時を刻む
数年前の聖なる夜に
君が僕にくれた
素敵なプレゼント
消耗品じゃなくて
毎日身につけられて
とても役に立って
君がサプライズとして
お揃いで買ってくれた
それはあっという間に
僕のお気に入りになって
汚れが付かないように
大切に大切に使った
君も毎日身につけていたから
友人に見つかった時は
少し恥ずかしかったけど
とても幸せだったはず
暫くして君と僕は
違う世界で暮らし始めた
そのせいで君は
僕のことを見なくなって
お別れを言うことも出来ず
もう会えなくなってしまった
僕はとても悲しくて
寂しくて寂しくて
ぜんぶ君のせいにして
だけどそれだけは
大切にしまっておいた
君の事を忘れたくなかった
時間が流れていって
君の事を考える暇が無くなって
全ての気持ちを
見て見ぬふりして歩いた
久しぶりにそれを
ただの「モノ」として使いたくて
小さな箱の蓋を開けた
それはもう使えなくなっていた
君との時間を沢山刻んだそれは
その後の一切の記憶を辞めていて
君の笑顔が、泣き顔が
声が、匂いが
抱き締められた温もりが
全て全て溢れ出してきて
辛くて、切なくて
涙が零れ落ちた
きっと君は
僕の事なんてとうに忘れて
新鮮な時間をひとつひとつ
噛み締めているのでしょう
お揃いで買わせてしまって
本当にごめんなさい
僕は嬉しかったけど
君は損をしたかもしれない
その時に君が僕を
それほど想ってくれていたこと
君は忘れたいかもしれないし
忘れてしまったかもしれないけれど
僕はいつまでも忘れません
どうかお幸せに
どうかお元気で