過集中や次男の診断結果について
こんにちは。ローストビーフに惹かれる、なかだいらです。
このnoteでは長男ナオ、次男リョウが発達障害の診断を受けた流れ、その後バリ島で育て直しを行った体験の記録を、本人の許可を取ったうえでつづっていきます。
バリ島へ行ったのが2009年。まずはそれまでの日記を出していきます。#058
2008/1/8「過集中」
4年前、まだナオが小学1年生だったころ。学校の先生から「授業中の立ち歩き、床に寝転ぶなど問題行動が著しい。普通はつまらない授業でも座って聞いていられる」と、言われた。私は最初、先生に問題があるんじゃないかと思った。その後、色々なご縁で発達障害の専門家と出会い、ナオが注意欠陥多動性障害(ADHD/ADD)かもしれないと分かった。
病院に診断を受けに行ったとき、私はまだ勉強不足で、こんな疑問を持っていた。
(1)保育園や家、学童では問題が無いのに学校でだけ落ち着きが
ないなんてオカシイ。障害だったら場所によって使い分けが
できるはずない。
(2)ナオは集中力がある。本を読むときは人一倍集中できるし、
映画館やレストラン、寄席などでもそれなりに座っているこ
とができる。
そのことを質問すると、専門医はこう答えた。
環境によって状態が変化するのはADHD/ADDの典型的なパターンです。
そもそも、好きなことをしているときに、ひとは「集中力」を使っていません。「集中力」とは興味の無い何かに注意を持続する力のことを言います。ADHD/ADDは注意をコントロールするのが難しいという障害です。本を読むときに人一倍集中しているのもADHD/ADDの典型的な症状で「過集中」と言われる状態です。
ななななな、なるほど~!!
目から鱗。そうなんだ。好きなことをしているとき、ひとは集中力を使っていない。納得。
それ以来、まぁ色々なことがありまして、小学4年生のナオはいまとてもいい状態です。私と対等に禅問答をします。
いま思うことは、「本人が困っている」「周囲が困っている」のどちらかが発生しているときは何かしら手を打つけれど、それ以外は好きにさせてもいいかなーということ。しつけとか、最低限これだけは、という線引きが難しいけど、基本スタンスは「そのままでいい」ってこと。
あと、やっぱり何に過集中を示すかを探るのはとても楽しい作業です。色々な体験をさせて、何が好きか本人が判断できるように、機会をいっぱい増やしてやりたいなーと。
ここのところ本人が思う過集中ベスト4(←変な数)は
1.釣り
2.ゲーム
3.読書
4.テレビ
だそうだ。ゲームとテレビは誰にとっても過集中を起こさせやすいものではあるよね。
日曜日も沼に行ったけど、右手に竿を持ち、釣り糸をぼんやり眺めながら空いた手で練り餌をこねこねしていた横顔はとても良かったゾ。私も結構、釣りが好きかも。
2008/1/11「今夜、見てね♪」
今日の夜10時からTBSにて、ドラマ「エジソンの母」が
スタートします。
たぶん、主人公の男の子は発達障害でそれに関わるドラマだと思う。
ドラマのタイトルにもなっているけれど、エジソンは
●LD(学習障害)
●ADHD(注意欠陥多動性障害)
●アスペルガー症候群
を、併せ持つ人物として有名です。
どのような形で描かれているのか見て見ないと分からないんだけど、発達障害を知るきっかけになるかなーと。
学級崩壊の原因のように描かれていないことを祈る……。
2008/1/15「小さいけど大きいこと」
忘れてしまいそうなくらい小さな会話。
忘れないように記録しておこう。
漢字が苦手な長男ナオとの会話。
それは唐突に始まった。
ナオ「母さん、"ひと"と"さかな"で"にんぎょ"?」
私 「そう! そうだよ!」
ナオ「じゃあ”さかな”と"ふね"で"ぎょせん"?」
私 「すごいすごい。その通り! 人と魚で人魚。魚と船で漁船(あ、違うじゃん。いま気づいた)。ということは、"さかな"という字は他に何と読むことができるってこと?」
ナオ「ぎょ」
私 「そうそう、すご~い! じゃ、「ひと」という字は?」
ナオ「にん」
私 「そうだね~。じゃ"ふね"という字は?」
ナオ「せん」
私 「あたり! そうやって覚えると覚えやすいよね。漢字には意味があるから覚えやすいんだよね。数字には意味が無いから覚えにくいよね」
ナオ「オレは意味が無いから数字の方が覚えやすい」
私 「そ…そうなのかぁ…」
ナオが漢字について何か気づき始めた大きな1歩の会話でした。
また、私にとっては「意味が無い方が覚えやすい」けど、ひとによっては「意味が無い方が覚えやすい」という新しい視点を知る機会にもなりました。興味深いね~。
2008/1/22「リョウ診断結果」
昨日、筑波大付属病院を受診。
リョウはADHD+アルファとのこと。+アルファについては、自閉傾向が若干入っている、愛情形成の問題。
自閉傾向については、言葉の裏が読めない、ニュアンスが伝わらない、空気が読めないなど。
ベタベタするのは愛情形成の問題。兄弟げんかが激しい家庭は、どちらか一方(もしくは両方)が「自分だけ愛されていない」と思っている場合。
みんな同じように育てているんですけどね、という親が多いけど、みんな同じじゃだめ。それぞれが特別じゃなきゃだめ。
リョウと過ごす時間を増やすこと。
母親の愛情が不足しているのではなくて、子どもがちゃんと認識できる形で伝えてやること。
2008/1/22「親に感謝してること」
母親に感謝していることは、私という人間を肯定し続けてくれたこと。
おかげで「何があっても私は大丈夫」という気持ちでいられるし、「きっと色々なことができる」という自信も希望も夢も持っていられる。
もちろん、悪いことをしたときは叱られたけど、「私」と「行為」を切り離して「このような行為は○○だからいけない」と分かりやすく説明してくれた。
決して「あなたが悪い」ではなく。
自分も子どもたちの人格を肯定して育てていきたいな。
と、思いつつ、なかなか難しいよね~。
昨日、専門医を受診して、次男がADHD+アルファであるとはっきり分かった。やっぱりな~。
私と母は未診断だけど確実に同じ傾向があるので、落ち着きの無いひとに囲まれた夫は大変だろうなぁ(笑)。
診断名がつこうとつくまいと、私はこの特性をとっても魅力的に思っていて、良いところをいっぱい見つけて伸ばしていきたいと思ってる。
社会生活をしていくうえで困難なこともたくさんあるので自分が困らない程度に、周囲にもなるべく迷惑をかけない程度に適応していけるようになったらいいな、と思ってます。
何が困難なのかはそれぞれ違うし、どの程度困っているかも違う、どうしたら適応していけるかも効果的な方法がみんな違う。
早速泊まり明けの夫と話し合って、我が家としては適応のラインをどの程度に設定するか、とか、今日からできること、スケジュールを調整すればできること、などを簡単に決めた。
+アルファについては、言葉の裏を読んだり、状況を判断したりするのが苦手な若干の自閉傾向がある、というのと愛情形成の問題とのこと。
「さっき言ったでしょ」とか「早くしなさい」のような指示じゃ分かりにくいんだよね。私たち側がボールの投げ方を工夫して、リョウが受け取りやすいようにする、と。
必要以上にひとにベタベタするとか口に物を入れるとかは愛情形成の問題とのことで、兄弟げんかがひどいのも、どちらかが「自分は愛されていない」と感じているからだとのことでした。うちの場合は両者がそう思っているみたい。
いままで「働いている親に"お子さんは愛情不足です"は禁句」と思っていたけれど、色々な専門家に会って色々な本を読んで子どもたちを見ていて気づいたことは
親の愛情が不足しているのではなくて
その表現の仕方では、子どもに伝わらないというだけ
どうしたらその溢れかえる愛情が伝わるか
一緒に考えていけたらいいね
という立場が専門家の仕事だと思った。
医師との会話は毎回新しい発見があるんだけれど、今回は
「兄弟・姉妹を育てている親御さんがよく”みんな同じうように育てているつもりなんですけどねぇ。どうしてこの子だけが……"と言うんだけれど、"みんな同じ"じゃ駄目なんですよね。それぞれが"自分だけは特別だ"と感じながら育っていけるといいと思うんですよ」
という言葉に感銘を受けたなー。その通りだと思う。
なので、長男や次男、三男と1対1で過ごす時間をもっと作っていきたい。また、次男にとって「これ!」とヒットするような何かを見つける手伝いをしたい。そして毎日、こどもの人格を否定しないように、でも悪いことは悪いと毅然として仲良く楽しくおバカにお気楽にやっていきたいなーと思った次第でありますっ!