テンセントの2019年Q1決算を読む~コスト管理で最高益更新
今回は中国のネット企業、テンセントの2019年Q1決算についてみていきます。
といっても、テンセントについてご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
まずはテンセントについて、軽く解説しておきます。
テンセントとは?
テンセントは、中国を代表するIT企業であり
中国版LINEとも言われるメッセージアプリ「Wechat/Weixin」を運営する企業でもあり(※1)
動画配信、音楽配信、などでも中国最大規模の利用者数を誇るアプリを運営する企業であり、
カジュアルゲームからオンラインゲームまで幅広く提供する中国最大のゲーム配給会社であり、
世界中の名だたるゲームスタジオを傘下に収める世界最大のゲーム企業でもあります。
※1・・・なお、厳密にはWechatとWeixinは異なります。また、LINEよりもWeixinの方が歴史はずっと古いです。(2011年からWeixin開始)
テンセント(Tencent)は上記のように中国を代表するIT企業のうちの一社であり、バイドゥ(Baidu)、アリババ集団(Alibaba)とともに、頭文字をとってBATなどとも呼ばれています。
テンセントはWeixinなどで構築したユーザー網を利用してゲーム事業を中心に業績を急拡大してきました。
また近年では、テンセントはQRコード決済(ウィーチャットペイ)による手数料収入や、資金運用手段としての金融サービスも提供。
Weixinなどの他、動画アプリなどを利用した広告収入も拡大してきており、事業規模を急拡大してきた企業でもあります。
なお、テンセントに関して詳しくは同社ホームページを見ていただくか、Wikipediaなどでご確認ください。
とりあえず、今回はテンセントの決算資料をもとに今期業績を解説するとともに、同社のゲーム事業が現在置かれた環境などについても見ていきたいと思います。
まずはいつものように、お手元にテンセントのサイトから以下の決算資料を落としてきてご用意ください。
今回は以下のものを中心にみていきます。
TENCENT ANNOUNCES 2019 FIRST QUARTER RESULTS
※なお、以下に載せる画像の多くは特別な表記がないかぎり同社の決算資料より引用しております。
※以前のテンセント決算に関しては以下をご覧ください。
テンセント 2019年Q1決算 概略
テンセントの2019年Q1決算は上記のようになりました。
まずRevenues(売上)の下にVAS、Fintech and Business Servicesなどとありますが、これは各セグメントの売り上げを並べたものになります。
これまでその他項目(Others)に分類されてきたFintech事業(金融事業)の収入ですが、今回からは独立した項目になっています。
そのため、Othersの項目は以前よりも激減しています。
とりあえず、個人的短評としてざっくりいうと、成長率は非常に落ちたけれど、コスト管理で利益を捻出した決算・・・といえます。
その説明をするために、まずは四半期ごとの業績推移をみてみましょう。
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