「孤高のまなざし」 エゴン・シーレ
こんにちは。
今回は、先日NHK教育で放送された「日曜美術館」の
エゴン・シーレ回を見て私が感じた事を末筆ですが
ここに書こうと思います。
皆さん、ご覧になられました?
私が思うに芸術は絵であれ、音楽であれ、
それら現実に表れたものを通じて創り手の心を
覗き込む為に存在していると思います。
彼はちょうど思春期の頃に父親を梅毒で亡くし、
性への恐怖や嫌悪に駆られました。一方、思春期と
いえば体の発達に伴い性衝動が人生で一番高まる時期。
当然、あまりにも激しい葛藤があったことは想像に
難くありません。
そんな引き裂かれるような思いを絵にしたのが
「叙情詩人」
男性器は彼の情欲、右手は羞恥心を表していると
いいます。 深く傾げた首は非常に憂鬱です。
父親を亡くしてからは常に「死」の気配が身近にあった
のでしょう。これ以降も彼は「死と男」など
「生」と「死」を扱った作品を多数、世に輩出して
います。
28才という若さでこの世を去ったシーレですが、
短い人生の中で素晴らしい作品を多数遺してくれました
その繊細ながらも力強いタッチに心を動かされました。
絵の中から彼の壮絶な生が語りかけてくるようです。