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出社方針をめぐる葛藤—私と社会問題の交差点 6月5日
先日、会社でこんなことがあった。
突然言い渡された「週3出社」の方針
これまで在宅勤務だった私たちの会社は、この4月に“週1回必ず出勤”というルールに変更された。その時点では、社員たちも比較的素直にこの方針を受け入れていた。
ところが、先週突然、会社の偉い人からメールが届き、“週3回必ず出勤”という新たな方針が通達された。これには社員たちの不満が一気に噴出し、課内で話し合いの場が設けられることとなった。
その場では、約9割の人が週3日出社に反対を表明した。彼らの主張はこうだ。
“今後は在宅勤務をメインにする”と言われたので、遠隔地に家族と引っ越した。方針変更されても困る。
子どもの送り迎えをする人がいなくなり、生活スタイルが大きく変わってしまう。
会社の執務環境より在宅の方が整っており、出社すると生産性が下がる。
突然の方針変更に納得がいかない。
出社に片道2時間かかるため、その時間を業務に充てた方が効率的。
こうした意見が次々と出る中で、現場の社員へのヒアリングもなく唐突に方針を出した会社の幹部たちへの不信感も共有された。
”意見がない”私のジレンマ
一方で、私はどうだろうか。
一人暮らしの私にとって、会社への通勤時間は1時間程度。正直、週3出社に対して反対する理由は“面倒だから”というシンプルなものだ。しかし、課内には子どもの世話や親の介護に追われる人、遠方に住む人など、生活が直接脅かされるからこそ戦わなければならない人たちがいる。その人たちが声を上げるのは当然の権利だと思うし、非難されるべきではない。
もちろん、会社がすべての社員にとってライフとワークのバランスを取れるような環境を提供することが理想だと思う。しかし、私個人としては週3出社になってもライフとワークはそれなりに維持できる。先に挙げたような人々と比べると、私はさほど困窮しているわけではない。
だからこそ、私は何を主張すれば良いのかわからなくなった。自分の利益だけを追求するのは居心地が悪い。しかし、他人の本当の困りごとを完全に理解しているわけでもないし、経営陣の考えもわからない。このような状況では、会社の意図を汲みつつ、皆がライフとワークのバランスを保てるような落としどころを探さなければならないのだろう。でも、その具体的な方法がまったく見えてこない。
社会問題に通ずる私のスタンス
実は、この感覚は他の社会問題においてもよくある。私はある程度恵まれていて、多数派で、職もある(もちろん、この安定した職や生活環境が突然崩れる恐怖は常にある)。その立場から、多くの社会問題に対して“今のところ自分に直接の影響はないけど、こうあるべきだよね”というスタンスで関わることが多い。
この立ち位置の人間は、いったい何ができるのだろうか。自分の意見を伝えるだけでは、おそらく反対側の人々との橋渡しをすることはできない。しかし、こちら側のことも、あちら側のことも十分に理解しているとは言えない。理想論を語るだけではなく、実現可能な解決策を提示する必要があるが、それをどうすれば良いのかわからず、結局何もしないでいる。できて、投票くらいである。
今回の会社のいざこざは、そんな私の悩みを改めて思い起こさせた。