東京エレクトロンの2019年3月期通期決算を読む~半導体製造装置の本格回復は後ズレすると個人的に予想
有料note第3弾は東京エレクトロンの2019年3月期決算を解説するとともに、半導体業界全体を俯瞰した記事を書いていきます。
東京エレクトロンはいわずと知れた半導体製造装置メーカーの世界的大手です。(単純な売上高では3位もしくは4位クラス)
同社は半導体製造工程のうち、いわゆる前工程と言われる部分を担っており、主に成膜からレジスト塗布・現像、プラズマエッチング、レジスト剥離・洗浄、絶縁膜成膜の過程のほか、プローブ検査などの分野で高いシェアを誇っています。
(東京エレクトロン2018年Q4決算資料より)
とくに次世代の半導体生産技術の鍵を握るEUVを利用した量産ライン向けコータ・デベロッパシェアではほぼ100%を握るなど、東京エレクトロンはこの業界において不可欠な企業となっています。
今回は、そんな東京エレクトロンの決算を踏まえながら、全体的な半導体市況も含めて予測していきたいと思います。
※なお、半導体製造工程に関しては以下のサイトが参考になります。
東京エレクトロン2019年3月期通期決算(Q4決算) 概略
というわけで、本題の決算についてみていきましょう。
とりあえず、いつものようにお手元に会社側の発表している決算資料などをご用意ください。
今回は以下のものを中心にみていきます。
※なお、以下に載せる画像の多くは特別な表記がないかぎり東京エレクトロンの決算資料より引用しております。
※過去の東京エレクトロンの決算に関しては以下をごらんください。
まずは東京エレクトロンの2018年Q4決算について、短信でざっくりとみていきましょう。
以下のようになっています。
対前年比で売上、営業利益ともに上昇しており悪くないようにみえますが、これは年前半までの貯金によるもの。
四半期ベースでみると以下のようになります。
東京エレクトロンは、2018年上半期までの好調な推移から一転、下半期は大幅に売り上げを落とすことになったことがわかります。
この背景にあるものは何でしょうか。
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