星新一「悲しむべきこと」から学ぶこと
星新一は、1000をも超える短編をつくり、どれも面白い。
それを分析すれば、面白い短編ってのをみんな書けるんじゃね?ということを発端に、星新一のショートショートを調べるnoteである。
以下ネタバレ!!!!!!
悲しむべきことは『ボッコちゃん』に収録されている。
文字数:2,459文字
●面白さのロジック
フィクション×リアリティ
漁夫の利
情報の非対称。エヌ氏は知っていてサンタクロースは知らない。
登場人物
大きな邸宅に住むエヌ氏
本物のサンタクロース兼泥棒
5w1h(サンタクロース視点)
●いつ
クリスマスの夜
●どこで
エヌ氏の大きな邸宅で
●誰が
サンタクロース(自分)が
●何を
泥棒(強盗)に行った
●なぜ
子供にプレゼントを配りすぎてお金がなくなってしまったから。
●どのように
煙突から侵入し、エヌ氏からお金を手に入れようとした。エヌ氏はサンタクロースに痛く同情し、本来サンタクロースがもらうべき金銭を然るべきところから入手すべきと語る。この街一番のデパートはクリスマス(サンタクロース)を使って大いに稼いだため、そこからお金を取ると良いと助言をうけ、デパートへ向かった。
5w1h(エヌ氏視点)
●いつ
クリスマスの夜
●どこで
エヌ氏の大きな邸宅(自宅)で
●誰が
サンタクロースが
●何を
強盗に来た
●なぜ
子供にプレゼントを配りすぎてお金がなくなってしまったから。
●どのように
煙突から侵入し、エヌ氏からお金を手に入れようとした。空飛ぶソリもあり、サンタクロースは本物だとエヌ氏は判断した。
エヌ氏はお金に困ったサンタクロースを助けようとお金を払おうと思ったが、もっと良いことを考えた。
エヌ氏はクリスマス商戦で大いに儲けた業界1位のデパートの金庫からお金を取ることを勧めた。クリスマス(サンタクロース)をダシに儲けたところからお金を取るのがいいとサンタクロースへ勧めて。
これにより、サンタクロースはお金にこまらず、貧しい子どもたちもプレゼントを貰え、エヌ氏の経営するデパートはかわって業界1位になれるからだ。
考察
・フィクションの存在がリアリティを演じることによって生じるアンバランスをネタにする。
・二名の登場人物。登場人物が同じ情報を有していない。エヌ氏は知っている、サンタクロースは知らない。この情報の差でオチを作る。