感想をログに残しておきます。高性能ですから!【ATRI-My Dear Moments-プレイ後雑記】
あらすじ
過去の事故で片足と家族を失いトラウマが残った主人公、彼はロボット少女のアトリと出会い、二つの意味で歩き始める一夏の物語。
海と空の青さが眩しいボーイミーツガールな王道ジャンルな恋愛趣味レーションにロボットヒロインという変化球が光る恋愛ADV。
魅力
テンポがいい。無駄なく洗練されたテキスト
短い!めちゃくちゃテンポが良い。故にシナリオから受けるストレスが非常に少ない。ヒロインと喧嘩した後の仲直りが早かったり、初対面で警戒心を出しているキャラと馴染むのが早かったり。不穏な展開がその後解決するという信用があるので安心して読める。加えてこれは決して描写不足というわけではなく納得のいく展開で丁寧に話が進む。(AIRで往人さんがみすずちんを数週間邪険にしていたの、今時はちょいときついよな)
また、このテンポの良さはシナリオの演出とも合致している。シナリオ冒頭、様々な事情でアトリとお別れする日が確定し、その日をゴールとしてストーリーは進んでいく。アトリと過ごす日々は明るいことも暗いこともありながらも濃密で幸せな日々。それは一瞬で過ぎ去り気がつけば別れの日まで数えるほどに…というようにプレイ時間としてもアトリとの日常が物足りないほど(足りないわけではなく絶妙に名残惜しくなる)のタイムであり、プレイヤーは主人公と共にアトリとの別れに感情を揺さぶられる。
そのためプレイ時間は10時間前後ほど。シナリオの綺麗さ面白さUIの丁寧さも相まってかなり遊びやすく仕上がっている。ノベルゲーム、アドベンチャーゲーム初心者の入門にも最適。気になった人は是非。Switchとかでできるよ。
物語エネルギーを完全開放するキャラ
テンポが良い。故にキャラも最低限である。だがだからこそ、それぞれのキャラに明確な役割が与えられている。それぞれのキャラクターは自身に割り振られた物語上の役目を100%遂行する。そのためメインヒロインのアトリよりも割かれるコマが少ないもののしっかりと活躍をし、物語に爪痕をプレイヤーに印象と愛着を残す。
上記の二人の他にも保護者枠のお姉さんや見るからに怪しく後ろ暗い悪役の男などなど。キャラクターが登場した時点でどのような役回りとなるか明確に察することができる。
じゃあ展開よめておもんなくない?
そこでヒロインのアトリである。
彼女はアンドロイド。それゆえの制約や不安定さ。そして目的やロストしたログの示す意味深な秘密。
あらゆるサブキャラの役割がはっきりしているからこそ明確に際立つ不安定で謎の多い彼女。二転三転する彼女を取り巻く状況だけは先が読めない。主人公とアトリを阻む困難な壁や試練。これらがクリフハンガーとしてプレイヤーの興味をテキストを読み進める意欲を推進する。
アトリが可愛い。可愛すぎる
アトリが可愛い。なんだこのポンコツアンドロイド可愛いな。
健気に一生懸命。時々自身気に。愛嬌を振りまくアトリはくっそ可愛い。
これだけでも遊ぶ価値があるくらい可愛い。
アトリが可愛い(ネタバレあり)
こんなに可愛いのが素かと思ったら、プログラムが喜びそうな動作や反応、セリフをシミュレートしてただけなんてな。ほんとは合理的で淡々としたロボットだなんてな。ギャップの演出、やばいよ。俺びっくりしちゃったよ。
そんでそっから捲って感情の存在に気がついて元の可愛いアトリが返ってくるのも王道だけど丁寧に描かれてるから決して陳腐じゃない美しいストーリーだよ。俺、魂の漢泣き。
総評
短く纏まりながらストーリーは無駄なく洗練されており、ヒロインはめっちゃ可愛い。ラストの展開も美しくカタルシスも凄まじい。
満足感の非常に高い作品でクリア後の爽やかながらも重厚な多幸感はこの作品独自のもの。なんかアニメもやるらしいし。気になった人は是非遊んでみてくれ。オススメの一作。
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