地球のスケールで歩いてみる
地球カレンダーというものをご存知でしょうか。
地球が誕生してから現在までの46億年の流れを
1日365日に置き換えたものです。
地球の誕生を1月1日現在を12月31日の夜12時とします。
約1億年がカレンダー上では約8日に換算されます。
私の感覚では恐竜の登場が夏の終わり頃で
人類は秋の終わり頃11月くらいかなと
思っていたんですけれども、とんでもなくて
恐竜の誕生は12月13日
ホモサピエンスの誕生は12月31日の午後11時37分
年末でいうと紅白歌合戦が終わったか終わらないかくらいです。
23時59分47秒にいわゆる西暦というものが始まり
23時59分58秒に産業革命が起こります。
いわゆる「現代社会」と呼ばれているものは
地球カレンダーで言うとをたったの2秒間ということです。
マザーガイアがほんの瞬きする間の出来事で
この2秒間の間に
本当に人間は地球に対して
大変な破壊をしてしまったんだなということを感じます。
どうしてこのような話をしたかといいますと
先日Deep Time Walkという
地球誕生から現在までの46億年を歩いて体験する
というイベントに参加したからです。
100m歩くごとに1億年経つということです。
約3時間ほど歩いては立ちどまり
地球の歴史などの話を聞くというものでした。
講師は近藤瞳さんという方で
18年間で137カ国を旅したという方です。
職業は自分を生きること
趣味は生きることだそうです。
地球が寝床、オゾン層が天井と話すような
スケールの大きな方でした。
このような地球を生きるワークショップ
というのを全国で開催されています。
歩きながら瞳さんの体験や思いなどを聞いたりして
とても有意義な時間でした。
実際に歩いてみると地球のスケールの大きさというのを
体験することができました。
瞳さんの話の中で
印象に残ったことについて話をしていきたいと思います。
一つ目は「エコロジー」と「エコノミー」という言葉についてです。
エコロジー(経済)というのは
古代ギリシャ語の「オイコノミア」という言葉が語源だそうです。
「オイコス」=エコの語源なんですけれども
これは「家庭」という意味だそうです。
そして「ノミア」はルールや決まりのことを指すそうです。
つまり家庭のルールというのが語源ということですね。
そしてエコロジーの語源は「ロゴス」(論理)という意味です。
瞳さんはこのDeep Time Walkを
イギリスのシューマッハ・カレッジという専門学校で習い
それをアレンジしておられます。
シューマッハ・カレッジというのは
地球を「家」と考えて
地球のことをよく知らないのに
ルールを作って管理しようとするという考え方は
外側を何とかしようとする考え方だとして
まずはエコロジー = 家 = 地球のことを知ること
というのを体験を通して学んでいくという学校だそうです。
瞳さんはこの
「自分のことをよく知らないのにルールを作ろうとする」
ということについては
自分に対しても言えるのではないかと話しておられました。
つまり自分のことをよく知らないのに
外側ばかりを何とかしようとしがちではないだろうか
ということです。
多くの人が外側=エコノミーを何とかしようとしているから
行き詰まったりおかしくなったりするのではないかということで
自分が大事にしたいことや
内側から湧き上がってくるものを
外側に表現していくというのが順番なんじゃないかな
ということをおっしゃっていました。
また、植物というのは別に誰かに気を使っているわけではなくて
彼ら自身を生きているのですが
そのことによって世界が循環しているということも話されていました。
植物は植物をやっているし
動物は動物をやっている
皆が本当に自分であることをやると
すべてが循環するのではないかなとおっしゃっていました。
「みんなが本当に好きなことをして
世界が回るんだろうか」というのを私も考えることがあります。
おそらく、エゴに従ってやっていたら
北斗の拳みたいな世界になってしまうかもしれませんが
エゴではなくて本当の自分を表現するということを
みんながやっていけば
植物や動物が循環して生きているように
スムーズに巡る世界が出来上がるのかもしれないな
ということも感じました。
もう一つ印象に残った話としては多細胞生物の話です。
地球カレンダーでいうところの
1月下旬から2月中旬ごろに最初の生命が誕生しています。
最初の生命といっても
目に見えないほどの小さなウイルス的なものだったそうです。
そしてカレンダーでいうところの7月頃に
真核生物が出現します。
この真核生物というのは他の生物を取り込んで
細胞内で共生をするものだそうで
単純な細胞分裂=自分のコピーというのをやめて
多様性を選んだということになります。
この真核生物というのが
多細胞生物のもとになっているとのことです。
そのため多細胞生物というのは
新たなものを取り込みたいという性を持つそうです。
つまり「自分になる」ということのために
別のものになろうとするというような揺らぎが発生するということです。
「自分らしくなりましょう」というと
何か行動しなくちゃと考えがちかなと思います。
つい多細胞生物的に
自分ではない他者を取り込もうとしてしまいます。
瞳さんは「自分になっていく」というのは
新たなものと出会うこともですし
余計なものを剥ぎ取っていくということも
含むのではないかなと話されていました。
「Tシャツを50枚くらい着ている」という風に
表現されていたんのですが
その余計なTシャツというのを一枚一枚
脱いでいくことではないかなとおっしゃっていました。
私たちは多細胞生物なので
つい自分じゃない別のものを取り込もうとしてしまうんですけれども
そういう風に思ってしまうことは
「多細胞生物だから仕方ないよね」ということとして
その一方で自分らしさっていうのを
研ぎ澄ませていく、磨き出していくということも
必要なのではないかなと感じました。
そして私たちは60兆個の細胞からできているといわれています。
この60兆個の細胞をすべて一列に繋げると
地球から月へ行って
また帰ってくるほどの長さになるそうです。
そして細胞の一つ一つの中にはDNA螺旋が入っています。
これは父親から半分、母親から半分引き継いだものですが
この一つの細胞の中にあるDNAを一列に並べると
180センチほどになるそうです。
そしてさらにこのDNAを60兆個分並べると
地球から太陽を300往復できるほどの長さになるそうです。
「私、何も持ってない」という風に思ってしまいがちなのですが
こんなにたくさんのものを
自分の中にぎゅぎゅっと持っているんだな
と言うことに驚きました。
ゆっくり歩きながら自然を感じながら
いろんなことをきっかけになりました
カバー写真:UnsplashのMatthew Smithが撮影した写真
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