台湾ブランドでは「heme」が人気。「彼と私」を意味し、男女問わずに使えるジェンダーレスコスメだ。
中国をはじめとしたアジアンコスメ人気にはどんな背景があるのだろう。
広島美容専門学校(中区)の講師でメーキャップアーティストの吉田伊織さんは、「SNS映えと品質、お手頃な価格というバランスの良さが若い子の普段使いコスメとして受け入れられている」と話す。
アフターコロナを見据えて明るい色の服が流行しているのに合わせ、発色のいいメークも好まれている。さらに、身近なコスメを楽しむことで「コロナ禍で『行けないアジア』を消費する感覚もあるのではないでしょうか」とみている。