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遅いって。たもとの会第3回レポートと第4回のお知らせ

たもとの会レギュラーメンバーのAZさんの第3回終わってのレポート、受け取っておりましたが、ここにアップするのが随分遅くなってしまいました。
AZさん、ありがとうございます。ごめんなさい。
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こんにちわ、たもとの会参加者のAZです。
レポートとまではいかないけれど、第2回、第3回とおこなってきた、この少し変わった読書会のことを書ければと思っています。
序章を読んだ時は15名ほどいた参加者も2回目からはぐっと減り、大体7名前後で安定するようになりました。1時間読書、1時間お話、というスケジュールだと、大人数ではなかなか十分な会話ができないな、と思っていたところだったので、ちょど良い人数に収まってきた気がします。
竹之内先生がお父様の死に直面した場面から始まる序章を読んだ後は、ご自身の家族の死について語る方が多く、空気が張り詰めた状態でした。続く1章からは、竹之内先生がフィールドにしてきた現場についての具体的なテーマに移っていき、少し緊張が解けたかな、というような印象を受けています。
1章では阿部さんと竹之内さんとの出会いが語られました。本の中で竹之内さんが徹頭徹尾ご自身と向き合い、そして周囲の環境を考察している姿勢が前面に出ているため、読んだ私たちも、自身や自身の周りにいる人との関係についてのテーマに話の中心が置かれました。
「他人に触れながら、自分ってぎこちないなぁ、って思う。でもそんなぎこちない自分が好きだったりもして。」「折り合いをつけるってどういうことなんだろう?」「自分自身が利用者さんのことを本当に考えられてるのかなぁって思う。」実際に人に触れたり、話したりする現場にいる方が多く参加されているので、自然とリアリティのある現在の悩みや葛藤が出てきます。「担当してる人から死にたいって言われる」「なんて返すんですか?」「そんなん(自分で)決められへんのやから知らん!って言う」
ますいさんのお手製ぜんざい美味しかったです。
2章では岡部さんと竹之内さんとの出会いが語られました。参加された多くの方から、「難しい」「1回読んだだけじゃわからない」という声があがる中、私自身はこの章を読んで初めて、ますいさんにとってこの本が必要だったように、自分にとってもこの本が必要だったんだと、実感できた気がしました。序章の会のときに、看護師の参加者の方がおられたんですが、「日々多く出会う死の現場でどう感じるべきか。仕事に慣れる中で最初に抱いた感情が薄れていく…」というようなことをおっしゃっていたことを思い出します。岡部さんは終末期の患者さんの自宅を訪れて治療を行う医師の方でした。文中にも出てきた「ケア」「責任」「橋」といったキーワードを軸に、みなさんがぽつりぽつりと感想をシェアし始めます。その場で言わなかった私の感想を。文中で、娘さんが闘病の末に大学生で亡くなったお母さんの話がでてきます。娘が亡くなった事実自体は「過去」のことだけれど、娘の遺したものを捨てられず、手記などを読み直すお母さんにとって、娘が遺したものに向き合い、なおいまもそこから離れられない状態では、娘の死が「現在」の出来事になっている、と。「過去」の出来事なのに「現在」にあり続けている。逆のことを考えました。これまでの人生で1度だけ会った人。そしてもう2度と会うことはないであろう人。多分みんないるんじゃないかな、と思ってます。電話帳の下の方、あるいは棚の奥に眠る名刺。思い返すこともないような。そんな人たちってもう「死んでいる」状態と変わらないような気がするんです。実際には生きていても、自分の人生の中では死んでいる、知らない間に起きた永遠の別れのような。その人は「現在」生きているはずなのに、「過去」になっ自てしまっている状態。そんなこともあるよなぁ、と思いました。死と記憶、の間には何か繋がりがあるような気がして、これから本を読み進めていく中で、個人的に探求していけたらな、と思っています。
今日はみんなでおはぎと、参加者の1人が持ってきてくれたお菓子を頂きました。

新型コロナウイルスの影響により様々な影響があり、ニュースを見れば、何人感染、何人死亡といった文字が並んでいます。この今の時期に、「死とともに生きることを学ぶ:死すべきものたちの哲学」を皆で読み、感想を共有しながら、死ぬこと、そして生きることについて思索することは、大切なことのような気がしています(手指消毒はしっかりしながら!)
また次回も、よろしくお願いいたします。

AZ

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ということで、あらためましてお知らせです。
5月9日(土)19時から
ぐらんどにて 本(死とともに生きることを学ぶ――死すべきものたちの哲学 3章 土地における「生」の継承――死者と共にある農村との出会い)を読みます。静かな読書と静かな対話の時間です。

※タイトル画像は近所の大安亭市場、三宅天ぷら店の写真です。
今しょうがの天ぷら(100円)にハマっていまして週1回は買って食べています。文章とは全く関係ありません。クセになる味です。


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