76年 日弁連が統一協会の被害調査に、人権擁護のため
「原理運動に対し日本弁護士連合会の人権擁護委員会(北山六郎委員長)は人権擁護の立場から実態調査に乗り出すことを決めた」との記事が掲載されたのはクリスチャン新聞1976年2月8日号。
原理運動被害者父母の会(後藤富五郎会長)が日弁連に昨年、「原理運動の反社会活動を調査して欲しいと申し立てていた。
それを受けて、人権擁護員会では信教、集会、学問の自由などを担当する第5部会(川瀬仁司部会長)が予備審査。父母の会からの資料、元信徒の証言を元に検討してきた。
その結果、統一協会は「宗教活動の限界を超え、人権侵害の疑い」があるとの結果で76年、「原理運動に関する事件委員会」を設け本格的調査に乗り出した。
「日弁連の人権擁護委員会は各種刑事、民事事件当時者の申し立てに基づき、人権擁護上の調査活動」に当たる。
在野の組織なので調査や警告に法的強制力はないが、法曹の一角を担う専門家の活動だけに調査には重みがある」。
予備審査に当たった第5部会が、日弁連として調査に乗り出す判断を下した理由は次の通り。
昨年2月ソウルでの集団結婚式は、文鮮明氏の指名で信者に結婚を強制している疑いがある
信徒は粗末な食事で過重な活動に携わり、健康管理に問題が多い
入会や脱会に際し心理的圧力が加えられる
街頭募金や物品セールスは社会福祉活動を装いながら、集めた金の大部分を協会の資金に充ててしまい反社会的
被害者父母の会は集団国際結婚式に反対して結成された。
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クリスチャン新聞でも早くから統一協会問題について報じているが、今回は日弁連が、人権問題の立場から取り組んでくれることになったことを報じている。
今日、統一協会問題の解決に向けて、日弁連の果たしてくれている役割は大きいわけだが、その一番の発端を76年の記事が伝えているわけだ。
それが今日の、日弁連による統一協会問題取り組み、そこから波及して、マスメディアでの取り扱いにつながっている。
法律家だけでも25年もかけて取り組んできた社会の深刻な問題が、一刻も早く根本解決されることを願う。