Chrngnjr

パリで小さな店を営む女店主。 地味に音楽業界で働く旦那と二人暮らし。ぶっ飛び天使の義母…

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パリで小さな店を営む女店主。 地味に音楽業界で働く旦那と二人暮らし。ぶっ飛び天使の義母、ガテン系の義妹、見目麗しいゲイの義兄と、破天荒な登場人物に囲まれた私の生活を綴ります。

最近の記事

私が寝ている間に

久しぶりに部屋から出た。 ずっと寝ていたので。 ひと月前にどうにもダルい日が続くから、まさかねぇ…と思いながらもテストしたら陽性。コロナじゃなくて、妊娠。でもその幸せは2週間でおわり。 赤ちゃんがお腹の中で亡くなっちゃった。 繋留流産。 「赤ちゃんの心臓が止まってます」 そう言われたからといって、赤ちゃんが消えるわけじゃない。 つわりもあるし、朝起きたら胸がパンパンに張ってる。それなのに、前日までどれだけ安静にしてても止まらなかった出血はなぜか減ってきて、数日で止ま

    • お前は客なのか?

      店をオープンして以来、忙しすぎて何も手についてない。 起きて、店へ行って、働いて、帰って、寝るの繰り返し。 7時閉店なのになぜこんなに時間がないのか、それはひとえに… フランス人のせいだ!!! 神出鬼没フランス人。 当店は月〜土曜日12時オープン、7時クローズなんだけどマー11時には来る。 「やってる?」とかはない。なんの疑いもなく「さて…何にしようか…」とか言いながら来る。 もしかしてOPEN/CLOSEの札が目に付きにくかった?とおもって、取っ手の真上につけた。

      • 甘みの抜けた思い出

        たま〜に 年に2,3回くらい めちゃくちゃノスタルジックな気分になるときがある。 そういう時は大体①中学時代 ②高校時代 ③大学時代 のとれかによく聞いてた音楽を聴き漁る。 今日は邦楽縛りで③から始まって①に飛んだ。①まで行くことはあまりないので、エモエモのエモなるか?期待が高まる。 こういうことするのって要は甘酸っぱい思い出に酔いしれたいんだろうけど、色んな曲を聞いてるうちに気付き始める。中学時代の思い出なんて30半ばのおばさんからしたら甘みはとうの昔に消えて酸味の塊。

        • ちいさな夢をたくさん

          パリ在住、小さな店の女主人。 まさか自分が将来こうなるとは想像してなかった。 初めて将来の夢を考えたのは保育園の年長の時。 風邪で休んだ翌日、教室に行くとズラリとみんなの将来の夢の絵が飾られていた。女の子達は「ピアノの先生」「花屋さん」「おかあさん」などなど。私が描きたかった「アイスクリーム屋さん」は既出で、何故かかぶっちゃだめだと思ってたので(とられた…)と悩んだ。 そこへ保育士として働いてる母がやってきた。「なんの絵描くの?」「アイスクリーム屋さんがいいけどもう描かれ

        私が寝ている間に

          パリで安くアパートを借りる

          シェアフラットから出ることが決まって以来、毎日のように物件サイトを眺めている。 あれからすまし顔で暮らしているものの、シェアメイトのクソッタレペルー人と彼氏はバカンスに行ってるので(一生帰ってくるなよ)と思っているし、道で犬のフンを踏みそうになって避けるたびに(お前にとっといてやったぞ)と心の中でつぶやいている。 それくらい私は性格が悪い。 そんなことはどうでもいい。 部屋探し。 物件サイト、好きなんだよね。見てると夢が広がる。 このキッチンいいな!ここはバスタブがある

          パリで安くアパートを借りる

          フランスのビールあれこれ

          ベランダから外を眺めていたら、ユニクロのロゴ入りバッグを持った人が歩いてた。(マー日本人がZARAとか持ってる感覚か…)と思ったけど、よく目を凝らしたら ユニ クロ ではなくて コノ ヤロ だった。 思わず笑ってしまったら、怪訝な顔つきでこちらを見ているので「そのバッグいいね!」と言ったんだけど、本人はなおも腑に落ちない様子。さては意味わかってないな?それはそれでいい。 昨日は新しい店舗の内装工事を手伝ったあと、ベネズエラのサンドイッチを食べに行って、その後もしばら

          フランスのビールあれこれ

          ピンチ!家なき夫婦!

          昨日突然アパートから追い出されることになりました! 実はシェアフラットに住んでる。広さの割に家賃が安いので不便は色々あれど、値段には勝てずズルズルと1年。 シェアメイトは長年住んでるペルー人と、その友達のスペイン人に、最近ペルー人の彼氏が加わった。 その時から嫌な予感はしてたんだよね… そもそもこのアパートに来ていろんな事があった。 明け方までどんちゃん騒ぎのパーティーは朝飯前。断りもなくAirbnbをやったり(本人不在、私がタダで世話係)、その客がドラッグパーティーを

          ピンチ!家なき夫婦!

          フランス人、テラスハウスにハマる。

          「子供の頃セーラームーンに憧れてた」 「日本旅行では何を食べてもおいしくて…」 「好きな監督はタケシ・キタノ、ナオミ・カワゼ、ギブリも勿論好き!」(共にフランスの発音) この辺が日本好きによく言われるお決まりのパターン。セーラームーンは意外と知名度高いのと、ビジュアル系も実は密かに人気なのがジワる。 そして最近めちゃくちゃ増えたのが  「…テラスハウス!!!もう中毒だよ!!!」 息も切れ切れ。どうしても言いたかった!という熱気が伝わってくる。テラハにどハマリするフランス

          フランス人、テラスハウスにハマる。

          閉店間際のジャンヌ・ダルク

          フランスにはコンビニがない。 24時間営業の店もほぼ無い。 日曜にいたっては営業すらしない。 普段の生活には困らない程度に慣れたけど、飲食業なんで急に何かが必要になった時は大ピンチ。 この前フェスのケータリングに出店したんだけど、予想外の大反響で余裕を持って用意したはずの2日分の仕込みが1日目の終了間際に完売。慌てて翌日分を仕込まなくちゃいけなくなった。が、時計の針は午後10時。パリのスーパーは基本9時に閉まる。しかも明日は日曜でスーパーはやってない。やいやい…いけんのか

          閉店間際のジャンヌ・ダルク

          魔女の谷の不思議なひととき

          昨日まで1週間、旦那の担当アーティストがバスクで開催されるフェスに出るので、友達のマリエットと同行しつつバカンスに行ってきた。 レーベル勤務の何がいいって、ライブやフェスがタダになること。たまにVIPパスもらえたりしてドリンクやケータリングまでフリーになるので、この仕事は一生続けてほしい。 仕事と言っても、アーティストに顔をみせる程度(たまに神経質でずっと一緒にいて!っていうタイプもいるけど)なので、ほぼ自由行動。 会社からオープンカーが支給されていたので、うかれてドラ

          魔女の谷の不思議なひととき

          ガイドブックが止める場所は住むと楽しい

          「夜のモンマルトルは危険」 「パリ北駅、西駅周辺は治安が悪い」 多分どのガイドブックにも書いてあると思う。確かに、安全ではない。観光客は間違いなくターゲットになるしね。 ただ、住むのは超楽しい。 私はモンマルトルの麓(映画「アメリ」のロケ地)ピガール在住。云わばゴールデン街に住んでるような感じ?一人で夜歩くときはスキを見せないように細心の注意をはらってるけど、街並みがキレイで、実は飲食の名店ひしめく激戦区で、ナイトクラブとかバーとかイベントスペースが徒歩圏内にたくさんある

          ガイドブックが止める場所は住むと楽しい

          運命に惑わされた話

          28歳の七夕のよる、一目惚れした。 行きつけのレコード屋のイベントである男の子を見た瞬間「私この人と付き合う」と直感が走った。 とはいえ、見知らぬ人。 「たのもー!付き合ってくれ!」とは言えないし、それまで男性に自ら番号を渡したことがなかったので、唯一の共通点のレコ屋に通いつめ、かなり無茶苦茶な方法で番号を渡して連絡を取り始めたのが11月。初めて二人きりで会えることになったのはバレンタインデーだった。 サラッと書いたけどアラサー人生初の一目惚れ、捨て身でここまで漕ぎ着け

          運命に惑わされた話

          地下帝国パリ

          パリって実は地下室がどこにでもある。 ワインの貯蔵庫として19世紀に作られたそうなんだけど、当時の姿のまま今はストレージとして使われてることが多い。 19世紀のままだから、当然ボロい。 しかも多分引っ越しの時にいらんものそのまま残してる気がする。 引っ越してきて10ヶ月、今日初めて行ったらめちゃめちゃ知らんものがあった。知らんものっていうか、空のワインボトル。 すごい邪魔だし、いらん。 さり気なく放置されたダンボール達、お前らもいらんぞ。 隣の扉が鍵がかかってなかっ

          地下帝国パリ

          浦島フランソワ

          外で洗い物をしていたら、裏のアパートから思いっきりセックスしてる声が聞こえてきた。 (まったく…まだ午後1時だよ?)と思ったけど、この時期は夜10時を越えても明るいし、関係ないんだろうな。 学生時代にミニシアターで働いてて、フランス映画もよく上映してた。名作駄作問わず色々見た中でも忘れられない作品がある。 タイトルは思い出せないけど、主人公の女の子はパリにやってきたばかり、冷たい都会の洗礼を受けてナンチャラカンチャラあった末に出会った紳士と恋に落ちる。ラストシーンで紳士が所

          浦島フランソワ

          進化せえとは言わんが

          「花の都パリのリアルを暴露します!」 在仏日本人のツイッター・ブログによくある一文。 フランス側は隠す気もないのに、暴露って… そもそも彼ら個人に起こってることがなぜ万人の「リアル」として「暴露」されなきゃならんの… なぜかネット上の在仏日本人には大きく分けて「暴露アカ」「在仏ベテランアカ」「駐在アカ」が多くて、みんな文句言ってる気がするけど私はどこにも属したくない。そもそもそんなにフランスに物申す!とか思わない。でも昨日はちょっと腹が立った。 「新鮮なモッツァレラを

          進化せえとは言わんが