
76年 ソ連の「公認」「非公認」新教教会と日本の交流
公認教会訪日
ソ連共産党の独裁下、「鉄のカーテン」の向こうにあったソビエト連邦だが、その政府公認のプロテスタント教会を代表した訪問団がはじめて、1976年7月に正式な訪日をしたことが記されている。
日本バプテスト連盟の招きによるもの。
その5年前に、日本のバプテスト教会を代表して、泉田昭師(日本バプテスト教会連合・練馬教会牧師)、中島善和牧師(日本バプテスト連盟常務理事)大島良雄師(関東学院大教授)が訪ソ、ソ連バプテスト教会と交流したのがきっかけ。
ソ連の公認教会は1960年、ソ連政府の提示した「宗教に関するドキュメント」を受け入れた人々によって構成され、伝道活動禁止、子どもの集会や宗教活動の禁止などを含む。
それを受け入れない非公認(地下教会)の道を歩む人々もあった。
制限下でも福音は前進している
今回、公認教会代表団の報告により、制限下にあっても「福音は前進している」ことが明らかになった。
代表団は、モスクワ・バプテスト教会の牧師、信徒リーダーら4人。
家庭が個人伝道の場となり、昨年1年で、ソ連全土で約5000人が洗礼を受けたと報告。
モスクワ・バプテスト教会の場合、教会員6200人で、週に6回行われる礼拝は常に満員、「冬でも入りきらない人のために扉があけはなされている」(写真は、モスクワ・バプテスト教会の満堂の礼拝)。
非公認教会との交流も行われている。
ソ連の教会は「自由主義神学の影響を受けたことがなかった」ため「バプストをはじめメノナイト、ペンテコステ、および福音派といわれる教会を含めそのメッセージが聖書的」という背景から、多くの「霊的なもの」を学ぶことのできる教会だとクリスチャン新聞は記事を書いている。
未公認の指導者も来日
上の記事に続けて、来年2月、未公認教会の指導者を日本バプテスト連盟が受け入れ準備をしていると報じている。
ロシア正教会アカデミーによる聖書翻訳
続けてクリスチャン新聞は、外信(CJC)の伝えてきた「ロシア語聖書新訳」の報を載せている。聖書全巻のロシア語新訳を開始したと。
ロシア正教総大司教座の後援で進んでおり、「新約は(すでに)完成し、教会当局の神学的検討を待つばかりという」と伝えている。
既版ロシア語聖書の解説も記され、1876年完成の近代ロシア語聖書がある、さらに60年前に「パリの学者たちが手がけた」ものがあると。
*クリ時旅人がネットで調べてみたが、ここで伝えられた新訳の後の消息が未詳である。
wikipedia「聖書のロシア語訳」(ロシア語版)の記載の中に
「ロシア聖書協会の翻訳」として、
新約聖書の翻訳者 -科学編集委員会の参加によるV. N. クズネツォフ。この作業は、1980 年代半ばにアレクサンダー メン大司教の参加を得てイニシアチブで開始され、 RBOによって継続されました。新約聖書は 2001 年にGood Newsというタイトルで出版されました。
と記された、これにつながっていくのだろうか?
いやいや、wikiによると「80年代半ば」に大司教のイニシアチブで、とあるから、76年のこの件とはつながりが「ない」と見ておくのが妥当だろう。
謎である。(CJC通信も、古い時代の記事は検索にかからないので、CJCからロシア語聖書の消息について調べることはできなかった)
他にも多くの新しいロシア語訳聖書が出ている。
https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A0%D1%83%D1%81%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5_%D0%BF%D0%B5%D1%80%D0%B5%D0%B2%D0%BE%D0%B4%D1%8B_%D0%91%D0%B8%D0%B1%D0%BB%D0%B8%D0%B8
またロシア正教では、スラブ語訳聖書(『エリザベタ聖書』1757年版など)が正典という位置づけなのだろうか?

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