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カミングアウトと多動とすごろく

こんにちは。決算真っただ中の、なかだいらです。
このnoteでは長男ナオ、次男リョウが発達障害の診断を受けた流れ、その後バリ島で育て直しを行った体験の記録を、本人の許可を取ったうえでつづっていきます。
バリ島へ行ったのが2009年。まずはそれまでの日記を出していきます。

2006/5/22「いつかまとめたい」

◎トム・クルーズ、娘の命名を間違えた?
https://www.cinematoday.jp/news/N0008252
トム・クルーズのことが記事になるたび、ちょっと胸が痛む。
ぶっ飛んだところをすべて障害のせいにしちゃいけないけれど、なんかね……。世間が彼を笑いものにするたびに嫌な感じが残るんだ。
LD(学習障害)のこととか、ちゃんと知って欲しいって思う。

以前読んだ新聞記事に「問題は、本人も周囲も障害の可能性に気付かないまま、疎外感だけが増幅していくことにある」という一文があった。
うちの長男はADDといって、注意欠陥多動性障害(ADHD)の多動の無いタイプなのでほとんど気がつかれない。
(↑さらりとカミングアウトしてみる)

ただ、本人の中には小学校1年生のときから「席にじっと座っていること、連絡帳を書くこと、みんなは簡単にできることなのに、僕にはできない。それは僕がバカだからだ」という困り感があった。

当初は私も担任も「やればできる」と、本人の気力の問題だろうと思っていたので、くどくどと説教していたのだ。そのうち、「ママ、僕は時々包丁で自分を刺して死んでしまおうかと思うんだ。僕は大人を怒らせてばかりいるから」と、深刻な自己否定感を呟くようになり、そこからは私も猛勉強した。

親として犯した過ちと、その後の試行錯誤の日々、このことから得た大きな学び、うまく行っている工夫と今後の課題など、改めてまとめておきたいとずっと思ってる。

障害名が一人歩きしてしまうのが怖くて、ずっと言えなかった。でも、言いたいことは山ほどあるんだよ。

専門書にも「発達障害は本人や保護者はもとより、それを周囲の人々が理解し、適切に導くことができれば、場合によっては人より優れた個性として問題とはならない」とあるように、周囲に理解してもらえるよう、当事者は適切な言葉で話を始める必要があると思う。

特別支援教育が「障害のある子供だけにサポートを」という間違った方向に転ばないように、「どんな人間にだって、得意なこと不得意なことがある。ひとと違う=間違い、ではないと気づくこと。全部ひっくるめて自分を大切に思う気持ちを持つこと。そして同じように他人も大切に思うこと」という意識も同時に伝えていけるように、できる限りのことをしていきたいと思う。

2006/5/27「姿勢悪すぎ!」

ゲームをする長男。この姿勢が楽なんだとか。

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今日はパパが泊まりなので二段ベッドの上に兄弟ふたりで寝ます。
弟のリョウは被り物を被って本読んでます。

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2006/5/30「朝から」

靴下履けー、から始まってガミガミ言い通し。「やれ」ということをやらない。「やるな」ということをやる。そんな繰り返しの毎日。
誉めて伸ばすをモットーに、とは思うけど、余裕が無いとやっぱり怒っちゃう。叱るではなく感情的に怒る。そんな自分に嫌気がさす
さて、あの二人をどうしたものか…。朝を穏やかに過ごすための作戦を練らないと。
長男の名札が行方不明。うっかり屋なので物を無くす名人だ。スペアの名札が4つあったのに、もう無くした。えんぴつも消しゴムも業務用に箱書いしてる。でも無くす。キリが無い。

2006/6/1「引継ぎ」

家庭訪問の時期と出産が重なったので、昨日長男・次男の担任と面談してきた。
次男は口の悪さを注意された。保護者の方から相談があったとか。やばい。

心配だった長男の方は、案の定去年の担任から十分な引継ぎがされておらず、またイチから対応の説明……。予想はしていたけど、ガッカリ。

ただ希望の光なのは、新しい担任は前向きで長男の特性を理解しようという姿勢が見えること。現場での問題や対応の仕方など、担任から積極的な意見がたくさん出てきたし、質問も多かった。
信頼感を持って色々なことに一緒に取り組んで行けそう。
特別支援教育員の先生とも顔合わせできたし。
これからも前向きに、やれることをやっていこうと思います。

2006/6/3「みんなと違う」

先日の面談でも習い事でも、みんなと同じように行動しない(できない)長男が浮き始めてるみたい。

1,2年生のときは周囲のみんなも気がつかなかったけれど、3年生くらいになると「どうしてあの子だけウロウロしていていいの?」と、自然に気づき出す。もっともだと思う。

担任やコーチなど、指導する側としては3つの問題に直面する。

1)他の子と同じように叱って良いのか
2)伝わりやすい指示の仕方はあるのか
3)他の子たちにどのように説明したら良いのか

これについても、後々まとめたいと思う。
今日はメモまで。

2006/6/15「なんでだー」

またしても母がふいに「さくらんぼを狩りに行く」と福島まで行ってしまった……。夕飯はピザに決定だ。

私はとにかく片付けが苦手で、開けた引き出しを閉めることも、努力しないとできない。出しっぱなしのものを、母や夫が拾って歩いて片付ける。いつもはそんな状態。すみません、家族のみんな。

母が出掛け、子供たちは学童へ。夫は仕事。
家には私と新生児だけ(あと猫5匹)。

なのに、どうしてもう部屋が散らかってるんだろう。
それも「男の一人暮らし」的な散らかりよう。どうなってるんだ。
ようやくココが寝たので、いまから洗濯を干します。(14時。絶望的)
みんなが帰宅する前に片付けないとヤバイ!

2006/6/17「すごろく」

じっとしていられない病の長男・次男とゲームをすると、本当にクッタクタになる。
今日はこどもチャレンジが届いたので、次男の教材「たしざんひきざんすごろく」を3人でやった。

何が大変かというと、とにかく二人ともじっと座っていない。座卓に広げて遊んだのだが、身体は動かしたい、でもすごろくからは目を離せない。だから、ウロウロどこかへ放浪はできない。

そのぶん二人とも自分の番じゃないときは、反復横とび状態でばったんばったん左右にジャンプしてる。または座卓に手をついて足だけが動いているかと思えば、ソファに上ったり降りたり。

そのたびに、こまが倒れて喧嘩

次男の方は、さいころをぶん投げるか叩き付けるかで、さいころもこまもどこかに飛んで行く。で、喧嘩。
さいころを探して拾うのにも時間をロスする。

最終的には俺が勝った! 負けた! で、喧嘩。
ただ穏やかにすごろくやりたいだけなんですけど。

つづく

次回は「長男ナオ、次男リョウのためにラブレターを書く」をアップします。

■当時をふりかえって補足 2021.9.21
当時、発達障害に関する日記は、mixiで非公開記事として書いていました。子供たちの障害についてカミングアウトしたのは、このトム・クルーズの記事を書いたときが初めてでした。ついでに言っちゃえと思って。mixiで繋がっていた学童のママ友・パパ友、昔からの友人たちは、みんな「そんな苦労があるなんて全然知らなかった」と心から深く理解を示してくれて、その後長きに渡り私たち家族を支えてくれたのでした。
その反面、子供の障害は彼らの個人情報なので、親が勝手にベラベラしゃべるものでもない気もしていました。なので信頼できる一部のひとにしか言えない。でも、いつかまとめたい。
あれから16年かかって、本人たちからもOKをもらって、いまこうしてまとめつつあります。
多動すごろくの件はいまではまた違った見方をしていて、動くことですごろくに集中できていたんだろうなと思っています。

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