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チャビの海岸物語 ~感じ方が違う子の世界~
自閉症の人の感覚過敏&鈍麻の大変さは、最近では発達障害関係者の中ではけっこう認知度があがってきたよね。
でもね、息子のチャビが生まれた10数年前は、ほとんど知られてなかった。
だからね、感覚の過敏のせいで苦しんでるチャビに無理解だった私は「本人によかれ」と思って無理強いをしたことも度々。
それを今でも後悔してる。
チャビの海岸物語は、そんな後悔の1ページ目。
チャビが1歳半くらいの時、初めて海水浴に行った日のこと。
その日は太陽がギラギラ眩しかったんだけど、風もビュンビュン吹いてて波もそこそこあって、小さい子の海水浴デビューにそんなに適した日ではなかったんだけど、せっかくの休みだったし、大家族用のお弁当も作ったし、簡易テントも買って準備ばっちりだし、チャビも初めての海にきっと喜ぶだろう・・・と大人の都合だけで予定をすすめちゃったのね。
そんな大人の思惑に相反して、海水浴場に到着するなりチャビは固まった。
そして、号泣しながら海とは反対側に走り出した。
でも、「初めてだし、びっくりしたのかな?」くらいにしか私は考えてなくて、買ったばかりのお砂場セットで気をひいたりしてだましだましだっこしながら海に入ったんだよね。
その時の様子が今でもホームビデオに残ってる。泣き叫ぶチャビに「大丈夫だよ。ほら海楽しいよ~」と笑顔でお気楽に話しかける私…。
でも、チャビが感じてる世界は、私が思ってたものと全く違ったんだよね。
大きくなってから、チャビがその日の事を話してくれた。
キラキラ光る眩しいくらいの海面が目に刺さり(視覚過敏)
吹き付ける風が肌に針の様に突き刺さる(皮膚感覚過敏)
ゴーッという風の音とザバーっという波の音で耳が痛み(聴覚過敏)
肌にまとわりついてくる潮風のなんとも言えない不快感と匂い(嗅覚過敏)
それに、迫ってくる波がだただた怖かったと…。
きっと感覚過敏の事を知っていたら、チャビにこんなに怖い思いをさせる事も無理強いすることもなかったと思う。
「知らない」っていうことは、時には凶器になって人を傷つける。その「傷つけてる」ってことにも気づけない。
でも逆に「知ってる」「知ろうとする」ってことは、優しさや思いやりをもって誰かと関われる出発地点なんだろうなって思うのね。
だからこそできるだけ沢山の人に知ってほしいなって思ってこのNoteを書きました。
ある素材の服を着ると落ち着きがなくなる子、髪を触られる事に怯える子、突然耳を両手でふさいでその場から走り去る子、雨の日の外出を嫌がる子、砂場で遊べない子、ブランコを怖がる子、滑り台にのぼれない子、みんなと同じものが食べられない子…。
もしかしたら、感じ方が極端に他の人と違う子なのかも。
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