早歩きした帰り道
今日はなんだか
すごく疲れている。
うまく言葉にできないけど
感覚的に、かなり、落ちている。
そう思いながら
長いバックヤードをとぼとぼ歩いていたら
西の空が燃えているのが見えた。
私は心の重さや身体の疲れを忘れて
空だけを目指して歩いた。
夕やけはすぐに終わるから。
間に合った。
雲がオレンジやピンクに染まる。
青空は昼と夜の間を
少しずつ確実に進んでいく。
美しい。
私はそのまま、
夕やけを、もっと広く見られるところまで
散歩した。
何も考えず、美しい空を見たい一心で
ただ、西に向けて歩く。
なんだか、
贅沢をしている気分だった。
時間の贅沢。
陽はどんどん沈んでいる。
だから、早歩き。
川面に反射して、
もう夜が来はじめていた。
夕やけを見たからって
今日落ち込んだ原因が
なくなるわけじゃない。
むしろ、物理的には何も変わらない。
それでもよかった。
私にはそういう時間が必要だった。
自分の心のままに早歩きする時間が
絶対必要だった。
自分の至らなさと
相手の嫌な部分とが
全てぶつかり合って
不協和音がずっと耳の奥で鳴っている。
それでも聞こえないフリして
笑ってやり過ごさなきゃ
仕事にならない。
どっちを向いたら進んでいるのかも
わからなくなる。
だから私は明日も明後日も
なんとかかんとかやり過ごして
自分のレベルを上げるために
ひたすらやるしかない。
そんな中で
今日みたいな夕やけが見れると
ご褒美だなって思うんだ。
いつか、自然に還るだろうから
私はそれまでこうして
自然の恩恵をありがたく受け取って
小さい幸せを大事にしたい。
ささくれた心に
やさしく染み込む夕やけの色。
早歩きしてよかった。
2019.08.12
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