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子供にもできるタスク管理法「めくりめくり」

こんにちは。きのこが大好き、なかだいらです。
このnoteでは長男ナオ、次男リョウが発達障害の診断を受けた流れ、その後バリ島で育て直しを行った体験の記録を、本人の許可を取ったうえでつづっていきます。
バリ島へ行ったのが2009年。まずはそれまでの日記を出していきます。

2006/11/5「めくりめくりを導入しました」

ナオ(小3)もリョウ(小1)も、日々の生活をこなすことがとにかく大変。
言って分かるタイプじゃないんで。「こんな凝ったことする必要あんの?」と思われるかもしれないけれど、これが無いと毎日小言の連発・くり返し。親も子もゲンナリなので、どうにか良い手は無いか工夫を重ねてる。

いまやっているのは「めくりめくり」。
厚紙の両側に輪ゴムを通してめくれるようになってます。
朝の準備バージョンと夕方の準備バージョン。
ひとつできたらめくる、次もやったらめくる。
全部めくれたら飴ちゃん。

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このシステムだと親がいちいち声をかける必要もなければ管理の手間も無い(親も管理できないビョーキなので)。
で、見て分かりやすい。何をやっていないかが。

目標はこんなもの無くても全部できるようになること。
ちょっとずつでもいいから、身について欲しい。
ちなみに、ナオとリョウそれぞれにこの表を作ってあります。
朝バージョンを全部めくると夕方バージョンになります。
朝バージョンの「8:30~3分かたづけ」は「7:30~」の間違い。
こういうところが抜けているのが私のミリョクです。
リョウはやらずに全部めくる確信犯なので対策を練れねば……。

2006/11/6「子供の成長について」

子供の成長・発達について印象的だった話を二つ。

◎心理学的にガメラを分析する
ちょっと前に公開された映画「小さき勇者たち~ガメラ~」の予告を見て、精神科医の名越康文氏がこんな見解をしていました。
映画は海で出会った亀(実はガメラ)と少年の友情がテーマ。

「最近、私のところには若いひとたちが相談に訪れるケースがとても多い。『就職先で失敗した。立ち直れない』『受験がうまくいかない。死にたい』など、挫折に対してとても弱い傾向が見られる。それはなぜか。
この映画はガメラを育てながら少年が成長していく姿が描かれている。生き物を育てるというのはうまくいかないことの連発。じゃあどうしよう、こうしたらどうだろう、と、育てる方も少しずつ成長していくもの。
昔は大家族の中で弟妹の姿を見ながら育つ。寝返りがうてなかった子がうてるようになる。歩けるようになる。できるようになるまで失敗を繰り返すけれど、いずれできるようになる。
『僕たちは未熟だけれど、成長していくことができるんだ』兄弟がいたりペットを飼ったりしていると、そのことを自然に学ぶことができる。一人っ子が駄目とか、そういう意味ではないけれど、成長について自然に学べる機会が減ってきているな、と感じる」

ガメラをそういう視点で分析できるところがまずすごいけど、「なるほど~」と思った。たしかに我が家の息子たちは三男を見ながら試行錯誤、彼らも成長していると実感できる(ちなみに、私も夫も一人っ子)。昨夜まで生きていた猫が朝死んでいるとか、そういうことも彼らの心の成長に必要なことだよなー。
安心して子供が産めてペットが飼える住環境も簡単に手に入る世の中だといいね。

◎能力を維持するポイントは…
こちらはNHKの赤ちゃんの脳特集で見たある実験のお話。
昔は赤ちゃんの脳はだんだん発達していってある時期が来るとそれが止まる、と考えられていた。
現在は、生後8ヶ月ごろが脳内シナプスの数が人生においてピークを向かえ、だんだん減っていくことが分かっている。
「r」と「l」など母国語に無い発音の聞き分けや、子猿の顔の識別など、大人になった私たちにはちょっとできないことを、赤ちゃんの頃は誰もができるんだって。無限の可能性を持っているんだけれど、使わない能力は「いらないもの」として淘汰されていく。
こうなると、親たちは「グローバルな人間に育って欲しいから、常に母国語以外の言葉を聞かせて能力を維持したい」と考える。
そのあたりの研究をしたひとの実験が面白かった。

そのまま普通に育てられた赤ちゃんたちと、母国語以外の発音(実験では中国語だった)を定期的にビデオ学習させられた赤ちゃんたちとを比較する実験。ビデオには中国人の女性が出てきて、お人形たちを使って全て中国語で進行する。この実験の結果は、なんと

「どちらの発音能力も変わらなかった」。

つまりビデオ学習には何の意味も無かった! どういうこと!?
研究者にとっても予想外だったみたい。

さらに興味深いのは別の方法だと発音能力を赤ちゃんたちは維持できたんだって。それは、さっきのビデオと同じ女性がビデオの中で行ったことと全く同じことを「赤ちゃんと対面して」行った場合。対面する時間はビデオと同じ。ビデオも対面も内容・時間どちらも同じなのに!

詳しいことはまだ解明されていないけれど、実際に接することによってだけ得られる何かがあるんだ。
やっぱり顔を合わせたコミュニケーション、言葉だけじゃ伝わらない何か。これは大事だ、重要だと再確認した内容でした。

2006/11/11「色々な経過報告」

なんだかバタバタした日々が続いているので自分のために状況を整理整頓します。

◎ココの成長
離乳食は順調に進んでいます。毎日のように兄二人が「俺が食べさせる!」と喧嘩。ココは食べる気満々です。
今日は長男ナオが食べさせてくれました。

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はいはいの練習をしているのか、うつ伏せの状態でお尻を高らかにあげてイゴイゴ動かしていたココ。
へそを中心にぐるぐるまわる状態から、あっという間にずりばいへ。そこからお座りへ。急に進化しました。最近ようやく人見知りをするようにも。

◎ナオ(3年生)
突然、漢字を書くようになりました。いままでは座って取り組むこと自体が難しかった(床に寝たりロッカーに入ったりすることが多かった)けれど、最近はなぜかプリントいっぱいびっしりと漢字だらけ。先生に聞いたところ、特に何か工夫をしたわけでは無さそう。興味が向いたんだろうね、きっと。

2年生の漢字は相変わらず放置したままだし、漢字を活用できるレベルまでは至っていないけれど、とにかくすごいことです。プリントを全部埋めてあっただけで泣いちゃいそうでした。頑張ったんだな~って。文字が四角(枠)からはみ出てないじゃん!
今月は特別支援教育巡回指導員が回ってくるそうなので、ちょっと話をしてみようと思っとります。

◎リョウ(1年生)
とにかくいまは頭の中が空手一色。
今週の火曜日から、近所の空手教室にナオと一緒に入門。もう強くなった気分です。「俺、毎日空手がいいなー」とのこと。ブルース・リーの映画でも借りて「強いってカッコイイ」を更に植えつけようと思ってます。押忍。

学校の方はボチボチ。勉強は嫌いだけれどお友だちと遊ぶのは好きみたい。「俺、算数が一番嫌い。次に嫌いなのは国語。次に嫌いなのは生活。次に嫌いなのは音楽。次に嫌いなのは図工」というので、「一番好きなのは?」と聞いてみた。
「一番好きなのは休み時間」「次に好きなのは?」「次に好きなのは図工」「次に好きなのは?」「次に好きなのは音楽。次に好きなのは生活。次に好きなのは国語。次に好きなのは算数」「好きなのがいっぱいあって良かったね」「………」
言葉の罠にはまったことに気づいたか、リョウ。

◎仕事
事業内容の転換を考えていて、いま精神的にも経済的にも結構大変。ストレスフリーな世界が目標だけれど、自分にストレスが溜まっていちゃだめね。やりたいことをやりたいなー。
でも、大変なときってステップアップのときだとも思えるから、前向きに受け止めて取り組んでマス。頑張るじょ!

◎家計簿
家計簿をナオに頼むことにしたんだけど、私の方がちっともレシートなどを出さないので簡単に挫折。パソコンで管理できるものをいまやろうとしているけれど……ふっ笑、できるかな私よ、と、もうひとりの冷静な自分が冷めた目で見てる。
毎月いくら使っていくら入るのか全然分からない。怖いことです。

◎勉強
聖徳大学の通信教育部で心理学科を受講したいとずっと思っているんだけれど、会社が落ち着くまで手を出しちゃいけない気がして考え中。
秋の部の願書締め切りは今月いっぱい。う…うぅ。

◎読みかけの本
・アスペルガー症候群とパニックへの対処法
・スクールカウンセリング モデル100例
どっちもすぐ読みたい。

◎落語
ザ・ベリー・ベスト・オブ落語(CD14枚組)を毎晩少しずつ聞いています。
古今亭志ん生の「替り目」はもともと好きな話で、落ちが良い。三遊亭圓生の「文七元結」は人情物の心温まるお話で好き。金原亭馬生の「親子酒」、息子が帰ってきて言ったひとことは最高。私のNo.1は桂文楽の「酢豆腐」かな。若旦那のキャラが最高なので、前半を飛ばしてそこだけ聞くほど。
落語は想像力で楽しむものだから、子供たちにとっても良い教材と思うわー。

◎猫
猫アレルギーの私にとっては「アレルゲン」です。いっぱいいるなー。

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一番奥のビビは気むずかしいので他の猫みんなから嫌われていて、特に普段穏やかな三毛猫にゃーとの相性が悪い。なので微妙な距離感でご飯を食べています。
そんな感じで、今日も頑張るよー!

つづく

次回は「学校の様子を子供に聞くコツや、療育のながれ」をアップします。

■当時をふりかえって補足 2021.9.28
めくりめくりは長男には有効でしたが、次男はめくることが面倒で、この方法は身に付きませんでした。
次男も同じ方法でタスク管理するとしたら、数を3つくらいに減らして、タスクの内容も「いまできていること+1」くらいの容易なものからスタートすれば良かったと思います。
猫たちは病気や老衰で亡くなり、いまいるのは一番手前のチョコ(17歳)と新しく来たフウタ(3歳)の2匹だけ。気難しいビビは20歳まで頑張って長生きしてくれて、今年の夏、虹の橋を渡りました。
子供たちは猫を看取り、火葬し骨上げまで参加させているので、生き物が死ぬということから何か学んでくれたらいいなと思っています。

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