不安を感じやすい発達障害の人の「安心のつぼ」
松本死刑囚ら7人のオウム関係者の死刑執行のニュースで、途端に世間がざわつき出した朝。私は情報を得ようとツイッターにログイン。タイムラインには情報が溢れかえっていた。
そんな中に、悲鳴ともとれるような、ADHDや自閉症を公言しているお馴染さん達のツイートをいくつも目にしたんだよね。
情報が過多すぎるのに、自分が処理できる以上の情報を取り込み自分の事の様に苦しんでいるように私には見えて、すごく心配だった…。発達障害の人には、情報の取捨選択が苦手だったり、自他の境界があいまいだったりして情報を必要以上に不安な形で取りこんでしまう人が多いんだよね。
そうこうしている内に、私も限界がきてツイッターをはなれたのね。
私は、嫌な事から離れてしまえば平気になるんだけど、息子や自閉症などの発達障害の人にはそんな簡単に非日常の不安から回復できる人は少ないと思うんだよね。
息子は幼い頃、今以上にこだわりがきつくて、今日の様にテレビ番組が突然報道に変更になったり、あわただしく速報のテロップが流れていつものテレビの様子とは違うものになってしまうと、不安がつのり、常同行動が激しくなったんだよね。
DVDの同じ場面を何度も何度も見返したり、体を前後にゆすったり、部屋中をいったりきたりしたりを繰り返して、非日常の不安からなんとか逃れようとしていたんだと思うんだよね。
多分人ってね、不安に思ってる事に対して過去に安心を得た経験があれば、次からは同じ事に対する不安が減ったり感じなかったり回復が早かったりすると思うのね。
でも自閉症の人は「安心を満たす為のつぼ」が大きいから、その安心のつぼを満たす為に他の人達よりもいっぱい「安心を得る為の経験」が必要になるんだと思うの。だから不安に思ってる事に対して過去に安心を得た経験=安心で満タンになったつぼの数や種類が少ない。そうなると、他の人より不安になりやすいし、回復もむずかしくなっちゃうよね…。
自閉症の人の安心のつぼを満たす行動は、
◆繰り返しのこだわりの行動だったり、
◆同じものを規則的に並べるような儀式的なものだったり、
◆何度も同じ質問をしてみたり、
◆手をひらひらさせて眺めたりする感覚刺激だったり、
◆自分を叩いたり噛んだりする自傷行為だったり、
◆跳びはね続けたり、体を揺すり続けたり、
といった常同行動が多いんだよね。
自閉症のことをよく知らない人には一見風変わりな行動かもしれないけど、「安心の壺」を満タンにする為の一生懸命な行動なんだよね。
だから「何度も同じ事きいてこなくてもさっきも言った通り大丈夫だってば!」「そんな変な行動やめなさい!」の代わりに、その人が「安心だな」って感じられるように、それらの行動に寄り添ってあげてほしいと思うのね。
それと大切なのは、「いつもと変わりない安心・安全な日常」を与えてあげること。ぬいぐるいやお気に入りのおもちゃ、タオル、そういうものに触れているだけでも安心感・日常を感じられるはず。
だからね、今日みたいに大雨で電車が止まったり、学校が休みになったり、川が氾濫したり道が崩れる映像が流れ続けたり、テレビでいつもの番組が差し替えられて見慣れない報道やテロップが流れ続けたり、大人が難しい顔してニュースに一生懸命になってたり・・・。
こういう日こそ自閉症などの不安を受け止めすぎる発達障害のある子達の為に、日常に近い雰囲気を作り出してあげてほしいなって思います。
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