今流行のChatGPTといふものを、私もしてみむとてするなり
ChatGPTを使ってみて感じたことについて。
「ホワイトカラーに産業革命が来る」と言われているため、怖さと興味本位でちょっと使ってみた。
初めて聞いたときは、iPhoneのSiriや、Googelアシスタントのチャット版?という印象だったけれど、使ってみるとそれよりずっと高度な、まるで人間が考えて書いてきたかのように返答をしてくれる。
試しに人生相談をしてみた。
私:「子供を産みたいという気持ちと、産むと不自由な人生になるかもしれないから産みたくないという気持ちの間で揺れているの」
ChatGPTからの返答は…
…なんというか、正論すぎて言い返せない。特に「自分自身が何を本当に望んでいるのか、そしてどのような人生を送りたいのかを真剣に考えることが必要です。」のくだりなんかは、ぐうの音も出ない。
(意思や感情がない存在に「本当は何を望んでいるのですか?」と聞かれるとなんだかすごく奇妙な感じがするけれど)
無料版でも、これだけの長文を1分と待たずに作ってくれる。
作れる文章も自由自在で、
「この文章を要約して」とか
「1000文字程度で書いて」とか
「小学生が書いたように書いて」とかリクエストもできる。
小学生が答えてくれた風にすると
「うんそうだね、相談にのってくれてありがとう…」と言いたくなるような返答。私みたいにコミュニケーション苦手な人間は、こいつを話相手に案外楽しい時間が過ごせそう、なんて考えてしまう。
無個性というか、何の引っ掛かりもなくさらっと読めてしまう文章だけれど。(美女の画像を合成したら最高の美女の画像ができるかと思いきや、きれいだけど何の印象も残らない女性の顔になるというのに似てるかも。)
とはいえ、世の中には、無個性でも何の問題もない文章、ビジネス文書、販売サイトの商品説明、マニュアルまとめブログ記事、時事ニュース、なども多い。
これだけだと「確かにすごいとは思うけどな…」という程度の認識だったが、以下のYouTubeを観て「やばい…」という気持ちになった。
消える仕事の中に私の仕事が入っていたことには多少、いや結構ショックを受けた。就職時、どんな状況下でも食いはぐれがないように手に職をつけようと思って選んで、自分のデキの悪さにこっそりトイレで泣いたことも数回という中で、何とか(同業の中では平均以下だけど)身につけたスキルだったのに…ChatGPTを使いこなす人にあっという間、というか秒で追いつかれる現実。それに人が作成しない方がミスなくできてしまうし。
ただ、このYouTuberさんの解説で救われたところは、ChatGPTの弱点=人間にしかできないことは何かというところまで聞けたこと。
①質の高い問いを持つ
②情報を集めアイデアをまとめて提示する
③実行する
という流れのうちChatGPTは②しかできない、①と③は人間にしかできないとのこと。(もちろん②をものすごく優秀に、短時間でやってくれるのだけれど)
人間は「この問題をどうにか解決できないかな」とか「もっと○○したいな」というような意志を持つし、それを実現したければ困難があっても試行錯誤をしたり、時に客観的に見れば「無謀、馬鹿」という行動に出て、状況を打破したりする。
AIは、相反する問題に同時に直面するとフリーズしてしまう。
人工知能の難題「フレーム問題」 - AI人工知能テクノロジー (newtechnologylifestyle.net)
人間だったら「え?そんな方法で?」という解決をしたりする…こともある。以下はそのとても極端な例。
なんとなく、現時点のChatGPTは、アラジンの魔法のランプみたいだなと思った。ディズニーの表情豊かなジーニーじゃなくて、千夜一夜物語の、感情や意志がないランプの魔人の方。
何でも実現してしまう力を持っているけれど、命じられない限り自分から何かをすることはないし、だからランプの中から出てきて世界征服したりはしない。(やろうと思えばできるのだろうけど)
ランプの魔人に何を問いかけるのか、何を実現したいと願うのか、それによってどう生きていこうとするのかというところに、人間の存在意味があり、これからますますそれが強く求められるようになっていくのかもしれないなと感じる。