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77年 安息日厳守のため、自分たちの店を作った美容師
その名も「シャローム」。
日曜日の聖日礼拝を守るため自分たちの美容院を作ってしまった人たちがいた。
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福音派の教会では、20世紀、日曜日の礼拝を守ることが大事という価値観が強かった。「安息日を守る」「聖日礼拝厳守」という言葉すらあったほどである。
それが大きな動機となって職業選択の基準になったりすらした。
日曜安息日遵守というと思い出されるのが1981年公開されたイギリス映画「炎のランナー(Chariots of Fire)」である。宣教師志願者であるエリック・リデルは、パリでのオリンピックの100メートル走が日曜日であることを知らされる。そして・・・(以下、サイト「Cinemore」より)
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牧師でもある彼にとって「走ること」の意味はもはやスポーツの範疇を超えていた。……自分は神の意思を全うするためにもレースに勝たねばならない。つまり彼は「伝道」のために走るのだ。
だが、このリデルに一つの問題が降りかかる。彼が出場する100㍍走の予選は日曜日に行われるという。キリスト教徒にとって日曜は「安息日」であり、何もしてはならないことになっている。一般的にはそれほど厳しいしきたりでなくとも、彼は宗教家である。人々の模範となるべき自分が、自ら戒律を破ることなど許されない。代表団の説得にも頑として応じなかった彼は、最終的に出場レースを100mから400mへと切り替え……このレースにてまさかの金メダルを獲得するのである。
クリスチャン新聞1977年5月22日号に載ったこの人たちは、正にリデルと同じ信仰のスピリットを持った人たちだった。
美容師の角田好江さんは、人の店に勤めていた。入店当時、日曜は休ませてもらう約束を取り付けていたが、日曜は一番のかき入れ時だと、休むのがだんだん難しくなってきた。
小川光雄さんも美容師。店と交渉して何とか日曜午前だけは休みを確保したが、1年もすると、同僚の非難や経営者の圧迫で困難になってきた。
「たとえ礼拝に出てもすぐに帰らなければならない後ろめたさが残った」。そして「自分だけ帰らなければならない寂しさ」。教会での他のクリスチャンとの「交わり」の時が少なくなると、だんだん神様から遠ざかっていく自分が分かったという。
小川さんは、罪意識と「霊的飢え渇き」に襲われて、いっそ美容師という職業そのものを辞めようかと考えた。
その時ふと、「自分で店を持てばいいんだ」という思いが与えられた。しかし資金があるわけではない。
しかし小川さんは、「〝見えないもの〟を〝見えるようにして〟」信じ、祈りはじめた。
小川さんは、同じ教会(横須賀緒明山教会、当時。現・横須賀中央教会)の角田さんにこのビジョンを話し、「あと3年ほどできっと店を出すから」と言ってしまった。角田さんは一緒に手伝うと約束した。
3年ほどの月日が経って小川さんはたまたま、昔の友人、喜屋武(きゃん)幸俊さんと再開した。喫茶店で話し、教会に連れて行った。以前創価学会員だったが疑問を感じ、偶像に祈ることの虚しさを感じていた。教会での祈りは神の存在を彼の心に鮮明に描き出した。
そんなある日、小川さんが美容院の夢を語ると、喜屋部さんは自分が出資するからぜひやろうと言い出した。
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いよいよ3人で、場所と資金の準備が始まった。喜屋武さんが4分の3を出資し、小川さんが残りを出資した。
さらに、売り出された美容院店舗の物件が見つかった。内装は教会員が手伝ってくれた。外装や保健所の検査を含め1か月で開店に至った。
壁には、牧師から送られた聖画が掲げられた。
開店後間もなく、60歳くらいの婦人が来店し、温かな店の雰囲気に触れて、自分のことを話し出した。「今まで通っていた美容院では無愛想でこんなこと話せなかったけど」と。
店内には賛美歌が流れている。「この店はカットが上手いと聞いたから」と来店する客もある。小川さんたちは客に話しかけて、イエスさまの証しをするように心がけている。
***日曜日を必ず守ることには議論がある。ただ、自分が信仰によって、「このことを神さまと約束している」ことがらをないがしろにしないで、あくまでそれが実現するように祈り求め、行動するところに、自分たちの店を持つという思わぬ恵みを与えられたということにクリ時旅人としては目を止めたいと思っている。
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